浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0276A01: | 敎の大意を。よく知れる者も。往生の一途に望んで |
Z14_0276A02: | は。皆これを捨て。單信無解の。念佛に趣くを。安心決 |
Z14_0276A03: | 定と申候。因て吉水大師は。縱ひ一代の法を。よくよ |
Z14_0276A04: | く學すとも。尼入道の。無智の輩に同じて。智者の振 |
Z14_0276A05: | 舞をせずして。たゞ一向に。念佛すべし。淨土宗の。安 |
Z14_0276A06: | 心起行。これに至極せりとのべ。又は聖道門の修行 |
Z14_0276A07: | は。智慧を極て。生死を離れ。 |
Z14_0276A08: | 淨土宗は。五百年先より。談義の安心をば。かく |
Z14_0276A09: | の如く簡み置けり。 |
Z14_0276A10: | 淨土門の修行は。愚痴に還て。極樂に生るとも。說き |
Z14_0276A11: | 玉へり。此れまた安樂集の。聖道一種。理深解微。今時 |
Z14_0276A12: | 難レ證。五濁惡世。唯有下淨土一門。可二通入一路上の。意な |
Z14_0276A13: | るべし。 |
Z14_0276A14: | 淨土念佛○思ふべからず。念佛の輕易ならざるに。 |
Z14_0276A15: | 略して二種あり。一には。觀行已上の念佛。甚深にし |
Z14_0276A16: | て輕易に非ず。此は自因の。觀念に約す。二には。名字 |
Z14_0276A17: | 已下の念佛。甚深にして。輕易に非ず。此は他緣の。稱 |
Z14_0276B01: | 念に約す。今談。頗る漫なり。然るに具縛の悠々。螢火 |
Z14_0276B02: | の智を負て。さかしらに。單信稱名せぬは。時方便を |
Z14_0276B03: | 知らぬ失あり。過分の振舞をする過あり。勞して功な |
Z14_0276B04: | き損あり。豈に愼まざらんや。 |
Z14_0276B05: | 淨土宗の人の○尊むに足ず。 此も夢中谷響の邪味 |
Z14_0276B06: | あり。さて淨家の念佛を。尊み玉はぬは。前に引く。 |
Z14_0276B07: | 大經。淸淨覺經などの。わけなれば。いとしけれども。 |
Z14_0276B08: | 是非もなし。但し天親菩薩。留支三藏。曇鸞菩薩。道綽 |
Z14_0276B09: | 禪師。光明大師等の。やんごとなき。高僧達を。佛敎の |
Z14_0276B10: | 大意を知らず。見識なしとの玉ふは。餘りなることな |
Z14_0276B11: | れば。淨家は勿論。天台。章安。南山。法照。慈雲。桐江。 |
Z14_0276B12: | 靈芝。永明。眞歇。天如。雲棲。空也。慧心。永觀。珍海等 |
Z14_0276B13: | の。諸宗の先達も。決して同心は。せられまじと存ず |
Z14_0276B14: | るなり。さて。往生論には。佛敎と相應すとあり。佛 |
Z14_0276B15: | 敎の大意を知らずは。凾葢もあひ稱ふまじくや。又論 |
Z14_0276B16: | 註の。難易の分別をば。古德は。一代始終。佛敎大道な |
Z14_0276B17: | りと云。安樂集の。聖淨の判釋をば。古德は。判敎之大 |