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Z1430 即心念仏弾妄録細評 霊空 画像

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巻_頁段行 本文
Z14_0225A01: り。今家の意は。行法は。色々にかはれども。皆一心三
Z14_0225A02: 觀を以て。導達之なり。此譯。曾て信得なきゆへ。加
Z14_0225A03: 樣の譯もなきことを。度々云るゝなり。傳敎大師曰。
Z14_0225A04: 一乘獨圓。動靜無礙。豈唯法界寂滅乎。鏡像圓融義。
Z14_0225A05: 口決解。師師相承。良有以也と。今家の師資の
Z14_0225A06: 相承は。三諦圓融の外にはなきなり。何ほど。行法が
Z14_0225A07: かはりても。一一皆三諦圓融を照すことなり。また釋
Z14_0225A08: 三の下の十三に。問。一家所承。本宗龍樹。今此何以。反斥
Z14_0225A09: 本宗。答。本承觀法。不論所破勢と。此意は。龍樹
Z14_0225A10: は。今家の祖師なれども。所破の勢ひをば用ひず。但
Z14_0225A11: だ觀法をうくと云ことなり。兎角。天台宗と云るゝは。
Z14_0225A12: 三諦三觀の觀法の外には。なきなり。其觀法の念佛
Z14_0225A13: を。得弘めずして。事の念佛ばかり。勸めらるゝは。天
Z14_0225A14: 台宗になりたる甲斐は。なきに非ずして何ぞや。慈
Z14_0225A15: 慧大師。慧心僧都。皆卽心念佛なること。或問に委し
Z14_0225A16: く。記し置けども。一言も得云れず。墮負閉口しなが
Z14_0225A17: ら。此にて。文盲なることを云て。云紛らかさるゝな
Z14_0225B01: り。古へ覺超僧都○亦明白なり。
Z14_0225B02: 覺超。慧心。問答のこと。此れは。なるほど。前方は。自
Z14_0225B03: 然。何ぞ慥かなる書に。あることもありと思ふて。餘
Z14_0225B04: り決定せざりしなり。此度は。慥かに決定せり。繪詞
Z14_0225B05: 傳に載する所。決定妄傳なり。其ゆへは。慧心の念佛。卽
Z14_0225B06: 心なること。往生要集を。或問に出せるが如し。其上。
Z14_0225B07: 非摘欺に。出し置ける通り。往生要集の。臨終行儀の
Z14_0225B08: 勸誘の言は。大乘の實智。如來の圓覺心の勸め。卽心
Z14_0225B09: 念佛なること。分明なり。委細に。彼の首書の如し。又
Z14_0225B10: 慧心の先德は。五種法師。四種三昩。無熏練と。釋
Z14_0225B11: 書にあれば。方法各異。理觀則同の。常行三昩。九十日
Z14_0225B12: の稱佛。卽心念佛なること。必定なり。
Z14_0225B13:   或人曰。慧心の阿彌陀經略記に云。三界唯心。心外
Z14_0225B14:   無別法。○若存此義。稱念佛者。所有境界。無
Z14_0225B15:   非佛身。無上菩提。如右手と。慧心の念佛。卽
Z14_0225B16:   心なること。此文甚だ明かなり。何ぞ之を引ざる
Z14_0225B17:   や。答。前に云處にて。慥かなることなり。此れを

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