浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0235A01: | 一談義の始末を見るに。旣に悠々の凡夫に向て。妄り |
Z14_0235A02: | に觀行。相似。分證の功德を與へらる。これ則ち。機 |
Z14_0235A03: | に差ふて說法すれば。人天の怨なることを。知られ |
Z14_0235A04: | ざる故。すきと次位をかまはれず。因て四十七紙の |
Z14_0235A05: | 談義すべて虛構となり。衆生往生の。門路を杜が |
Z14_0235A06: | る。これ亦山外の邪師と。少もかはりなし。痛まし |
Z14_0235A07: | ひかな。 |
Z14_0235A08: | 一旁觀記云。法然上人のこの敎へ。誠にあり難き。御 |
Z14_0235A09: | 勸めなりと。又云。上人は。よく法華經の意を明ら |
Z14_0235A10: | めて。佛意を得玉へる故に。至て愚かなる類ひまで |
Z14_0235A11: | に。往生の安心を。決定せしめ玉ふと。又云。上人の |
Z14_0235A12: | 御本意は。事の念佛にてはあれども。圓頓の意に |
Z14_0235A13: | も。背かざるなりと。又云。凡そ佛菩薩は。內に四句 |
Z14_0235A14: | の執を離れて。外に四句の說をなし。各々萬人の敎 |
Z14_0235A15: | へあり。上人の言。何ぞ必ず一準ならんと。又云。一 |
Z14_0235A16: | 聲の念佛に。八十億劫の。生死の重罪を滅すと說き |
Z14_0235A17: | 玉へば。事の念佛の大功德。何ぞ疑ふべきやと。又 |
Z14_0235B01: | 云。見思未斷の。あら凡夫。一稱十稱の念佛にて。此 |
Z14_0235B02: | 度三界の生死を離れ。永く不退の淨土に生れ。速か |
Z14_0235B03: | に大菩提を成就することは。誠に本願のあり難く。 |
Z14_0235B04: | 他力の法門の。妙術たるなりと。台宗二百題云。問。 |
Z14_0235B05: | 依二散心念佛力一。滅二重罪一。往二生極樂一耶。答。可レ然也。 |
Z14_0235B06: | 難云。重罪者。指二五逆謗法等一。何得下以二散善微力一。滅レ |
Z14_0235B07: | 此往生上耶。答云。彌陀本願廣大。持名功德深重。縱 |
Z14_0235B08: | 不レ修二觀佛三昩一。至心稱名何不下滅二重罪一。生中彼國上耶 |
Z14_0235B09: | 等と。然るにこれ等の說。今の談義と水火せり。易 |
Z14_0235B10: | 曰。立レ心勿レ恒凶と。南澗鄭氏云。聖人無二兩心一と。請 |
Z14_0235B11: | ふ台家の知識達。よく〱吟味を遂げ玉へ。 |
Z14_0235B12: | 一卽心念佛の四字。古へはなし。これ近代。宋人の語 |
Z14_0235B13: | なり。然るに卽心念佛は。卽ち卽心觀佛にて。修心 |
Z14_0235B14: | 妙觀の異稱なれば。口に唱ふる念佛には非ず。故に |
Z14_0235B15: | 宋以後の人々も。きつと。卽心念佛と云。名を定め |
Z14_0235B16: | ては。勸められざりしに。本邦にて。この比。有門菴 |
Z14_0235B17: | の唯忍子。新らしくこの名を云定て。勸められ。今 |