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Z1440 即心念仏摘欺説 敬首 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0237A01: 一往生の修因に。略して二種あり。一には。專らに他
Z14_0237A02:  の佛を賴まずして。自の智慧を用て。往生せむと
Z14_0237A03:  し。二には。自の智慧を用ひずして。專ら他の佛を
Z14_0237A04:  賴みて。往生せむとす。初は台家の敎へなり。後は
Z14_0237A05:  淨家の勸めなり。宗の分れたるは。これ故ならん。
Z14_0237A06: 一天台四明の敎觀。光明吉水の心行は。みな佛說に本
Z14_0237A07:  づひて。各々其志をのべ玉へり。後人を勸め奉る。
Z14_0237A08:  當に有緣に依て。各々自位に住し。生死を出離せら
Z14_0237A09:  るべし。橫に是非を構へて。他の善根を障ふること
Z14_0237A10:  なかれ。
Z14_0237A11: 一理觀稱名。すでに佛言に出づ。故に理觀は天台の作
Z14_0237A12:  法。稱名は淨土の修行とばかりは。思ふべからず。
Z14_0237A13:  されば台家にても。自の涯分を量て。理觀に堪ざる
Z14_0237A14:  人は。應に稱名を以て。自行化他すべし。これを眞
Z14_0237A15:  實發心の人と申す。彼の梨本の座主。慧心の僧都。
Z14_0237A16:  顯眞僧正。慈鎭和尙。明禪法印。隆堯上人等の如し。
Z14_0237A17:  此みな佛法の棟梁にて。衆生の舟航たれば。天台宗
Z14_0237B01:  に媿ざる。歷々なれども。法に私なく。眞に生死を。
Z14_0237B02:  苦勞に思はれけるより。且く理觀を閣ひて。稱名を
Z14_0237B03:  勸め玉ふこと。哀れに貴くこそ侍べれ。談義などの
Z14_0237B04:  樣に。理持でなければ。天台宗の甲斐はなしなむど
Z14_0237B05:  云不覺は。古德にはなきなめり。松蔭の顯性房云。
Z14_0237B06:  昔の後世を思ふ人は。上臈は下臈になり。智者は愚
Z14_0237B07:  者になり。德人は貧人になり。有能は無能にこそな
Z14_0237B08:  りしが。今の人は。これにたがへりと。云云
Z14_0237B09: 一慧心僧都の傳記云。有人問。和上智行。世に等倫な
Z14_0237B10:  し。所修の行法。何をもてか宗とするや。答。念佛を
Z14_0237B11:  宗とす。問。諸行の中に。理をもて勝れたりとす。念
Z14_0237B12:  佛の時。法身を觀ずや。否や。答。たゞ佛號を唱ふ。
Z14_0237B13:  問。何ぞ理を觀ぜざる。答。往生の業には。稱名足ぬ
Z14_0237B14:  べし。本意この念佛にあり。故に理を觀ぜずと。又
Z14_0237B15:  妙行業記には。往生之業。念佛爲先との玉へり。又
Z14_0237B16:  天台座主。顯眞僧正云。藥王樹に觸る者は。毒なれ
Z14_0237B17:  ども藥となる。光を蒙むらん者は。誰か罪障の殘り

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