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Z1430 即心念仏弾妄録細評 霊空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0217A01: ず。一人一人のことなり。一切の人の。恩愛を謝し。一
Z14_0217A02: 切の人の苦勞を謝するには。非ざるなり。加樣のこと
Z14_0217A03: は。知られそふなることなるに。思ひの外の。不合點
Z14_0217A04: かな。譬へば富士の山とか等のこと。世俗の云ことあ
Z14_0217A05: り。山は多けれども。山と云ば。叡山。寺は多けれど
Z14_0217A06: も。寺と云ば。三井寺と云ことも。あるなり。予が云處
Z14_0217A07: は。篇目に付てのことなれば。示人の二字。廣く一切
Z14_0217A08: には。通ぜずと云なり。大學の序を。引るゝこと。此
Z14_0217A09: れは結句。彼人の指し合ひなり。大學所以敎一レ人之法
Z14_0217A10: とあれば。小學寮の人を隔てたり。一切の敎へに。わ
Z14_0217A11: たるとは云はれず。さて古の之大學と云て。昔しより。
Z14_0217A12: 大學と云點を。改ためらるゝは。何ごとぞや。蒙引に。
Z14_0217A13: 上大學字指經傳。下大學字指學校とあれば。大學と。
Z14_0217A14: 古へより讀むが。よきなり。すてがな一字なれども。
Z14_0217A15: 大ひに譯の聞へぬ點なり。また孟子の。敎人以善の
Z14_0217A16: 語を。引るゝは何ごとぞや。此方の云分は。題號。篇
Z14_0217A17: 目に付てのことなり。總じて一切の。示人。敎人の言
Z14_0217B01: は。一切に通ぜずと云には非ず。何とて。すり違ひた
Z14_0217B02: ることを。云るゝや。示人大學と云。敎人中庸など
Z14_0217B03: 云。題號はなきなり。因て示人念佛方法と云題號は。
Z14_0217B04: 一類一緣の爲と云なり。一人一機とも云ず。一類一緣
Z14_0217B05: と云て。文句の別爲一緣の語を。引き置たれども。得
Z14_0217B06: 合點せられずとみへて。何とも得云れぬなり。故今
Z14_0217B07: 普示稱佛之法とのこと。左樣の義あればこそ。一人
Z14_0217B08: 一機と云ず。一類一緣とは。云置たれ。普くと云ども。
Z14_0217B09: 必ず一切には。非ざるなり。普請の普の字を。見られ
Z14_0217B10: よ。總集して。することなれども。普く一切に通ずる
Z14_0217B11: ことにてほなし。但一寺。一山の內のことなり。それ
Z14_0217B12: にも猶。除守寮。直堂。老病とあり。普と云ども。餘り
Z14_0217B13: ひろからぬこと。あるものなり。次に慈雲の本意は。
Z14_0217B14: 此下の云分。譯の聞へぬことなり。慈雲の念佛の示し
Z14_0217B15: に付て。本意のことを。云ひては。かなはぬことなり。
Z14_0217B16: 今の所論に非ずとは。すべり會通なり。にげ口と云も
Z14_0217B17: のなり。猶難じたけれども。前々に云處にて。知れた

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