浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0221A01: | 此淨土指歸の○大師に至て。此れまでは。指歸の意 |
Z14_0221A02: | を述べらるゝゆへ。聞えたが。次に十疑論には。事相 |
Z14_0221A03: | の本願念佛を明すと。云るゝは。指歸に。曾て明さぬ |
Z14_0221A04: | ことを。取付たるなり。十疑論を。事の稱名とばかり。 |
Z14_0221A05: | 云るゝも。甚だ相違せることなり。末にて云べし。 |
Z14_0221A06: | 事理の二行闕くことなく。卽心念佛には。理は必ず |
Z14_0221A07: | 具レ事ゆへ。理觀の觀佛には勿論。理持の稱名にも。事 |
Z14_0221A08: | 理は缺けぬなり。缺くると思ふて。色色のことを。云 |
Z14_0221A09: | るゝは。彼の人の妄分別なり。事の稱名念佛が漏る |
Z14_0221A10: | ゝゆへ。漏れざること。如レ前。上上根は勿論。下下 |
Z14_0221A11: | 根の尼入道をも漏すことなき上 此れは。或問に藕益 |
Z14_0221A12: | の語を。引き置く通り。卽心念佛にてこそ。漏るゝ機 |
Z14_0221A13: | はなきなり。理觀も事相も兼て運ぶを以て。此れ |
Z14_0221A14: | は。觀佛の事を。云るゝや。理持のことを。云るゝや。 |
Z14_0221A15: | 觀佛は。故知十六。歷レ事觀レ理也とあれば。事理の二行 |
Z14_0221A16: | を。別に立るには非ずして。事理兼ね運ぶなり。理持 |
Z14_0221A17: | のことならば。理は必ず具レ事ゆへ。此れ亦兼ね運ぶ |
Z14_0221B01: | なり。此方に從來云ふ所なり。傳論には相違せり。 |
Z14_0221B02: | 何と相違するや。不審なり。理觀の一道と云ば。前に |
Z14_0221B03: | も云通り。理持卽心念佛も。其內なり。さて彼の人 |
Z14_0221B04: | は。何とやら。兼ね運ぶと云を。雙べ立ると云樣に。思 |
Z14_0221B05: | はるゝと。見えたり。左樣にてはなしや。 |
Z14_0221B06: | 彈曰。此段はあはぬ譬へ○違背すること顯然なり。 |
Z14_0221B07: | 此の下。五紙計り。急用ならぬ。長談義なり。定めて。 |
Z14_0221B08: | 彼の尼入道は。難レ有がり。殊勝がるべし。此方には。彼 |
Z14_0221B09: | の人の心底。疑はしく。思ふなり。疑ふまじきことな |
Z14_0221B10: | れども。荆溪大師も。疑ひ玉ひしことあれば。また疑 |
Z14_0221B11: | ふまじきものに非ず。大師は。彼の人などの類ひに |
Z14_0221B12: | あらぬ。古への弘經者をさへ。疑ひ玉へり。妙樂の第 |
Z14_0221B13: | 一に云。固蔽理觀深微一。而但以二事相一釋レ義。言レ弘二斯典一 |
Z14_0221B14: | 者遠矣。今問二弘經者一。爲二名利一壅レ己。爲二大悲益一レ他自行 |
Z14_0221B15: | 暗二於妙宗一。何殊二無レ目而導一との玉へり。委しく斷るに |
Z14_0221B16: | 及ばず。彼の人の慈悲は。大悲が實か。利名の爲が實 |
Z14_0221B17: | か。甚だ疑はしきなり。自分の解了さへ。ゆがみすぢ |