浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
Z14_0236A01: | 度これを受て。談義せられぬ。されども人の。耳熟 |
Z14_0236A02: | ぬ新法なれば。覺へよかしの心入れか。纔に四十七 |
Z14_0236A03: | 紙の本に。卽心念佛の語を。九十餘箇度まで。呼び |
Z14_0236A04: | 出されぬ。然るに此は。やはり古より。呼びつけし |
Z14_0236A05: | 通りに。約心觀佛と云れて。よささうに思はる。そ |
Z14_0236A06: | れに卽心念佛と云。耳だちたる名を呼ばれ。口に唱 |
Z14_0236A07: | ふる念佛に。混濫せらるゝこと。異を顯し衆を惑す |
Z14_0236A08: | とも。申すべき歟。 |
Z14_0236A09: | 一卽心念佛とは何ぞ。謂く性の三德は。諸佛の三身な |
Z14_0236A10: | り。この三德三身に卽して。我が一心三觀とす。若 |
Z14_0236A11: | し然らざれば。觀の外に佛ありて。境が心に卽せ |
Z14_0236A12: | ず。故に心に卽して佛の法體を見。この現因を以 |
Z14_0236A13: | て。當果を證せしむ。然れば則ち。極樂世界。もと是 |
Z14_0236A14: | わが心中の一土。當念を離れずして。彼の方に至 |
Z14_0236A15: | り。速かに聖階に入て。廣く人天を度す。さればこ |
Z14_0236A16: | の觀佛は。修證すでに深妙なり。上々圓根の大機。 |
Z14_0236A17: | 觀行已上の人に非ずんば。成就の器とし難し。故に |
Z14_0236B01: | 今日悠々の凡夫は。但これ結緣のみ。其成就に於て |
Z14_0236B02: | は。望みたへたり。このこと。行者の心得べき大事 |
Z14_0236B03: | なり。よく分別すべし。 |
Z14_0236B04: | 一天台の敎觀。甚深廣大なれども。且く上根の修行を |
Z14_0236B05: | 括るに。蓋し妙宗。融心の二書に過ず。融心は。觀經 |
Z14_0236B06: | 疏の外傳なり。妙宗鈔の餘論なり。さて觀經の。第 |
Z14_0236B07: | 八像觀の中に於て。天台四明。作是の御妙釋は。實 |
Z14_0236B08: | に萬劫にも逢ひ難く。千生の一遇と存候。されば。 |
Z14_0236B09: | 淨土門の人も。修觀までこそ難からめ。よく〱此 |
Z14_0236B10: | 等をば學問して。佛祖の恩を。報じ奉らるべし。 |
Z14_0236B11: | 一天台大師は。曇鸞菩薩を。御信仰ゆへ。多くはその |
Z14_0236B12: | 御釋を承用し玉へり。所謂る相待絕待。四悉檀。在 |
Z14_0236B13: | 心。在緣。在決定。難行易行。自力他力。臨終之心。淨 |
Z14_0236B14: | 土受生之心等の如し。この義。天台淨土の末師達 |
Z14_0236B15: | の。沙汰せられぬことなり。中にも相待絕待は。台 |
Z14_0236B16: | 敎の紀綱なり。然るにこの名目。もと淨土宗より出 |
Z14_0236B17: | たりと。云云 |