浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0222A01: | りたることなるに。大悲だては早すぎたり。一家の敎 |
Z14_0222A02: | 觀は。邪解にて。大悲だてをせらるゝは。無レ目而導く |
Z14_0222A03: | なり。笑止なることなり。彼の人若し眞實に大悲なら |
Z14_0222A04: | ば。幸いに天台宗にてはあり。先師の弟子一分と。思 |
Z14_0222A05: | はるゝほどに。卽心念佛を。勸めらるゝ筈のことな |
Z14_0222A06: | り。卽心念佛は。名を聞くも。大ひなる功德あり。爲種 |
Z14_0222A07: | 亦强と釋し玉ひて。事の念佛に。結緣するより。大ひ |
Z14_0222A08: | に功德あることなるに。それをば結句邪義と云るゝ |
Z14_0222A09: | は。天台宗の大悲とは。曾て云れぬことなり。名利壅レ |
Z14_0222A10: | 己が。實なるべし。さて又。天台宗と云意を 知られぬ |
Z14_0222A11: | なり。それゆへ。譯もなきことを。多く云るゝなり。天 |
Z14_0222A12: | 台宗と云は。圓宗と云に非ずや。四敎を立て。八敎を |
Z14_0222A13: | 沙汰すれども。通宗別宗とは。云ぬなり。因て四明。文 |
Z14_0222A14: | 璨法師に。授け玉ふ辭に云。天台命レ宗。以二偏圓一揆一 |
Z14_0222A15: | 示二乎敎一。以二境智不二一明二乎觀一との玉へり。此れ則ち。 |
Z14_0222A16: | 四敎。八敎を立つれども。天台宗と名くるは。偏圓一 |
Z14_0222A17: | 揆。境智不二の旨を以て。天台圓宗と名くと。の玉へ |
Z14_0222B01: | り。此文。能く心妄られよ。台宗に事理の二行あり。有 |
Z14_0222B02: | 相無相の二行を明せども。事理不二が。正しき天台宗 |
Z14_0222B03: | なり。事の念佛を弘むるが。何ぞ必ず天台宗ならん。 |
Z14_0222B04: | 有相無相の二行をば。此亦一往。分於二人。究竟而論。 |
Z14_0222B05: | 二行互顯と釋して。有相無相を分つは。一往なり。彼 |
Z14_0222B06: | の人は。事理の二行を。固く分たるゝゆへ。一往の說 |
Z14_0222B07: | を執して。究竟而論に昩き。偏見なり。次に彼の人 |
Z14_0222B08: | の。此段は。天台。四明。慈雲の意に。大ひに相違せ |
Z14_0222B09: | る。云分なり。先づ天台の十疑論を。事の念佛と計り |
Z14_0222B10: | 云るゝこと。十疑論を。みぬ人の。云樣なることなり。 |
Z14_0222B11: | 今具さに。指し示したらば。亦心𤍠し面赤かるべし。 |
Z14_0222B12: | 十疑論は。前の九問答は。淨土の法門に就ての。問答 |
Z14_0222B13: | なり。第十疑が。淨土の行業の問答なり。淨土の行業 |
Z14_0222B14: | に。二種あり。一つには。厭離行。此れは。不淨觀を示 |
Z14_0222B15: | し玉へり。二つには。欣願行。此れに亦二つあり。一つ |
Z14_0222B16: | には。菩提心なり。往生論注の意にて。法然上人の。念 |
Z14_0222B17: | 佛を抑ふと。の玉へるとは。大ひに違へる。勸めなり。 |