浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0217A01: | ず。一人一人のことなり。一切の人の。恩愛を謝し。一 |
Z14_0217A02: | 切の人の苦勞を謝するには。非ざるなり。加樣のこと |
Z14_0217A03: | は。知られそふなることなるに。思ひの外の。不合點 |
Z14_0217A04: | かな。譬へば富士の山とか等のこと。世俗の云ことあ |
Z14_0217A05: | り。山は多けれども。山と云ば。叡山。寺は多けれど |
Z14_0217A06: | も。寺と云ば。三井寺と云ことも。あるなり。予が云處 |
Z14_0217A07: | は。篇目に付てのことなれば。示人の二字。廣く一切 |
Z14_0217A08: | には。通ぜずと云なり。大學の序を。引るゝこと。此 |
Z14_0217A09: | れは結句。彼人の指し合ひなり。大學所二以敎一レ人之法 |
Z14_0217A10: | とあれば。小學寮の人を隔てたり。一切の敎へに。わ |
Z14_0217A11: | たるとは云はれず。さて古の之大學と云て。昔しより。 |
Z14_0217A12: | 大學と云點を。改ためらるゝは。何ごとぞや。蒙引に。 |
Z14_0217A13: | 上大學字指二經傳一。下大學字指二學校一とあれば。大學と。 |
Z14_0217A14: | 古へより讀むが。よきなり。すてがな一字なれども。 |
Z14_0217A15: | 大ひに譯の聞へぬ點なり。また孟子の。敎レ人以レ善の |
Z14_0217A16: | 語を。引るゝは何ごとぞや。此方の云分は。題號。篇 |
Z14_0217A17: | 目に付てのことなり。總じて一切の。示人。敎人の言 |
Z14_0217B01: | は。一切に通ぜずと云には非ず。何とて。すり違ひた |
Z14_0217B02: | ることを。云るゝや。示レ人大學と云。敎レ人中庸など |
Z14_0217B03: | 云。題號はなきなり。因て示二人念佛方法一と云題號は。 |
Z14_0217B04: | 一類一緣の爲と云なり。一人一機とも云ず。一類一緣 |
Z14_0217B05: | と云て。文句の別爲一緣の語を。引き置たれども。得 |
Z14_0217B06: | 合點せられずとみへて。何とも得云れぬなり。故今 |
Z14_0217B07: | 普示二稱佛之法一とのこと。左樣の義あればこそ。一人 |
Z14_0217B08: | 一機と云ず。一類一緣とは。云置たれ。普くと云ども。 |
Z14_0217B09: | 必ず一切には。非ざるなり。普請の普の字を。見られ |
Z14_0217B10: | よ。總集して。することなれども。普く一切に通ずる |
Z14_0217B11: | ことにてほなし。但一寺。一山の內のことなり。それ |
Z14_0217B12: | にも猶。除二守寮。直堂。老病一とあり。普と云ども。餘り |
Z14_0217B13: | ひろからぬこと。あるものなり。次に慈雲の本意は。 |
Z14_0217B14: | 此下の云分。譯の聞へぬことなり。慈雲の念佛の示し |
Z14_0217B15: | に付て。本意のことを。云ひては。かなはぬことなり。 |
Z14_0217B16: | 今の所論に非ずとは。すべり會通なり。にげ口と云も |
Z14_0217B17: | のなり。猶難じたけれども。前々に云處にて。知れた |