浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0220A01: | じて彼の人は。佛敎の大筋を。曾て知られぬなり。そ |
Z14_0220A02: | れゆへ。事は事。理は理と。分けて計り。置るゝなり。 |
Z14_0220A03: | 一向に見識は。なき人なり。今家計りに非ず。他宗も |
Z14_0220A04: | 多く云ことあり。如來の說法は。常に依二二諦一と云り。 |
Z14_0220A05: | 佛の眞諦を說せ玉ふ處にも。俗諦あり。俗諦を說せ玉 |
Z14_0220A06: | ふ處にも。眞諦あり。彼の人の如き。意を得ぬ人は。眞 |
Z14_0220A07: | 諦は。眞諦。俗諦は俗諦と計り。心得るゆへ。如來の心 |
Z14_0220A08: | を。失ふなり。因て大乘𤣥論には。若有二巧方便慧一。學二 |
Z14_0220A09: | 此二諦一。成二無所得一。無二巧方便慧一學レ敎。卽成二有所得一と |
Z14_0220A10: | 云り。彼の人は。他宗の心にも及ばぬ。初心なること |
Z14_0220A11: | なり。又四依の大士。小乘敎を釋し玉ふに。大乘の意 |
Z14_0220A12: | を以て。斷り玉ふことあり。天台も。小乘の文を引て。 |
Z14_0220A13: | 大乘の義を示し玉ふことあり。此れ等も。彼の人に云 |
Z14_0220A14: | せば。場の違ふたこと。筋の違ふたこと。 |
Z14_0220A15: | 彼の人は。場の違ふたの。筋の違ふたのと云譯 |
Z14_0220A16: | も。知られぬなり。 |
Z14_0220A17: | と。云るべし。勿體なきことなり。又。圓人受レ法無二法 |
Z14_0220B01: | 不一レ圓と。他宗も云なり。慈雲の。信二此圓談一。則事無レ不レ |
Z14_0220B02: | 達と。同じ意なり。事は事。理は理と。分けて計り。心 |
Z14_0220B03: | 得るは。文盲なることなり。今の十疑論○明かなる |
Z14_0220B04: | が如し。此れは。前に荆溪の指南を。引き示すにて。 |
Z14_0220B05: | 知れたることなり。諸法無生の段を 能く合點すれ |
Z14_0220B06: | ば。始終皆卽心念佛と云に。背かぬことなり。往生 |
Z14_0220B07: | 無生なることを○云かけならずや。 此は。めつたな |
Z14_0220B08: | ることを云る。此方には。談義本を破さるゝとこそ云 |
Z14_0220B09: | へ。往生無生を破さるゝとは。曾て云ず。何とて加樣 |
Z14_0220B10: | なことを。云るゝや。瞋りより。心が迷亂する故なる |
Z14_0220B11: | べし。十疑論の事の念佛を。圓入が修すれば。卽ち卽 |
Z14_0220B12: | 心念佛になると云て。彼の論の。諸法無生の疑ひの答 |
Z14_0220B13: | へを。出したり。諸法無生なるは。卽心なるがゆへな |
Z14_0220B14: | り。往生無生を。破せらるゝとは云ぬなり。 |
Z14_0220B15: | 彈曰。此段とくと辨じたらば○無慚愧の人なり。此 |
Z14_0220B16: | 段また。麤き云分。漫語共なり。淨土指歸の意を。合點 |
Z14_0220B17: | せられず。淨土の敎の意を。曾て合點せられぬなり。 |