ウィンドウを閉じる

Z1430 即心念仏弾妄録細評 霊空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0227A01: 。則豈不念佛據於心性。持律依於佛制乎と。云
Z14_0227A02: るなり。此意を。隱されたり。墮負ゆへ。おふちやく
Z14_0227A03: を。せらるゝなり。さて前の云分も。此方の意を。得合
Z14_0227A04: 點せられぬなり。凡そ其所示。淨土之法。專爲愚士庸
Z14_0227A05: 。而無理持妙觀之說。其最可疑者。示飛鳥井公
Z14_0227A06: 法語。恐非上人之語と云へる。其最もと云ふ最は。
Z14_0227A07: いつちなり。飛鳥井公に示す法語が。いつち疑ふべき
Z14_0227A08: ものと云ば。凡そ其所示と云も。疑はしきと云意を
Z14_0227A09: 顯はしたり。人の書たるものを。得合點せずして。譯
Z14_0227A10: もなき。難をせらる。四明尊者○知慚愧否。先年
Z14_0227A11: の往復に。四明の破し口の言ばを。甚だ多く出さるゝ
Z14_0227A12: はまだもなり。此度も。彼の破し言ばを。多く出さる
Z14_0227A13: ゝは。十義書ならでは。知らぬ人の樣に聞へてあさま
Z14_0227A14: し。此もかの傳記には全く見えぬこと。傳記に見
Z14_0227A15: えぬは。此方に知らぬこと。今辨論する所は○にて
Z14_0227A16: はなし。前に見えたり。くどし。理觀の卽心念佛
Z14_0227A17: が○合點のことなり。合點しても。得弘められねば。
Z14_0227B01: 其實は。不合點と。見ゆるなり。 此方は從來○妙觀
Z14_0227B02: を勸め。此れは前にて云通り。かたはら痛きことな
Z14_0227B03: り。此方面目なく思ひしことは少しもなし なけ
Z14_0227B04: れば。一段のこと。若しそれが。眞實ならば。談義本
Z14_0227B05: の。天台宗になりたる甲斐は。なきなりと云が。大い
Z14_0227B06: にあたる筈にてはなきなり。此れが甚だあたりたる
Z14_0227B07: は。いなことなり。能く能く心の底を。さがして見ら
Z14_0227B08: れよ。辨僞に天台宗祖の十疑論○勸め玉ひ。前に。
Z14_0227B09: ひつしりと。十疑論に相違することを。示したり。心
Z14_0227B10: 底の迷惑。大方なるまじと思はる。面目なさとは○
Z14_0227B11: 省みられよ。 近世。眞正の志しある人。先師などを
Z14_0227B12: 始め。自他宗共に。尼入道を集め。念佛講を結んで。談
Z14_0227B13: 義を說き。淨土宗の。談義僧の。下役の樣なることを
Z14_0227B14: 勤むる人は。なきなり。此方には。左樣の心入れを。欽
Z14_0227B15: むゆへ。面目ごとの省みは。入らぬなり。 正意穿鑿
Z14_0227B16: をして。くどし。慧心の僧都は事の稱名念佛を行
Z14_0227B17: ずとの玉へり。 文盲ゆへ。妄傳を信ぜらるゝなり。

ウィンドウを閉じる