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Z1440 即心念仏摘欺説 敬首 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0236A01:  度これを受て。談義せられぬ。されども人の。耳熟
Z14_0236A02:  ぬ新法なれば。覺へよかしの心入れか。纔に四十七
Z14_0236A03:  紙の本に。卽心念佛の語を。九十餘箇度まで。呼び
Z14_0236A04:  出されぬ。然るに此は。やはり古より。呼びつけし
Z14_0236A05:  通りに。約心觀佛と云れて。よささうに思はる。そ
Z14_0236A06:  れに卽心念佛と云。耳だちたる名を呼ばれ。口に唱
Z14_0236A07:  ふる念佛に。混濫せらるゝこと。異を顯し衆を惑す
Z14_0236A08:  とも。申すべき歟。
Z14_0236A09: 一卽心念佛とは何ぞ。謂く性の三德は。諸佛の三身な
Z14_0236A10:  り。この三德三身に卽して。我が一心三觀とす。若
Z14_0236A11:  し然らざれば。觀の外に佛ありて。境が心に卽せ
Z14_0236A12:  ず。故に心に卽して佛の法體を見。この現因を以
Z14_0236A13:  て。當果を證せしむ。然れば則ち。極樂世界。もと是
Z14_0236A14:  わが心中の一土。當念を離れずして。彼の方に至
Z14_0236A15:  り。速かに聖階に入て。廣く人天を度す。さればこ
Z14_0236A16:  の觀佛は。修證すでに深妙なり。上々圓根の大機。
Z14_0236A17:  觀行已上の人に非ずんば。成就の器とし難し。故に
Z14_0236B01:  今日悠々の凡夫は。但これ結緣のみ。其成就に於て
Z14_0236B02:  は。望みたへたり。このこと。行者の心得べき大事
Z14_0236B03:  なり。よく分別すべし。
Z14_0236B04: 一天台の敎觀。甚深廣大なれども。且く上根の修行を
Z14_0236B05:  括るに。蓋し妙宗。融心の二書に過ず。融心は。觀經
Z14_0236B06:  疏の外傳なり。妙宗鈔の餘論なり。さて觀經の。第
Z14_0236B07:  八像觀の中に於て。天台四明。作是の御妙釋は。實
Z14_0236B08:  に萬劫にも逢ひ難く。千生の一遇と存候。されば。
Z14_0236B09:  淨土門の人も。修觀までこそ難からめ。よく〱此
Z14_0236B10:  等をば學問して。佛祖の恩を。報じ奉らるべし。
Z14_0236B11: 一天台大師は。曇鸞菩薩を。御信仰ゆへ。多くはその
Z14_0236B12:  御釋を承用し玉へり。所謂る相待絕待。四悉檀。在
Z14_0236B13:  心。在緣。在決定。難行易行。自力他力。臨終之心。淨
Z14_0236B14:  土受生之心等の如し。この義。天台淨土の末師達
Z14_0236B15:  の。沙汰せられぬことなり。中にも相待絕待は。台
Z14_0236B16:  敎の紀綱なり。然るにこの名目。もと淨土宗より出
Z14_0236B17:  たりと。云云

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