ウィンドウを閉じる

Z1440 即心念仏摘欺説 敬首 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0253A01: 者。佛意が薄くなると。これ忽ちに自語相違す。何者。
Z14_0253A02: 佛すでに大悲人と。勅許なされし兩大師を。反て佛意
Z14_0253A03: を薄くする。無慈悲人とすればなり。且つ兩尊出世の
Z14_0253A04: 御本意を。勸め玉へる兩大師を。佛の本意が。薄くな
Z14_0253A05: るとは。誰々と。必ず信用仕り難きことなり。 さて
Z14_0253A06: 旁觀には。法然上人は。よく法華經の意を明らめて。
Z14_0253A07: 佛意を得玉へる故に。至て愚かなる類ひまでに。往生
Z14_0253A08: の安心を。決定せしめ玉ふと讃じ。今談には。念佛を
Z14_0253A09: ひきく說き玉へる故。佛意が薄くなると毀らる。何れ
Z14_0253A10: か實正なりや。承り度存候。
Z14_0253A11: 傳敎大師○云ものなり。 此段には。摧邪の邪味あ
Z14_0253A12: り。然るに袖中の文を見るに。小乘の部分を。斥ひ玉
Z14_0253A13: へり。それを大乘至極の。淨土門に。牽經附會せらる
Z14_0253A14: ゝは。何ごぞや。小乘もと。般若波羅蜜より出たれど
Z14_0253A15: も。その十八二十の。異を張るより。般若の味ひ。淡し
Z14_0253A16: くなりけり。故に少本味とは。の玉ふなり。因て篇末
Z14_0253A17: に。文殊問經を引れぬ。明かなることなり。若し傳敎
Z14_0253B01: の言を以て。妄りに大乘諸宗に。とりなされば。かの
Z14_0253B02: 四敎五敎。顯密敎外も。皆また部執なるべし。何ぞ獨
Z14_0253B03: り淨土門ばかりが。漆水之乳ならんや。
Z14_0253B04: 𣵀槃經○加へたる乳なり。𣵀槃の文。多意あるべけ
Z14_0253B05: れども。今は袖中に因て來れば。且く傳敎の。御指南
Z14_0253B06: の通りに。小乘の部計と見るべし。若し大乘の部執と
Z14_0253B07: なし。押て淨土を。乳味とせられば。恐くは諸の大乘
Z14_0253B08: 家に。事出來て。華嚴よりは。別敎頓々は好乳。天台傳
Z14_0253B09: 敎の勸めの。同敎漸圓は。加水なりとし。眞言よりは。
Z14_0253B10: 事理俱密は好乳。煎覺智證の勸めの。理密顯乘は。加
Z14_0253B11: 水なりとし。禪門よりは。敎外別傳は好乳。天台傳敎
Z14_0253B12: の勸めの。敎義葛藤は。加水なりとし。淨家よりは。他
Z14_0253B13: 緣不可思議乘は好乳。天台傳敎の勸めの。自力難行
Z14_0253B14: は。加水なりとせん。かくの如く。各々に申し立ば。百
Z14_0253B15: 千年論ずとも。勝負を決すること。有るべからず。誰
Z14_0253B16: をか證義者と賴まんや。然れば左樣の戱論は。無益の
Z14_0253B17: ことなり。たゞ傳敎の。御指南をもどかずに。やはり

ウィンドウを閉じる