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Z1440 即心念仏摘欺説 敬首 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0277A01: 綱と云。觀經𤣥義の序題をば。古德は。一代說法。利生
Z14_0277A02: 之相と云。般舟讃の。初の百餘句をば。古德讚は敎大
Z14_0277A03: 義と。の玉へり。然るに此等は。佛敎の大意にては。有
Z14_0277A04: るまじや。いかん。若し又佛敎の大意は。觀心なり。そ
Z14_0277A05: れを淨家にて。知らぬとのこと歟。此義は。下にて云
Z14_0277A06: ん。さて旁觀に。吉水大師を讃じて。是又法華の。爲
Z14_0277A07: 實施權。開權顯實の心を。よく得玉ふと云へり。爲實
Z14_0277A08: 施權は。佛敎の大意にては。これなしや。若し爾らば。
Z14_0277A09: 此と甚だ相違せり。いかん。
Z14_0277A10: 尤も事の念佛○なきなり。事の念佛は尊めども。淨
Z14_0277A11: 家の人を。尊ぬとのこと。聞へたり。
Z14_0277A12: 天台は勿論○求むるなり。 此は。佛敎の大意を。能
Z14_0277A13: く明らめし人は。皆な極樂往生を求む。曇鸞。光明。吉
Z14_0277A14: 水などは。佛敎の大意を。能く明らめぬ故に。往生を
Z14_0277A15: 求め玉はぬとのことなりや。大に不審なり。
Z14_0277A16: 其ゆへは佛法は○しめんが爲なり。斯の言しかり。
Z14_0277A17: それ故。淨土宗などは。六朝の時分より。朝晩つとめ
Z14_0277B01: の禮拜ごとに。願共諸衆生。往生安樂國と。唱へ候。
Z14_0277B02: 先づその界內○極樂淨土なり。 此は。安樂集の。第
Z14_0277B03: 三大門の中なる。聖淨二門の。了簡と同じ。この說源
Z14_0277B04: とは淨土の三部經に出たるを。馬鳴菩薩。始てこれ
Z14_0277B05: を。起信論に開示し。次に龍樹菩薩。婆娑論の中に。こ
Z14_0277B06: れを分別して。南天に鳴り。後に天觀菩薩。往生論を
Z14_0277B07: 造て。その修行を。建立し玉へり。於之。流支三藏。曇
Z14_0277B08: 鸞菩薩。あひともに。無重壽大仙の。金丹を煉り玉ひ
Z14_0277B09: しより。淨土の敎法。天下に彌論せり。其後。天台大
Z14_0277B10: 師。道綽禪師等。流支。曇鸞等の。高迹を慕ひ。十疑論。
Z14_0277B11: 安樂集を著して。これを鳴す。その聲。大にして遠し。
Z14_0277B12: これより末々。宋明に至て。四明。靈芝。雲棲。藕益等
Z14_0277B13: の。ござ〲としたる人々は。申に及ばず。皆この意
Z14_0277B14: を承て。三部經。起信論などを。證據として。淨土を修
Z14_0277B15: 行し玉へり。此れ卽ち。各出廣長舌相。稱讃不可思議
Z14_0277B16: 功德と。云者歟。
Z14_0277B17: 因て馬鳴菩薩○論判し玉へり。この引文に付て。頗

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