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Z1440 即心念仏摘欺説 敬首 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0246A01: 上品の珍域に。入るより見れば。自力の三觀は。其の
Z14_0246A02: 功德。無下に落ちたり。殘り多きことゝ存ず。
Z14_0246A03: 然れば卽心念佛○始るなり。なる程。卽心念佛の語
Z14_0246A04: は。前に申す通り。近き比の新法にて。古き天台荆溪
Z14_0246A05: などの。の玉はぬ名目なり。稱名念佛は。金口一たび
Z14_0246A06: 唱へてより。源々として來り。古今の諸宗。同然とし
Z14_0246A07: て和讃する。古法の名目なり。
Z14_0246A08: 又四明尊者○釋せられたり。妙宗の文義を。合點せ
Z14_0246A09: らるゝこと。大體はよけれども。たゞ心佛同體の。こ
Z14_0246A10: とのみを云ひて。現因に約して。心是佛を申されぬ
Z14_0246A11: が。麤々し。
Z14_0246A12: 往生極樂○觀心を說き玉ひ。十六觀法は。發軫に卽
Z14_0246A13: ち安養を觀ずれば。從行の歷事なり。專らに心を觀ず
Z14_0246A14: るに非ず。それを加樣に云れては。直に一念を。觀ず
Z14_0246A15: る樣に聞へて。あしゝ。 さて十六觀の事を。理觀に
Z14_0246A16: 觀じなすは。台家一分のことなり。他家は左樣でな
Z14_0246A17: し。想を西方十萬億刹の外なる。彌陀の依正莊嚴に送
Z14_0246B01: る。事觀事想なりと云。又は指方立相の觀とも名けた
Z14_0246B02: り。佛は本より。一音にて說せ玉へども。衆生の心各
Z14_0246B03: 別にて。面々の解を生ずるなれば。その歷事觀理と
Z14_0246B04: し。指方立相とす。各據一義なるべし。別に理觀に。泥
Z14_0246B05: みもせまじ。
Z14_0246B06: 殊に亦今未來世○勸め玉へり。 佛はこれ病を知り
Z14_0246B07: 藥を識り。病に應じて藥を授くるの。大悲を滿足し玉
Z14_0246B08: へば。往生を求むればとて。いつか理觀觀念ばかり
Z14_0246B09: を。勸め玉へる。因て三福九品をも。往生の正因な
Z14_0246B10: りとて。丁寧に勸めさせ玉ふこと。明かに經文の如
Z14_0246B11: し。誰かこれを疑はん。何とて偏局なることをの玉ふ
Z14_0246B12: や。
Z14_0246B13: とかく佛の本意は○示し玉ふなり。此談。極めて不
Z14_0246B14: 審なり。その故は。稱名念佛は。已に大經の。本願に說
Z14_0246B15: れて候。故に道綽禪師は。大經云。十方人天。欲
Z14_0246B16: 者。莫皆以阿彌陀如來。大願業力。爲增上緣
Z14_0246B17: と說き。光明大師は。望佛本願。意在衆生。一向專稱

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