浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0259A01: | に。今の人は。我は親なり。大師は子なり。我は大師 |
Z14_0259A02: | を。能く思へども。大師は我が事を。思ひ玉はぬが。恨 |
Z14_0259A03: | めしきとは。さて〱古今。相違せることかな。此も |
Z14_0259A04: | と大師の。拂ひ玉ふ御意に。かよひ玉はぬ故ならん。 |
Z14_0259A05: | さて親子の喩は。近くは無生論注に見へたれども。注 |
Z14_0259A06: | とは亦相違せり。注は。佛を親とし。衆生を子とす。其 |
Z14_0259A07: | 悟るを思ふとし。迷ふを思はぬとす。これ佛法の通例 |
Z14_0259A08: | なり。而るに今これを以て。天台淨土に。とりなさる |
Z14_0259A09: | ゝこと。何とも信用し難く存候。此れのみならず。談 |
Z14_0259A10: | 義の總體が。何とやらん。自大の樣に聞へて。自他を |
Z14_0259A11: | 損ずること多し。さて旁觀に。大師を讚じて。是又 |
Z14_0259A12: | 法華の。爲實施權。開權顯實の心を。よく得玉へる故 |
Z14_0259A13: | に。念佛もと。一佛乘と心得玉ふとあり。今こゝには。 |
Z14_0259A14: | 親を思はぬとて毀らる。何の義を用ひ申すべきや。大 |
Z14_0259A15: | に疑はし。 |
Z14_0259A16: | 天台宗の意からは○云の意なり。旣に諸宗にも。各 |
Z14_0259A17: | 々判敎あるからは。何ぞその高低淺深を。分つに難か |
Z14_0259B01: | らん。彼の五敎。十住心などは。知られざりしや。何ぞ |
Z14_0259B02: | 獨り天台のみ。自由ならん。願ば冬の節には。氷霜を |
Z14_0259B03: | 見。井の外にも。東海の有ことを。信じ玉へ。 |
Z14_0259B04: | 然れば卽心念佛○說せ玉へり。若し爾ば。華嚴は天 |
Z14_0259B05: | 台を。同敎漸圓と下し候へども。とかく別敎は。子に |
Z14_0259B06: | て候や。密家は天台を。第八の住心に下し。なを不レ堪レ |
Z14_0259B07: | 採レ履とも。貶し候へども。反て顯敎が。親となり候や。 |
Z14_0259B08: | 禪門は台敎を。言詮上の葛藤と下し候へども。さては |
Z14_0259B09: | 敎外を。子と申すべく候や。此義。とくと承りたし。 |
Z14_0259B10: | 同發菩提心○父とすべし。 此は。別て淨家を。の玉 |
Z14_0259B11: | ふ歟。それなれば。大經に云。無上功德と。光明大師云。 |
Z14_0259B12: | 人中の最勝人。人中の上々人と。道鏡和尙云。如來雖レ |
Z14_0259B13: | 說二八萬四千法門一。唯有二念佛一門一。是最上法と。此等の |
Z14_0259B14: | 意を味ふるに。よぎなく卽心觀佛は。有上。稱名念佛 |
Z14_0259B15: | は。無上。卽心は。下々人。稱名は。上々人。卽心は。下 |
Z14_0259B16: | 劣の法。稱名は。最上の法なりと見ゆ。但し佛說は。其 |
Z14_0259B17: | 有緣の法を讚嘆して。信心を取らしめ玉ふことなれ |