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Z1440 即心念仏摘欺説 敬首 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0276A01: 敎の大意を。よく知れる者も。往生の一途に望んで
Z14_0276A02: は。皆これを捨て。單信無解の。念佛に趣くを。安心決
Z14_0276A03: 定と申候。因て吉水大師は。縱ひ一代の法を。よくよ
Z14_0276A04: く學すとも。尼入道の。無智の輩に同じて。智者の振
Z14_0276A05: 舞をせずして。たゞ一向に。念佛すべし。淨土宗の。安
Z14_0276A06: 心起行。これに至極せりとのべ。又は聖道門の修行
Z14_0276A07: は。智慧を極て。生死を離れ。
Z14_0276A08:   淨土宗は。五百年先より。談義の安心をば。かく
Z14_0276A09:   の如く簡み置けり。
Z14_0276A10: 淨土門の修行は。愚痴に還て。極樂に生るとも。說き
Z14_0276A11: 玉へり。此れまた安樂集の。聖道一種。理深解微。今時
Z14_0276A12: 證。五濁惡世。唯有淨土一門。可通入の。意な
Z14_0276A13: るべし。
Z14_0276A14: 淨土念佛○思ふべからず。念佛の輕易ならざるに。
Z14_0276A15: 略して二種あり。一には。觀行已上の念佛。甚深にし
Z14_0276A16: て輕易に非ず。此は自因の。觀念に約す。二には。名字
Z14_0276A17: 已下の念佛。甚深にして。輕易に非ず。此は他緣の。稱
Z14_0276B01: 念に約す。今談。頗る漫なり。然るに具縛の悠々。螢火
Z14_0276B02: の智を負て。さかしらに。單信稱名せぬは。時方便を
Z14_0276B03: 知らぬ失あり。過分の振舞をする過あり。勞して功な
Z14_0276B04: き損あり。豈に愼まざらんや。
Z14_0276B05: 淨土宗の人の○尊むに足ず。 此も夢中谷響の邪味
Z14_0276B06: あり。さて淨家の念佛を。尊み玉はぬは。前に引く。
Z14_0276B07: 大經。淸淨覺經などの。わけなれば。いとしけれども。
Z14_0276B08: 是非もなし。但し天親菩薩。留支三藏。曇鸞菩薩。道綽
Z14_0276B09: 禪師。光明大師等の。やんごとなき。高僧達を。佛敎の
Z14_0276B10: 大意を知らず。見識なしとの玉ふは。餘りなることな
Z14_0276B11: れば。淨家は勿論。天台。章安。南山。法照。慈雲。桐江。
Z14_0276B12: 靈芝。永明。眞歇。天如。雲棲。空也。慧心。永觀。珍海等
Z14_0276B13: の。諸宗の先達も。決して同心は。せられまじと存ず
Z14_0276B14: るなり。さて。往生論には。佛敎と相應すとあり。佛
Z14_0276B15: 敎の大意を知らずは。凾葢もあひ稱ふまじくや。又論
Z14_0276B16: 註の。難易の分別をば。古德は。一代始終。佛敎大道な
Z14_0276B17: りと云。安樂集の。聖淨の判釋をば。古德は。判敎之大

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