浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0279A01: | りとも云ひつべし。四者。四明所引の文を。校勘せら |
Z14_0279A02: | れぬなり。謂く。四明。起信の文を引玉ふこと。處々に |
Z14_0279A03: | あり。今且く三書を擧ん。一には妙宗鈔。二には融心 |
Z14_0279A04: | 解。三には復二楊文公一書なり。この中。妙宗融心に引け |
Z14_0279A05: | る文は。其義よく通ず。但し復二楊公一書は。兩處に出た |
Z14_0279A06: | り。一には敎行錄。二には樂邦文類にて。共に石芝の |
Z14_0279A07: | 編集なり。今談に引るゝは。卽ち敎行の文なり。然る |
Z14_0279A08: | に融心に。旣懼二此土。缺レ緣信退一と云ひ。妙宗に。信心 |
Z14_0279A09: | 退失。などゝ云ふに照せば。敎行の。懼謂信心。意欲退 |
Z14_0279A10: | 者より。文類の。懼謂信心。缺緣退失と云方が。善本の |
Z14_0279A11: | 樣に。思はるゝなり。信心を懼れてと云よりは。信心 |
Z14_0279A12: | の退失を懼れてと云が。其義明かなればなり。これを |
Z14_0279A13: | 校勘せられぬは。不吟味かと覺ゆ。五者。訓點あやま |
Z14_0279A14: | る。謂く。その文義の。明白ならぬ方を。引れし故に。 |
Z14_0279A15: | 謂二信心意欲一レ退と讀れぬ。あしゝ。懼謂の謂は。謂念な |
Z14_0279A16: | り。意欲の欲は。願念なり。念を念ずと云點。付られ |
Z14_0279A17: | ず。故に且くこの文にて訓ぜば。懼二謂信心一。意欲レ退者 |
Z14_0279B01: | と。點ずべし。上來の五失を點撿して。げにもと思ひ |
Z14_0279B02: | 玉はゞ。願は引なをされよ。 |
Z14_0279B03: | 四明尊者○わけとし玉ひ。 四明の。起信を引玉ふ |
Z14_0279B04: | は。率むね圓修三觀の證なり。故に非二圓三觀一。寧照二法 |
Z14_0279B05: | 身一とも。自レ非二一心三觀一。將レ何觀レ之とも。答有二諦觀一。必 |
Z14_0279B06: | 能賭見すとも云へり。此れ蓋し妙觀を論ずるに就て。 |
Z14_0279B07: | 本宗の正行を。證し玉ふが故に。且く稱名の。勝方便 |
Z14_0279B08: | を略して。たゞ法身觀の。一邊を擧玉ふなり。凡そ末 |
Z14_0279B09: | 世に。行證のなきは。聖敎量なる上。又現量を云にも。 |
Z14_0279B10: | 陳隋以來。三觀を成就せる人は。但これ南岳天台のみ |
Z14_0279B11: | ならずや。而るに末世行人とは。誰ぞ。若し觀行相似 |
Z14_0279B12: | とせば。旣に其人なし。若し名字已還ならば。これ但 |
Z14_0279B13: | だ聞の學人にて。文行具足せざれば。行人には非じ。 |
Z14_0279B14: | いかん。 |
Z14_0279B15: | 又念二阿彌陀佛○證據とし玉へり。 この念法身。も |
Z14_0279B16: | し海東に依れば。十解已上の修觀とす。故に四明も。 |
Z14_0279B17: | 專念二眞法如身一者。豈異二大乘正信一との玉へり。もし新 |