浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0238A01: | 有ん。かくばかり易き行を。無數劫の間。思ひよら |
Z14_0238A02: | ざりける悲しさよ。時過ぎたる。智慧禪定を修せん |
Z14_0238A03: | よりも。利益現在なる。光明名號を稱すべしと。云云 |
Z14_0238A04: | 又天台の座主。慈鎭大僧正。頻りに出離の要を。吉 |
Z14_0238A05: | 水大師に尋ね玉ひければ。大師諸宗の大綱を擧て。 |
Z14_0238A06: | 其義を盡し。皆これ上代上機の敎へにして。末代下 |
Z14_0238A07: | 根は。及び難し。たゞ稱名の本願のみぞ。愚痴無智 |
Z14_0238A08: | の。當機に叶へりと示し玉ふ。大僧正。隨喜の心。慇 |
Z14_0238A09: | 懃にして。終に稱名の行を。崇重し玉へり上されば |
Z14_0238A10: | 其厭欣百首の中には。何となき。口ずさみまで。契 |
Z14_0238A11: | りける。佛の御名は。南無阿彌陀佛と。詠じ玉ひき。 |
Z14_0238A12: | この外。南勝房の大僧正は。發願文を著はし。妙香 |
Z14_0238A13: | 院の大僧正は。念佛集を撰み。出雲寺の明禪公は。 |
Z14_0238A14: | 述懷鈔を編み。淨嚴の隆堯上人は。念佛大要を記 |
Z14_0238A15: | し。華王の圓信闍梨は。往生㨗徑を述す。道心ふか |
Z14_0238A16: | き。名家の先達は。みな如レ此理觀を閣ひて。專ら稱 |
Z14_0238A17: | 名を勸め玉へり。誠にこれ前代の妙躅にて。抑も又 |
Z14_0238B01: | 後世の寶鑑なるべし。 |
Z14_0238B02: | 一淨土宗にては。定善。散善。弘願の。三門を分ち。本 |
Z14_0238B03: | 願の稱名を選み取て。別に定散の外に置なり。され |
Z14_0238B04: | ば。弘願門の上には。定散事理などゝ云ことをば。 |
Z14_0238B05: | 殊の外嫌ふなり。勿論。弘願の念佛も。定散の機か |
Z14_0238B06: | ら見れば。其中の所攝なれども。定散の外に。獨立 |
Z14_0238B07: | させたる時の。念佛の上には。永く事理の名を。閉 |
Z14_0238B08: | 廢して立ず。これを隨自意と申て。淨土宗にて。殊 |
Z14_0238B09: | の外祕藏することなり。されば語燈錄云。善導和 |
Z14_0238B10: | 尙。この觀經を釋しての玉はく。娑婆の化主。その |
Z14_0238B11: | 請に因るが故に。廣く淨土の要門を開き。安樂の能 |
Z14_0238B12: | 人。別意の弘願を顯す。その要門とは。卽ちこの觀 |
Z14_0238B13: | 經の。定散二門これなり。弘願とは。大經に說くが |
Z14_0238B14: | 如し等といへり。然れば定善。散善。弘願の。三門を |
Z14_0238B15: | 立玉へりと。選擇云。故今定散。爲レ廢而說。念佛三 |
Z14_0238B16: | 昩。爲レ立而說。當レ知隨他前。雖レ開二定散門一。隨自後。 |
Z14_0238B17: | 還閉二定散門一。一開以後。永不レ閉者。唯是念佛一門 |