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Z1440 即心念仏摘欺説 敬首 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0255A01: ず。さて。つくとは。離れぬことゝは。此れまた非な
Z14_0255A02: り。離れぬは。合の義にて。これ離合の對なり。いま卽
Z14_0255A03: 心の卽は。つくの。離れぬのと。云ことにてはなし。其
Z14_0255A04: 心とりもなをさずにと。云ことなれば。そのまゝの義
Z14_0255A05: なり。されば。つくの訓を以て。卽の字をさばくは。頗
Z14_0255A06: る台家には。似合ぬ樣に存候。
Z14_0255A07: 凡そ念佛と云は○思ふことなり 念佛の念に。二種
Z14_0255A08: あり。一には觀念。これ心念なり。二には稱念。これ口
Z14_0255A09: 念なり。故に一偏に窟宅して。念の字を解すべから
Z14_0255A10: ず。さて觀念の時は。心が根本にて。口唱は假なり。助
Z14_0255A11: 行なり。口に唱ふるは。心に念ふより出ればなり。稱
Z14_0255A12: 念の時は。口が根本にて。心にも念ずるなり。心に念
Z14_0255A13: ずるは。口に唱ふるより起れば。言音の心をたゝくな
Z14_0255A14: り。眞歇云。由名號。心不亂故と。今談には。すき
Z14_0255A15: とこの辨別なし。麁ひかな。
Z14_0255A16: 又口に○念佛と云なり。心に思ふより出る口唱は。
Z14_0255A17: 觀念の兼ぬる者にてこそあれ。稱念を。左樣に心得る
Z14_0255B01: は。和學の念佛なり。唐學の念佛は。不爾。稱念は。口
Z14_0255B02: を以て心を引くといへば。此れはこれ。口唱が根本と
Z14_0255B03: なりて。信心をも行ずるなり。又單の口唱には。心に
Z14_0255B04: 思ふ。思はぬの僉議は。いらぬなり。六祖云。口念心
Z14_0255B05: 行と。慈恩云。口念心不念と。龍舒云。身意雖惡。
Z14_0255B06: 而口念佛名と。是なり。此等の分別もなく。たゞ心に
Z14_0255B07: 思ふより。出るとばかり心得たるは。豈に心念に窟宅
Z14_0255B08: したる。和學の念佛に非ずや。
Z14_0255B09: 卽心念佛の總ごゝろ○此外にはなきことなり。 卽
Z14_0255B10: 心觀佛は。甚深の三觀なれば。大抵にては。知らるゝ
Z14_0255B11: 者に非ず。先づとくと。三大五小部。幷に融心解。指要
Z14_0255B12: 鈔。生無生論。境觀要門などの。底がぬけねば。いとも
Z14_0255B13: 濟ぬことなり。たゞ心が法界なれば。淨土も彌陀も。
Z14_0255B14: みな卽心と云。あらましのみを知て。此外にはなきこ
Z14_0255B15: とゝ。心得たるは。世話の胡椒まるのみにて。知らぬ
Z14_0255B16: と云者なり。若しその骨なき。齋公齋婆も。心安く合
Z14_0255B17: 點する。卽心觀佛ならば。古德達の。さま〲骨を折

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