浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0237A01: | 一往生の修因に。略して二種あり。一には。專らに他 |
Z14_0237A02: | の佛を賴まずして。自の智慧を用て。往生せむと |
Z14_0237A03: | し。二には。自の智慧を用ひずして。專ら他の佛を |
Z14_0237A04: | 賴みて。往生せむとす。初は台家の敎へなり。後は |
Z14_0237A05: | 淨家の勸めなり。宗の分れたるは。これ故ならん。 |
Z14_0237A06: | 一天台四明の敎觀。光明吉水の心行は。みな佛說に本 |
Z14_0237A07: | づひて。各々其志をのべ玉へり。後人を勸め奉る。 |
Z14_0237A08: | 當に有緣に依て。各々自位に住し。生死を出離せら |
Z14_0237A09: | るべし。橫に是非を構へて。他の善根を障ふること |
Z14_0237A10: | なかれ。 |
Z14_0237A11: | 一理觀稱名。すでに佛言に出づ。故に理觀は天台の作 |
Z14_0237A12: | 法。稱名は淨土の修行とばかりは。思ふべからず。 |
Z14_0237A13: | されば台家にても。自の涯分を量て。理觀に堪ざる |
Z14_0237A14: | 人は。應に稱名を以て。自行化他すべし。これを眞 |
Z14_0237A15: | 實發心の人と申す。彼の梨本の座主。慧心の僧都。 |
Z14_0237A16: | 顯眞僧正。慈鎭和尙。明禪法印。隆堯上人等の如し。 |
Z14_0237A17: | 此みな佛法の棟梁にて。衆生の舟航たれば。天台宗 |
Z14_0237B01: | に媿ざる。歷々なれども。法に私なく。眞に生死を。 |
Z14_0237B02: | 苦勞に思はれけるより。且く理觀を閣ひて。稱名を |
Z14_0237B03: | 勸め玉ふこと。哀れに貴くこそ侍べれ。談義などの |
Z14_0237B04: | 樣に。理持でなければ。天台宗の甲斐はなしなむど |
Z14_0237B05: | 云不覺は。古德にはなきなめり。松蔭の顯性房云。 |
Z14_0237B06: | 昔の後世を思ふ人は。上臈は下臈になり。智者は愚 |
Z14_0237B07: | 者になり。德人は貧人になり。有能は無能にこそな |
Z14_0237B08: | りしが。今の人は。これにたがへりと。云云 |
Z14_0237B09: | 一慧心僧都の傳記云。有人問。和上智行。世に等倫な |
Z14_0237B10: | し。所修の行法。何をもてか宗とするや。答。念佛を |
Z14_0237B11: | 宗とす。問。諸行の中に。理をもて勝れたりとす。念 |
Z14_0237B12: | 佛の時。法身を觀ずや。否や。答。たゞ佛號を唱ふ。 |
Z14_0237B13: | 問。何ぞ理を觀ぜざる。答。往生の業には。稱名足ぬ |
Z14_0237B14: | べし。本意この念佛にあり。故に理を觀ぜずと。又 |
Z14_0237B15: | 妙行業記には。往生之業。念佛爲レ先との玉へり。又 |
Z14_0237B16: | 天台座主。顯眞僧正云。藥王樹に觸る者は。毒なれ |
Z14_0237B17: | ども藥となる。光を蒙むらん者は。誰か罪障の殘り |