浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0215A01: | 簡せらるゝなり。自分の證據に。引るゝには非ざるな |
Z14_0215A02: | り。此境觀要門を引るゝ妄料簡。二千酬下の一の二の左に。難 |
Z14_0215A03: | じ置けり。十六年已前のことなれども。今に一言の會 |
Z14_0215A04: | 通を聞かず。內外拾遺の第五を出さるゝこと。此亦 |
Z14_0215A05: | 自分の證據に。引るゝには非ず。境觀要門に。ちと謬 |
Z14_0215A06: | りありと云に付ての。彼人の云分なり。自分の立義に |
Z14_0215A07: | は非ず。自分の立義は。境觀要門の。約心觀佛。定爲外 |
Z14_0215A08: | 境の文。心佛二字。是れ所觀の境と云に。大ひに指し |
Z14_0215A09: | 合ゆへ。彼人の立義の證據に。引るべき書には非ず。 |
Z14_0215A10: | 何ぞ。引るべきや。二百難の下を出さるゝも。彼人 |
Z14_0215A11: | の。境觀要門の。妄料簡にてこそあれ。自分の證據に。 |
Z14_0215A12: | 引るゝには非ず。 往復書をよく見たる學者は全く |
Z14_0215A13: | 受取ぬことなり。十六年已前の。二千酬より後。彼 |
Z14_0215A14: | 人の會通。曾て世に行なはれず。誰が見て。受取ぬや。 |
Z14_0215A15: | さて約心觀佛を○灼然なり。 此云分亦二千酬の答 |
Z14_0215A16: | へを。得出さずして下いはるべきことにてはなきな |
Z14_0215A17: | り。無慚愧ゆへ。云るゝなり。全く其方の身の上の |
Z14_0215B01: | ことなりと省み知られよ。二千酬の答へを。見たら |
Z14_0215B02: | ば。左樣に思ふことも。あるべきか。此次に不可思 |
Z14_0215B03: | 議の一心三觀のことを云るゝは○重ねて辨斥すべ |
Z14_0215B04: | し。此方よりは。今まで終に云れぬ。不可思議の一 |
Z14_0215B05: | 心三觀と云言ばを。出されたりと。難じたり。云れた |
Z14_0215B06: | らば。某處にありと。指し示さるれば。すむことなる |
Z14_0215B07: | に。云れぬがじやうなるゆへ。某處にありとは。得云 |
Z14_0215B08: | れぬなり。慚愧を知らぬ。云紛らかしなり。時節あ |
Z14_0215B09: | らばと云るゝこと。前に略ぼ難じたる通なり。法然流 |
Z14_0215B10: | の事の念佛は。勸めひで。少しも事かけぬことなる |
Z14_0215B11: | に。それは。殊の外苦勞にして。兩度まで書を出さる。 |
Z14_0215B12: | 敎觀のことは。台家の正業なるに。それをば。十六年 |
Z14_0215B13: | まで。打ち捨てをかれ。まだ時節もあらばと。云るゝ |
Z14_0215B14: | は。彼人。敎觀に心なく。敎觀が埓が明ざるゆへのこ |
Z14_0215B15: | となり。哀れなる。心底かな。 |
Z14_0215B16: | 彈曰。此方に曾て云ずと云るゝは○ものと見えたり。 |
Z14_0215B17: | 此段。犬の尾なり。談義本や。或問を見たる人は。辨ぜ |