浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0244A01: | は。天如の。且く不思善惡の𤣥機を。さし置き玉ふ樣 |
Z14_0244A02: | が。反て意味深長にして。尊き作略の樣に。覺へ候。 |
Z14_0244A03: | 日本人も○聞度思ふべし。尤なる敎訓なれども。さ |
Z14_0244A04: | すが欲界に。生れたる驗には。惡には進みやすく。善 |
Z14_0244A05: | には怠りがちなり。故に郭公は。打ち聞くより眠りも |
Z14_0244A06: | さめ。むづかしき。卽心觀佛を聞けば。さめたるも。眠 |
Z14_0244A07: | くなる。これ又凡夫のくせにて。生れつきたる目鼻の |
Z14_0244A08: | 如し。悲しきことなり。然れば。佛祖垂示の如く。煩惱 |
Z14_0244A09: | 濁。衆生濁の時なりと。了簡せられ。早く萬行圓修。 |
Z14_0244A10: | 最勝獨推二於果號一れる。易簡の法門を。勸められば。利 |
Z14_0244A11: | 益も廣大に。有べき者なり。 |
Z14_0244A12: | 或人問○何のとがあらんや。かくやかましき。疑難 |
Z14_0244A13: | の云ほどき有も。前に申す通り。もと題號のくどき故 |
Z14_0244A14: | なり。 |
Z14_0244A15: | 卽心念佛起りの段 |
Z14_0244A16: | 持名念佛に就ても○其品分れたり。 持名に理事を |
Z14_0244A17: | 分くるは。台家などのことなり。前に申す通り。淨土 |
Z14_0244B01: | 宗の。定散を閉廢して。獨立したる。弘願の念佛には。 |
Z14_0244B02: | 事理などの名目は。かつて付け申さず候。 |
Z14_0244B03: | 善導法然の○事の念佛なり。かく思はるゝは。兩大 |
Z14_0244B04: | 師所立の。故實を習はれざる故なり。前に。自宗の執 |
Z14_0244B05: | 情が。ちらめきて。淨土門の上にも。事理の分別が。し |
Z14_0244B06: | たくなると申は。こゝのことぞかし。若し華嚴宗よ |
Z14_0244B07: | り。法華を漸圓と。申されんに。天台宗。受とらるべき |
Z14_0244B08: | や。それが樣に。弘願を事持と。申されては。淨土宗。 |
Z14_0244B09: | 何とて受とり申すべき。理不盡なることを。の玉ふ者 |
Z14_0244B10: | かな。 |
Z14_0244B11: | 亦約心觀佛○とも云なり。卽心念佛は。前に申す通 |
Z14_0244B12: | り。これ卽心觀佛にて。口に唱ふる。念佛に非ざれば。 |
Z14_0244B13: | 亦は卽心是佛とも。己心彌陀とも。唯心妙觀とも。修 |
Z14_0244B14: | 心妙觀とも。淨心念佛とも。淨土境觀とも。亦は理觀 |
Z14_0244B15: | とも申す。都て一心三觀のことなり。且く約心卽心 |
Z14_0244B16: | の。異を分つことは。虎溪云。約心。就二託佛邊一說。卽心。 |
Z14_0244B17: | 就二本具邊一論と。此れまた必ず知るべきことなり。さ |