浄土宗全書を検索する
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| 巻＿頁段行 | 本文 |
|---|---|
| Z14_0245A01: | て理持とも云とは。この義不レ然。下にて云はん。 |
| Z14_0245A02: | 卽心念佛と云は○法門はなし。色なく形なく。始な |
| Z14_0245A03: | く終なき。周徧法界の心を。よく心得ると云ことは。 |
| Z14_0245A04: | 分證已上は各別。事識の眞を熏ずる間は。曾てよく心 |
| Z14_0245A05: | 得られず。增て今時。水草のなき。毒獸多かる凡夫の。 |
| Z14_0245A06: | なか〱及ぶことにてなし。彼の慧心の先德さへ。吾 |
| Z14_0245A07: | 是理卽の勇なる位也との玉ひしとかや。現に談義主。 |
| Z14_0245A08: | 五六十年の修行にても。勤め得られぬと云る。而るを |
| Z14_0245A09: | 何とて。愚夫愚婦が。左樣の甚深なる。一心三觀を。よ |
| Z14_0245A10: | く心得ふべきや。 |
| Z14_0245A11: | 大唐宋の代。 唐の字。くどし。 |
| Z14_0245A12: | 因て尊者○御願ひなり。 これは妙宗の序意を。見損 |
| Z14_0245A13: | じられし樣に思はる。四明の御意は。寶雲等の。觀經 |
| Z14_0245A14: | の疏記は。理觀をば。忘れ玉はねども。時機多く。事相 |
| Z14_0245A15: | を好みし故。それに順じて。事相がちに說き玉ふ。然 |
| Z14_0245A16: | るに比日は。理觀を好む者も。これある程に。予が鈔 |
| Z14_0245A17: | は。理觀を說なり。しかし今とても。事相を好む者多 |
| Z14_0245B01: | けれども。予は。それに順ずることが。非所能なり。因 |
| Z14_0245B02: | て衆生とともに。心に卽して。佛を觀念せむが爲に。 |
| Z14_0245B03: | この鈔を作ると。か樣なるべし。これ則。寶雲等は。時 |
| Z14_0245B04: | 機の所好に隨ひ。四明は。祖疏の觀心に依る。この違 |
| Z14_0245B05: | ひ目を。云たる者なれば。所謂る適時之巧とは。全く |
| Z14_0245B06: | 寶雲等の。凡師を指て。の玉ふなるに。今諸佛大菩薩 |
| Z14_0245B07: | の。神通駭動し玉ふ。赴機適化の樣にとりなさる。甚 |
| Z14_0245B08: | だ相違せることなり。 |
| Z14_0245B09: | 此御願ひは○本づき玉へり。大乘法答は。かの寶雲 |
| Z14_0245B10: | 等の疏記は。申すに及ばず。凡そ台家諸師の。通願な |
| Z14_0245B11: | るべし。何ぞ妙宗のみ。左樣ならん。故に今これを替 |
| Z14_0245B12: | て。此御願は。天台大師の。心觀爲宗の意に。本づき玉 |
| Z14_0245B13: | へりと云れば。可ならん。 |
| Z14_0245B14: | 又爲種亦强の思し召入れなり。なる程。其思し召な |
| Z14_0245B15: | るべし。然れば。今日悠々の。卽心觀佛は。但これ久遠 |
| Z14_0245B16: | の益にて。下種の位なるは。未だ觀行が熟せざればな |
| Z14_0245B17: | り。但し淨土宗に立る所の。悠々の稱名にて。優かに |