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Z1440 即心念仏摘欺説 敬首 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0259A01: に。今の人は。我は親なり。大師は子なり。我は大師
Z14_0259A02: を。能く思へども。大師は我が事を。思ひ玉はぬが。恨
Z14_0259A03: めしきとは。さて〱古今。相違せることかな。此も
Z14_0259A04: と大師の。拂ひ玉ふ御意に。かよひ玉はぬ故ならん。
Z14_0259A05: さて親子の喩は。近くは無生論注に見へたれども。注
Z14_0259A06: とは亦相違せり。注は。佛を親とし。衆生を子とす。其
Z14_0259A07: 悟るを思ふとし。迷ふを思はぬとす。これ佛法の通例
Z14_0259A08: なり。而るに今これを以て。天台淨土に。とりなさる
Z14_0259A09: ゝこと。何とも信用し難く存候。此れのみならず。談
Z14_0259A10: 義の總體が。何とやらん。自大の樣に聞へて。自他を
Z14_0259A11: 損ずること多し。さて旁觀に。大師を讚じて。是又
Z14_0259A12: 法華の。爲實施權。開權顯實の心を。よく得玉へる故
Z14_0259A13: に。念佛もと。一佛乘と心得玉ふとあり。今こゝには。
Z14_0259A14: 親を思はぬとて毀らる。何の義を用ひ申すべきや。大
Z14_0259A15: に疑はし。
Z14_0259A16: 天台宗の意からは○云の意なり。旣に諸宗にも。各
Z14_0259A17: 々判敎あるからは。何ぞその高低淺深を。分つに難か
Z14_0259B01: らん。彼の五敎。十住心などは。知られざりしや。何ぞ
Z14_0259B02: 獨り天台のみ。自由ならん。願ば冬の節には。氷霜を
Z14_0259B03: 見。井の外にも。東海の有ことを。信じ玉へ。
Z14_0259B04: 然れば卽心念佛○說せ玉へり。若し爾ば。華嚴は天
Z14_0259B05: 台を。同敎漸圓と下し候へども。とかく別敎は。子に
Z14_0259B06: て候や。密家は天台を。第八の住心に下し。なを不
Z14_0259B07: 履とも。貶し候へども。反て顯敎が。親となり候や。
Z14_0259B08: 禪門は台敎を。言詮上の葛藤と下し候へども。さては
Z14_0259B09: 敎外を。子と申すべく候や。此義。とくと承りたし。
Z14_0259B10: 同發菩提心○父とすべし。 此は。別て淨家を。の玉
Z14_0259B11: ふ歟。それなれば。大經に云。無上功德と。光明大師云。
Z14_0259B12: 人中の最勝人。人中の上々人と。道鏡和尙云。如來雖
Z14_0259B13: 八萬四千法門。唯有念佛一門。是最上法と。此等の
Z14_0259B14: 意を味ふるに。よぎなく卽心觀佛は。有上。稱名念佛
Z14_0259B15: は。無上。卽心は。下々人。稱名は。上々人。卽心は。下
Z14_0259B16: 劣の法。稱名は。最上の法なりと見ゆ。但し佛說は。其
Z14_0259B17: 有緣の法を讚嘆して。信心を取らしめ玉ふことなれ

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