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Z1430 即心念仏弾妄録細評 霊空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0224A01: を。世に得行なはれざる所なり。それでも。敎觀を勸
Z14_0224A02: むと云るゝは。かたはら痛きことなり。從來のくせ
Z14_0224A03: が年よられても。さては。拙衲が。闢邪扶宗の願心。
Z14_0224A04: 今にうすろがずと。思はると。みえたり。大慶なり。
Z14_0224A05: 文を見ること甚だ麤きが故。此れより下。幾度か法
Z14_0224A06: 華を講し。妙宗鈔をも講ずと。云るゝ人に似合ぬ。法
Z14_0224A07: 華疏。妙宗の意に。違背せる云分なり。文盲なり。八
Z14_0224A08: 敎の網を張て。此れは。應佛の出世のことなり。此れ
Z14_0224A09: を感ずる人は。三乘根性。感佛出世。餘不能感なるゆ
Z14_0224A10: へ。三乘の根機の。感ずる所にして。事の念佛計りを。
Z14_0224A11: 弘むる樣なる人の。ことには非ず。圓敎の中の事の
Z14_0224A12: 稱名念佛の網は張ず。此れは。前々云通り。四明の
Z14_0224A13: 卽心念佛は。理は必ず具事なるゆへ。事の念佛の網
Z14_0224A14: は。自ら張てあるなり。もれてもかまはずと云るゝ
Z14_0224A15: は。此方の意は。至極愚癡無智の輩ら。卽心念佛に
Z14_0224A16: 漏るゝ分は。是非に及ばず。かまはぬと云ことなり。
Z14_0224A17: 明かに。至極愚癡無智と云置けるを。彼の人下に。愚
Z14_0224B01: 癡無智とばかり云て。至極の二字を。除かれたり。加
Z14_0224B02: 樣な。手のわるきことが。彼の人に。昔しより多きこ
Z14_0224B03: となり。笑止千萬。愚癡無智ながら尼入道も人間に
Z14_0224B04: てはなしや○荆溪の御心なるに。此れは。度々。
Z14_0224B05: 法華を講ぜられたる人に似合ぬ。疏記の文意を。曾て
Z14_0224B06: 得合點せられぬなり。荆溪は。天人機具衆敎と。釋し
Z14_0224B07: 玉へり。人天に。八敎を受る機あるを。人天と云と云
Z14_0224B08: 意なり。至極愚癡無智の尼入道に。何とて八敎の機あ
Z14_0224B09: るべきや。譯もなき云分なり。
Z14_0224B10: 彈曰。慧心のこと○堅くなるべからず。此段。亦文
Z14_0224B11: 盲なることどもなり。敎觀の意。一向に合點なきゆ
Z14_0224B12: へなり。 まづ慈慧大師○信受し難し。信受しがた
Z14_0224B13: き譯は。云ずに。無理おしなる。云分なり。縱ひ卽心
Z14_0224B14: 念佛○思はれず。此云分。敎觀の譯。曾て知られぬ
Z14_0224B15: 處。はつきりと。顯はれたり。弟子と。師匠との。行法
Z14_0224B16: の不同を。出さるゝは。他宗の意ならば。自然は。左樣
Z14_0224B17: のこともあるべきか。今家の意には。曾てなきことな

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