浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0258A01: | に。卽心々々と呼びたて。四明などの。曾て仰せられ |
Z14_0258A02: | ぬ。非法を勸め玉ふこと。苦々敷存候。 |
Z14_0258A03: | 此れ則ち卽心念佛○離れずと見れども。此段には。 |
Z14_0258A04: | 夢中の邪味あり。然るにその云分。殊の外紛れて。智 |
Z14_0258A05: | 愚の分れ。尤もさだかならず。されども離れずと見る |
Z14_0258A06: | は。定て利智深行なる。人のことにて。必ず愚痴無智 |
Z14_0258A07: | には。非るべし。 |
Z14_0258A08: | 事の念佛申し○拂ひ玉へり。 昔し野人。背を曝し |
Z14_0258A09: | て。日を國王に。獻ぜむとせしは。曾て狐貉の美を。知 |
Z14_0258A10: | らざるが故なり。いま事理相卽の陳編を。吉水大師 |
Z14_0258A11: | に。献ぜむとひしめかるゝは。曾て他緣の美を。知ら |
Z14_0258A12: | れざる故なるべし。怪むに足らず。 さて大師の。拂 |
Z14_0258A13: | ひ玉ふ御意。量り難しと雖も。略して三意を示さん。 |
Z14_0258A14: | 一者。他緣の不可思議なることを顯し。二者。凡夫入 |
Z14_0258A15: | 報の。巨益を示し。三者。正爲凡夫の義を明すなり。こ |
Z14_0258A16: | の義。具には淨土家。常の論議の如し。故に悉く云に |
Z14_0258A17: | 及ばず。さて又大師の。御意をくむに。今この淨土 |
Z14_0258B01: | 宗は。三根ともに勸むれども。先づは下機の往生を。 |
Z14_0258B02: | 專らとするが故に。上根の勤むる。觀念理持などは。 |
Z14_0258B03: | 修證極て難し。因て自ら涯分を量て。稱名念佛するな |
Z14_0258B04: | り。此れ所謂る。淨土宗意。正爲二凡夫一の意なりと。然 |
Z14_0258B05: | れば則ち。大師の拂ひ玉ふは。自分のはちを拂ひ玉へ |
Z14_0258B06: | り。更に他の重寶する。有敎無人。有名無實なる。卽心 |
Z14_0258B07: | のはちをば。拂ひ玉はず。固より定散事理の。名を滅 |
Z14_0258B08: | て。獨りだちしたる。本願絕待の名號を持せる。淨土 |
Z14_0258B09: | 宗に向て。事理相卽を。得云ぬとて。苦勞にせらるゝ |
Z14_0258B10: | は。いらざることの樣に。存ずるなり。況や。未だ觀行 |
Z14_0258B11: | にも至らぬ。あら凡夫などの。離れずと見る分齊は。 |
Z14_0258B12: | そも何程のことか侍らん。奪て申さば。全くこれ凡夫 |
Z14_0258B13: | の妄想。夢中の寢言なるべし。ぎやうさんなること |
Z14_0258B14: | を。の玉ふ者かな。 |
Z14_0258B15: | 親は子の事を○思はぬが如し。古の顯眞僧正。慈鎭 |
Z14_0258B16: | 和尙。隆堯上人などは。末代に。凡夫出離の法門の。世 |
Z14_0258B17: | に弘まりしは。大師の恩德なりとて。尊崇し玉ひし |