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Z1440 即心念仏摘欺説 敬首 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0243A01: の人々の。信得し難き段は。云に及ばぬことなるべ
Z14_0243A02: し。
Z14_0243A03: 然れども五六十年○やうに思ふ。 五六十年の久し
Z14_0243A04: き。台敎學問の上に。唯心の工夫も。日夜暇なき。老德
Z14_0243A05: の身にてさへ。猶かく不定氣なることなれば。況や老
Z14_0243A06: 德の學行に。及ばざる者をや。何に況や。人間怱々と
Z14_0243A07: して。衆務を營む。愚夫愚婦をや。誠なるかな。卽心觀
Z14_0243A08: 佛は。甚深なる難行にて。末世下愚の。要行に非るこ
Z14_0243A09: と。この一事にても。明かに知れたり。
Z14_0243A10: 卽心念佛の荒增を○勵ますべし。堂公。兼て荒增な
Z14_0243A11: らぬ示を。聞れたれども。なを一生會得せずして。聞
Z14_0243A12: く人も信受なかりき。然れば。たゞ荒增を。聞得たる
Z14_0243A13: 分にては。なか〱會得なり難からん。況や人を開悟
Z14_0243A14: する利益あらんや。
Z14_0243A15: 唐土日本の○いやがるなり。天竺はくどきをすき。
Z14_0243A16: 唐日本はこれを嫌ふ。風土の習ひ。これは是非なし。
Z14_0243A17: 五分云。雖我所制。於餘方淸淨者。則不
Z14_0243B01: と。靈芝釋云。方隅隔起。風土不同。立法檢非。難
Z14_0243B02: 一槩。意使時適變。逐處所一レ宜と。然らば時方便を
Z14_0243B03: 觀察して。唐日本のすける。易簡の法を與ふるが。よ
Z14_0243B04: き筈なり。されば易なれば知り易く。知り易ければ親
Z14_0243B05: みあり。親みあれば久しかるべし。簡なれば從ひ易
Z14_0243B06: く。從ひ易ければ功あり。功あれば大なるべし。易簡
Z14_0243B07: にして。天下の理得たり。故に天如禪師云。淨土修法。
Z14_0243B08: 至簡至易。謂初無艱難勞苦之行。又無迷悟差別之緣
Z14_0243B09: 但持阿彌陀佛。四字名號。由此得娑婆。得
Z14_0243B10: 。得不退轉。直至成佛と。別傳宗の禪師すら。時方
Z14_0243B11: 便を觀察して。且く向上の一路をさし置き。苦ろ丁寧
Z14_0243B12: に。簡易の手段を下し玉ふ。いと難有きことならず
Z14_0243B13: や。增て敎者のことなれば。彌よ機類を觀見して。い
Z14_0243B14: やがるくどきことをばさし置き。一相一味の。佛法な
Z14_0243B15: れば。ともに無上の稱名を。勸め玉へかし。人の根性
Z14_0243B16: は。みな宿熏によることなれども。今日造罪駛雨の。
Z14_0243B17: 凡夫より見れば。それも少在屬無ならん。然ればこゝ

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