浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
Z14_0253A01: | 者。佛意が薄くなると。これ忽ちに自語相違す。何者。 |
Z14_0253A02: | 佛すでに大悲人と。勅許なされし兩大師を。反て佛意 |
Z14_0253A03: | を薄くする。無慈悲人とすればなり。且つ兩尊出世の |
Z14_0253A04: | 御本意を。勸め玉へる兩大師を。佛の本意が。薄くな |
Z14_0253A05: | るとは。誰々と。必ず信用仕り難きことなり。 さて |
Z14_0253A06: | 旁觀には。法然上人は。よく法華經の意を明らめて。 |
Z14_0253A07: | 佛意を得玉へる故に。至て愚かなる類ひまでに。往生 |
Z14_0253A08: | の安心を。決定せしめ玉ふと讃じ。今談には。念佛を |
Z14_0253A09: | ひきく說き玉へる故。佛意が薄くなると毀らる。何れ |
Z14_0253A10: | か實正なりや。承り度存候。 |
Z14_0253A11: | 傳敎大師○云ものなり。 此段には。摧邪の邪味あ |
Z14_0253A12: | り。然るに袖中の文を見るに。小乘の部分を。斥ひ玉 |
Z14_0253A13: | へり。それを大乘至極の。淨土門に。牽經附會せらる |
Z14_0253A14: | ゝは。何ごぞや。小乘もと。般若波羅蜜より出たれど |
Z14_0253A15: | も。その十八二十の。異を張るより。般若の味ひ。淡し |
Z14_0253A16: | くなりけり。故に少本味とは。の玉ふなり。因て篇末 |
Z14_0253A17: | に。文殊問經を引れぬ。明かなることなり。若し傳敎 |
Z14_0253B01: | の言を以て。妄りに大乘諸宗に。とりなされば。かの |
Z14_0253B02: | 四敎五敎。顯密敎外も。皆また部執なるべし。何ぞ獨 |
Z14_0253B03: | り淨土門ばかりが。漆水之乳ならんや。 |
Z14_0253B04: | 𣵀槃經○加へたる乳なり。𣵀槃の文。多意あるべけ |
Z14_0253B05: | れども。今は袖中に因て來れば。且く傳敎の。御指南 |
Z14_0253B06: | の通りに。小乘の部計と見るべし。若し大乘の部執と |
Z14_0253B07: | なし。押て淨土を。乳味とせられば。恐くは諸の大乘 |
Z14_0253B08: | 家に。事出來て。華嚴よりは。別敎頓々は好乳。天台傳 |
Z14_0253B09: | 敎の勸めの。同敎漸圓は。加水なりとし。眞言よりは。 |
Z14_0253B10: | 事理俱密は好乳。煎覺智證の勸めの。理密顯乘は。加 |
Z14_0253B11: | 水なりとし。禪門よりは。敎外別傳は好乳。天台傳敎 |
Z14_0253B12: | の勸めの。敎義葛藤は。加水なりとし。淨家よりは。他 |
Z14_0253B13: | 緣不可思議乘は好乳。天台傳敎の勸めの。自力難行 |
Z14_0253B14: | は。加水なりとせん。かくの如く。各々に申し立ば。百 |
Z14_0253B15: | 千年論ずとも。勝負を決すること。有るべからず。誰 |
Z14_0253B16: | をか證義者と賴まんや。然れば左樣の戱論は。無益の |
Z14_0253B17: | ことなり。たゞ傳敎の。御指南をもどかずに。やはり |