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Z1430 即心念仏弾妄録細評 霊空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0211A01: すに非ずと云こと。聞へず。四十八願こそ說かね。彌
Z14_0211A02: 陀の本願のことは。明かに說き玉へり。譬へば駿河
Z14_0211A03: の○山なるが如し。 合はぬ譬へかな。阿彌陀如來
Z14_0211A04: は。極樂淨土にこそ在ませ。無量壽經の中には。在ま
Z14_0211A05: さぬなり。此譬へにては。阿彌陀如來が。無量壽經の
Z14_0211A06: 中に。在ます樣なる云分なり。無量壽經も。觀經も。
Z14_0211A07: ともに西方の彌陀の噂さなれば。此譬へは。しかへら
Z14_0211A08: れて可然。 彌陀の本願と云。出處は卽心の旨を明
Z14_0211A09: さぬと云るゝ無量壽經の說なること決定なり。此れ
Z14_0211A10: は。文盲なることを云る。彌陀の本願を說きたる經
Z14_0211A11: は。多きなり。樂邦文類一七云。其平等覺。與阿彌陀。竝
Z14_0211A12: 出法藏比丘二十四願。無量壽。與大寶積會。則譯
Z14_0211A13: 出四十八願とあり。又悲華經にも出たり。文類に。安
Z14_0211A14: 養記を引て云く。悲華經。備有二十四願。但だ文の略
Z14_0211A15: のみ耳と。願數の不同はあれども。平等覺經や。悲華
Z14_0211A16: 經などに。了了明白に。彌陀の本願を。說き玉へり。
Z14_0211A17: 何ぞ必ず無量壽經を。出處と定めんや。妙宗に彼佛
Z14_0211B01: 因中○明白なり。四明の文。前に云通りなるゆへ。
Z14_0211B02: 何ぞ必ず無量壽經と。定めんや。平等覺經や。大寶積
Z14_0211B03: 會や。悲華經などの。通說なり。つまらぬ云分をば。能
Z14_0211B04: くせらるゝことかな。但し觀經の中に○承りたし。
Z14_0211B05: 前にも云通り。四十八願とは。なけれども。彌陀の本
Z14_0211B06: 願のこと。分明なり。其方の文もなき妄義に誰か依
Z14_0211B07: らんや。なるほど。愚人は依るまじ。無文有義。智人
Z14_0211B08: 用之なれば。智人は依ること決定なり。さら〱い
Z14_0211B09: ひ難きなり。彼人をこそ。 此れも亦名に迷ふて義
Z14_0211B10: に昩きことなり。此れは。此方の云言ばを。義理を
Z14_0211B11: 合點せずして。口まねを。せらるゝゆへ。譯の立ぬこ
Z14_0211B12: となり。自在坊風の。口まねの如し。ものゝ差別は。一
Z14_0211B13: 向合點のゆかぬ人なり。今は。具如經說と云を。彼人
Z14_0211B14: は。無量壽經と云れ。此方には。觀經と云ば。文の出處
Z14_0211B15: の僉義なり。必ずしも。義に依ることにてはなきな
Z14_0211B16: り。かく云を。有智の人は。能く合點し玉ふべし。
Z14_0211B17: なるまじき樣はなし。此はぬるき云樣なり。ぬるき

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