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Z1440 即心念仏摘欺説 敬首 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0258A01: に。卽心々々と呼びたて。四明などの。曾て仰せられ
Z14_0258A02: ぬ。非法を勸め玉ふこと。苦々敷存候。
Z14_0258A03: 此れ則ち卽心念佛○離れずと見れども。此段には。
Z14_0258A04: 夢中の邪味あり。然るにその云分。殊の外紛れて。智
Z14_0258A05: 愚の分れ。尤もさだかならず。されども離れずと見る
Z14_0258A06: は。定て利智深行なる。人のことにて。必ず愚痴無智
Z14_0258A07: には。非るべし。
Z14_0258A08: 事の念佛申し○拂ひ玉へり。 昔し野人。背を曝し
Z14_0258A09: て。日を國王に。獻ぜむとせしは。曾て狐貉の美を。知
Z14_0258A10: らざるが故なり。いま事理相卽の陳編を。吉水大師
Z14_0258A11: に。献ぜむとひしめかるゝは。曾て他緣の美を。知ら
Z14_0258A12: れざる故なるべし。怪むに足らず。 さて大師の。拂
Z14_0258A13: ひ玉ふ御意。量り難しと雖も。略して三意を示さん。
Z14_0258A14: 一者。他緣の不可思議なることを顯し。二者。凡夫入
Z14_0258A15: 報の。巨益を示し。三者。正爲凡夫の義を明すなり。こ
Z14_0258A16: の義。具には淨土家。常の論議の如し。故に悉く云に
Z14_0258A17: 及ばず。さて又大師の。御意をくむに。今この淨土
Z14_0258B01: 宗は。三根ともに勸むれども。先づは下機の往生を。
Z14_0258B02: 專らとするが故に。上根の勤むる。觀念理持などは。
Z14_0258B03: 修證極て難し。因て自ら涯分を量て。稱名念佛するな
Z14_0258B04: り。此れ所謂る。淨土宗意。正爲凡夫の意なりと。然
Z14_0258B05: れば則ち。大師の拂ひ玉ふは。自分のはちを拂ひ玉へ
Z14_0258B06: り。更に他の重寶する。有敎無人。有名無實なる。卽心
Z14_0258B07: のはちをば。拂ひ玉はず。固より定散事理の。名を滅
Z14_0258B08: て。獨りだちしたる。本願絕待の名號を持せる。淨土
Z14_0258B09: 宗に向て。事理相卽を。得云ぬとて。苦勞にせらるゝ
Z14_0258B10: は。いらざることの樣に。存ずるなり。況や。未だ觀行
Z14_0258B11: にも至らぬ。あら凡夫などの。離れずと見る分齊は。
Z14_0258B12: そも何程のことか侍らん。奪て申さば。全くこれ凡夫
Z14_0258B13: の妄想。夢中の寢言なるべし。ぎやうさんなること
Z14_0258B14: を。の玉ふ者かな。
Z14_0258B15: 親は子の事を○思はぬが如し。古の顯眞僧正。慈鎭
Z14_0258B16: 和尙。隆堯上人などは。末代に。凡夫出離の法門の。世
Z14_0258B17: に弘まりしは。大師の恩德なりとて。尊崇し玉ひし

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