浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0263A01: | 念纔かに動ひて。頭を傾くる程は。なを此界にあり。 |
Z14_0263A02: | 命斷ずれば。はや彼の國にいる。故に安樂義には。卽 |
Z14_0263A03: | 是生安樂時と云。十疑には。卽是生淨土時と云。其義 |
Z14_0263A04: | 全く同じ。此また古歌に。もろこしも。夢に見しかは。 |
Z14_0263A05: | 近かりき。思はぬ中ぞ。はるけかりけると。讀る意な |
Z14_0263A06: | るべし。然れば。十疑の在定は。論註の在決定にて。定 |
Z14_0263A07: | 散の定には非ず。因て臈印夢遊の喩。甚だ明かなり。 |
Z14_0263A08: | さて。趙宋以來。十疑の文を解するに。其二家あり。一 |
Z14_0263A09: | 者。平生に約す。謂く若し心性に。淨土を具せずんば。 |
Z14_0263A10: | 佛應現の理なし。故に卽今。佛を念するの心が。便ち |
Z14_0263A11: | 當來。受生の時なりと。云云靈芝幽溪。みな此見なり。 |
Z14_0263A12: | 二者。臨終に約す。謂く平生。淨業を修すと雖も。最要 |
Z14_0263A13: | は。たゞ臨終の一念に在り。この一念は定なり。散心 |
Z14_0263A14: | には非ずと。此は足菴の義なり。然るに此二家。みな |
Z14_0263A15: | 安樂義の本說を。見られざる故に。頗る依用し難し。 |
Z14_0263A16: | さて定心にて死なずとは。此は。いかなることに候 |
Z14_0263A17: | や。臨終の在決定は。罪惡無智の凡夫の。命𤍠識の。滅 |
Z14_0263B01: | する節にて。觀念も叶はず。やう〱。口に唱ふる位 |
Z14_0263B02: | なり。故に四明も。稱二彼佛名一。心雖二相續一。終不レ可レ類二 |
Z14_0263B03: | 見日定心一等と。の玉へり。さるを。深き入定出定など |
Z14_0263B04: | の意を以て。十疑の動念を。了簡せらるゝは。いと鑿 |
Z14_0263B05: | ちたることかと存候。 |
Z14_0263B06: | しづのをだまき○思ふべきことなり。唐日本は。本 |
Z14_0263B07: | より聞重則慢の機なり。且は末法なり。彌よ簡易の法 |
Z14_0263B08: | 門に非ずは。定て退屈すべし。 |
Z14_0263B09: | 此念佛の功德○難レ有ことゝ思ひ。今談は。不生不滅 |
Z14_0263B10: | の。勸めなれば。罪不罪も。不可得なるべし。然らば。 |
Z14_0263B11: | 三世の罪過が。滅ぶるは勿論。滅びざる惡人をも。ま |
Z14_0263B12: | た難レ有思ふべし。いかん。 |
Z14_0263B13: | 此念佛にて○難レ有ことに非ずや。 今談は。死ぬる |
Z14_0263B14: | の。生るゝのと。云ことのなき勸めなれば。觀音の蓮 |
Z14_0263B15: | 臺に。打のるは勿論。のりはづしても。難レ有かるべし。 |
Z14_0263B16: | いかん。 |
Z14_0263B17: | かやうに淨土の○安心決定なり。 三諦法界の理な |