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Z1430 即心念仏弾妄録細評 霊空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0215A01: 簡せらるゝなり。自分の證據に。引るゝには非ざるな
Z14_0215A02: り。此境觀要門を引るゝ妄料簡。二千酬下の一の二の左に。難
Z14_0215A03: じ置けり。十六年已前のことなれども。今に一言の會
Z14_0215A04: 通を聞かず。內外拾遺の第五を出さるゝこと。此亦
Z14_0215A05: 自分の證據に。引るゝには非ず。境觀要門に。ちと謬
Z14_0215A06: りありと云に付ての。彼人の云分なり。自分の立義に
Z14_0215A07: は非ず。自分の立義は。境觀要門の。約心觀佛。定爲外
Z14_0215A08: 境の文。心佛二字。是れ所觀の境と云に。大ひに指し
Z14_0215A09: 合ゆへ。彼人の立義の證據に。引るべき書には非ず。
Z14_0215A10: 何ぞ。引るべきや。二百難の下を出さるゝも。彼人
Z14_0215A11: の。境觀要門の。妄料簡にてこそあれ。自分の證據に。
Z14_0215A12: 引るゝには非ず。 往復書をよく見たる學者は全く
Z14_0215A13: 受取ぬことなり。十六年已前の。二千酬より後。彼
Z14_0215A14: 人の會通。曾て世に行なはれず。誰が見て。受取ぬや。
Z14_0215A15: さて約心觀佛を○灼然なり。 此云分亦二千酬の答
Z14_0215A16: へを。得出さずしていはるべきことにてはなきな
Z14_0215A17: り。無慚愧ゆへ。云るゝなり。全く其方の身の上の
Z14_0215B01: ことなりと省み知られよ。二千酬の答へを。見たら
Z14_0215B02: ば。左樣に思ふことも。あるべきか。此次に不可思
Z14_0215B03: 議の一心三觀のことを云るゝは○重ねて辨斥すべ
Z14_0215B04: し。此方よりは。今まで終に云れぬ。不可思議の一
Z14_0215B05: 心三觀と云言ばを。出されたりと。難じたり。云れた
Z14_0215B06: らば。某處にありと。指し示さるれば。すむことなる
Z14_0215B07: に。云れぬがじやうなるゆへ。某處にありとは。得云
Z14_0215B08: れぬなり。慚愧を知らぬ。云紛らかしなり。時節あ
Z14_0215B09: らばと云るゝこと。前に略ぼ難じたる通なり。法然流
Z14_0215B10: の事の念佛は。勸めひで。少しも事かけぬことなる
Z14_0215B11: に。それは。殊の外苦勞にして。兩度まで書を出さる。
Z14_0215B12: 敎觀のことは。台家の正業なるに。それをば。十六年
Z14_0215B13: まで。打ち捨てをかれ。まだ時節もあらばと。云るゝ
Z14_0215B14: は。彼人。敎觀に心なく。敎觀が埓が明ざるゆへのこ
Z14_0215B15: となり。哀れなる。心底かな。
Z14_0215B16: 彈曰。此方に曾て云ずと云るゝは○ものと見えたり。
Z14_0215B17: 此段。犬の尾なり。談義本や。或問を見たる人は。辨ぜ

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