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Z1440 即心念仏摘欺説 敬首 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0257A01: れ略言なり。然らば。何とて上に。此外にはなきこと
Z14_0257A02: なりと。の玉ふや。
Z14_0257A03: 卽心の卽の字は○左樣にてはなし。 つくの訓なれ
Z14_0257A04: ば。いつでも。二物相合するの義なり。自分にも。この
Z14_0257A05: こと疑はしき故。左樣にてはなしと。云るれど。其な
Z14_0257A06: き趣き。曾て見へず。此は。そのまゝと云。訓に非れ
Z14_0257A07: ば。是心全心などゝ。一例にはなり難し。委は上に說
Z14_0257A08: くが如し。
Z14_0257A09: 禪者は○分爲六和合といへり。 此は禪人の。且く
Z14_0257A10: 敎義の上を。云たるにて。その本分の田地に非ず。若
Z14_0257A11: しそれ本分は。纔かに口を開けば。はや勿交涉。何ぞ
Z14_0257A12: 一明六和の。妄想あらんや。不案內なることを。の玉
Z14_0257A13: ふ者かな。
Z14_0257A14: さて念佛と云は○上々の人なり。根本。心に思ふこ
Z14_0257A15: となりとは。此れ所謂る。和學の念の字。その非。前に
Z14_0257A16: 闢くが如し。さて楞伽。起信。法華等の。甚深の說を
Z14_0257A17: 引れて。念卽ち無念。一念も不念。などゝ云るゝは。
Z14_0257B01: 皆これ台家の極談なれば。いかにも左あるべし。但し
Z14_0257B02: 左樣の理を照すは。中々。名字博地などの。及ぶべき
Z14_0257B03: ことならねば。唯これ上根上智の。附爲なる由。尤も
Z14_0257B04: 千萬と存ず。然らばこゝは。有敎無人の談義と。聽聞
Z14_0257B05: 申すべく候。
Z14_0257B06: 此理を知ねども○相違なきなり。三觀を知らぬ。愚
Z14_0257B07: 痴無智の人の。申す念佛は。全く淨土宗の念佛と。相
Z14_0257B08: 違あるまじ。若し爾ば。何とて苦勞に。理持事持の。分
Z14_0257B09: 別して。淨土宗を。事の念佛とて。あざみ嫌はるゝや。
Z14_0257B10: 上に申す如く。四明などは。とくと。一心三觀を。學知
Z14_0257B11: して。其理を照さねば。卽心觀佛とは。の玉はず。不可
Z14_0257B12: 不知の御誡め。明かなり。然れば台家にても。愚痴無
Z14_0257B13: 智の人などへは。やはり稱名念佛を。勸め玉ふが。如
Z14_0257B14: 法の行儀なるべきに。たゞ學宗を。競ふことのみをす
Z14_0257B15: かれ。すきと次位を顧みず。名字觀行などにてさへ。
Z14_0257B16: 功を經て勤むべき。深妙の卽心觀佛を。むさと一文不
Z14_0257B17: 知の。尼入道へ。をし擬はれ。無智の申す念佛を。無理

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