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Z1440 即心念仏摘欺説 敬首 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0263A01: 念纔かに動ひて。頭を傾くる程は。なを此界にあり。
Z14_0263A02: 命斷ずれば。はや彼の國にいる。故に安樂義には。卽
Z14_0263A03: 是生安樂時と云。十疑には。卽是生淨土時と云。其義
Z14_0263A04: 全く同じ。此また古歌に。もろこしも。夢に見しかは。
Z14_0263A05: 近かりき。思はぬ中ぞ。はるけかりけると。讀る意な
Z14_0263A06: るべし。然れば。十疑の在定は。論註の在決定にて。定
Z14_0263A07: 散の定には非ず。因て臈印夢遊の喩。甚だ明かなり。
Z14_0263A08: さて。趙宋以來。十疑の文を解するに。其二家あり。一
Z14_0263A09: 者。平生に約す。謂く若し心性に。淨土を具せずんば。
Z14_0263A10: 佛應現の理なし。故に卽今。佛を念するの心が。便ち
Z14_0263A11: 當來。受生の時なりと。云云靈芝幽溪。みな此見なり。
Z14_0263A12: 二者。臨終に約す。謂く平生。淨業を修すと雖も。最要
Z14_0263A13: は。たゞ臨終の一念に在り。この一念は定なり。散心
Z14_0263A14: には非ずと。此は足菴の義なり。然るに此二家。みな
Z14_0263A15: 安樂義の本說を。見られざる故に。頗る依用し難し。
Z14_0263A16: さて定心にて死なずとは。此は。いかなることに候
Z14_0263A17: や。臨終の在決定は。罪惡無智の凡夫の。命𤍠識の。滅
Z14_0263B01: する節にて。觀念も叶はず。やう〱。口に唱ふる位
Z14_0263B02: なり。故に四明も。稱彼佛名。心雖相續。終不
Z14_0263B03: 見日定心等と。の玉へり。さるを。深き入定出定など
Z14_0263B04: の意を以て。十疑の動念を。了簡せらるゝは。いと鑿
Z14_0263B05: ちたることかと存候。
Z14_0263B06: しづのをだまき○思ふべきことなり。唐日本は。本
Z14_0263B07: より聞重則慢の機なり。且は末法なり。彌よ簡易の法
Z14_0263B08: 門に非ずは。定て退屈すべし。
Z14_0263B09: 此念佛の功德○難有ことゝ思ひ。今談は。不生不滅
Z14_0263B10: の。勸めなれば。罪不罪も。不可得なるべし。然らば。
Z14_0263B11: 三世の罪過が。滅ぶるは勿論。滅びざる惡人をも。ま
Z14_0263B12: た難有思ふべし。いかん。
Z14_0263B13: 此念佛にて○難有ことに非ずや。 今談は。死ぬる
Z14_0263B14: の。生るゝのと。云ことのなき勸めなれば。觀音の蓮
Z14_0263B15: 臺に。打のるは勿論。のりはづしても。難有かるべし。
Z14_0263B16: いかん。
Z14_0263B17: かやうに淨土の○安心決定なり。 三諦法界の理な

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