浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0255A01: | ず。さて。つくとは。離れぬことゝは。此れまた非な |
Z14_0255A02: | り。離れぬは。合の義にて。これ離合の對なり。いま卽 |
Z14_0255A03: | 心の卽は。つくの。離れぬのと。云ことにてはなし。其 |
Z14_0255A04: | 心とりもなをさずにと。云ことなれば。そのまゝの義 |
Z14_0255A05: | なり。されば。つくの訓を以て。卽の字をさばくは。頗 |
Z14_0255A06: | る台家には。似合ぬ樣に存候。 |
Z14_0255A07: | 凡そ念佛と云は○思ふことなり 念佛の念に。二種 |
Z14_0255A08: | あり。一には觀念。これ心念なり。二には稱念。これ口 |
Z14_0255A09: | 念なり。故に一偏に窟宅して。念の字を解すべから |
Z14_0255A10: | ず。さて觀念の時は。心が根本にて。口唱は假なり。助 |
Z14_0255A11: | 行なり。口に唱ふるは。心に念ふより出ればなり。稱 |
Z14_0255A12: | 念の時は。口が根本にて。心にも念ずるなり。心に念 |
Z14_0255A13: | ずるは。口に唱ふるより起れば。言音の心をたゝくな |
Z14_0255A14: | り。眞歇云。由レ持二名號一。心不レ亂故と。今談には。すき |
Z14_0255A15: | とこの辨別なし。麁ひかな。 |
Z14_0255A16: | 又口に○念佛と云なり。心に思ふより出る口唱は。 |
Z14_0255A17: | 觀念の兼ぬる者にてこそあれ。稱念を。左樣に心得る |
Z14_0255B01: | は。和學の念佛なり。唐學の念佛は。不レ爾。稱念は。口 |
Z14_0255B02: | を以て心を引くといへば。此れはこれ。口唱が根本と |
Z14_0255B03: | なりて。信心をも行ずるなり。又單の口唱には。心に |
Z14_0255B04: | 思ふ。思はぬの僉議は。いらぬなり。六祖云。口念心 |
Z14_0255B05: | 不レ行と。慈恩云。口念心不レ念と。龍舒云。身意雖レ惡。 |
Z14_0255B06: | 而口念二佛名一と。是なり。此等の分別もなく。たゞ心に |
Z14_0255B07: | 思ふより。出るとばかり心得たるは。豈に心念に窟宅 |
Z14_0255B08: | したる。和學の念佛に非ずや。 |
Z14_0255B09: | 卽心念佛の總ごゝろ○此外にはなきことなり。 卽 |
Z14_0255B10: | 心觀佛は。甚深の三觀なれば。大抵にては。知らるゝ |
Z14_0255B11: | 者に非ず。先づとくと。三大五小部。幷に融心解。指要 |
Z14_0255B12: | 鈔。生無生論。境觀要門などの。底がぬけねば。いとも |
Z14_0255B13: | 濟ぬことなり。たゞ心が法界なれば。淨土も彌陀も。 |
Z14_0255B14: | みな卽心と云。あらましのみを知て。此外にはなきこ |
Z14_0255B15: | とゝ。心得たるは。世話の胡椒まるのみにて。知らぬ |
Z14_0255B16: | と云者なり。若しその骨なき。齋公齋婆も。心安く合 |
Z14_0255B17: | 點する。卽心觀佛ならば。古德達の。さま〲骨を折 |