浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0239A01: | と。是なり。若し爾らば。何ぞ鎭西は。三門を斥ひ。 |
Z14_0239A02: | 記主は。定散の外に。別に弘願を立べからずと云 |
Z14_0239A03: | や。答。彼の意は自ら別なれば。今の妨げに非ず。故 |
Z14_0239A04: | に記主上人は。本は定散の中にありと雖も。佛願の |
Z14_0239A05: | 邊りより選み取て。別に念佛を立つる時。定散に念 |
Z14_0239A06: | 佛は。なきなりとの玉へり。然るにこの義なを繁 |
Z14_0239A07: | し。若しこれを知らむと欲せば。必ず餘論を須つべ |
Z14_0239A08: | し。是故に。弘願の念佛には。獨立をせさせて。智慧 |
Z14_0239A09: | を以て。定散なむどの分別する。助をさゝぬ意な |
Z14_0239A10: | り。聖光上人云。一字をも知らず。黑白をも辨へざ |
Z14_0239A11: | る身となりて。朝夕稱名ばかりを。歌ふべしと。明 |
Z14_0239A12: | 禪法印云。赤子念佛がよきなりと。これ則ち。一字 |
Z14_0239A13: | をも知らざる者。何ぞ定散を知らん。黑白をも辨へ |
Z14_0239A14: | ざる者。何ぞ事理を辨へん。如レ此赤子の位なる行 |
Z14_0239A15: | 者は。單に弘願を信じて。唯だたすけ玉へと念じ去 |
Z14_0239A16: | るなり。顯性房云。小兒の母を賴むは。またくその |
Z14_0239A17: | 故を知らず。唯たのも敷こゝろあるなり。名號を信 |
Z14_0239B01: | 敬せむこと。かくの如しと。記主上人の云。凡そ淨 |
Z14_0239B02: | 土宗の元意。たすけ玉へ阿彌陀佛と。思ふに過ず |
Z14_0239B03: | と。爲霖禪師云。今不レ管二是事是理一。惟將二一句佛號一。 |
Z14_0239B04: | 一心念去と。これまた淨家の。弘願門の念佛に。よ |
Z14_0239B05: | く叶へり。談義主もとより。此等のわけを知られ |
Z14_0239B06: | ず。ひたと定散事理を以て。弘願の念佛を。淺深せ |
Z14_0239B07: | らるゝは。喩へば敎外に出たる。向上の一路子を。 |
Z14_0239B08: | 强て敎相を以て。情量分別せらるゝが如し。誰か信 |
Z14_0239B09: | 用仕らんや。 |
Z14_0239B10: | 一淨土宗の心行は。直に佛說の上より見。時方便觀察 |
Z14_0239B11: | の上より見るべし。不レ爾して。宗々立派の心に住 |
Z14_0239B12: | して。これを見れば。殆むど窟宅が出來て。動もす |
Z14_0239B13: | れば。我法第一の過が生ずるなり。今の談義も。已 |
Z14_0239B14: | にこの過に落られぬ。これ他なし。淨家の故實を聞 |
Z14_0239B15: | れず。一分の利口を以て。說法せられし故ぞかし。 |
Z14_0239B16: | されば吉水大師は。口傳なくして。淨土の法門を見 |
Z14_0239B17: | るは。往生の得分を。見失ふなりと示し。聖光上人 |