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Z1430 即心念仏弾妄録細評 霊空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0209A01: ことなり。山門の論義者の。昔しから云ことなれど
Z14_0209A02: も。三井の邊には。云ずとみへて。譯もなき自在坊風
Z14_0209A03: なり。山門の學者が見たらば。大ひに笑ふべし。次
Z14_0209A04: に淨土他力の行を○何ぞ復疑んや。 此段入らぬ講
Z14_0209A05: 釋。其內圓解も不入。觀行も不用ひと云るれども。
Z14_0209A06: 入不用譯は。聞へぬなり。彼の佛の慈を脩すと云
Z14_0209A07: るれども。其修し樣は。先づ此にては聞へず。譯もな
Z14_0209A08: も云分。
Z14_0209A09: 彈曰。淨社の疏○千萬笑止に存するなり。此一紙半
Z14_0209A10: 計り。又相かはらぬ。妄難なり。愚癡無智の男女を。勸
Z14_0209A11: め玉ふとのこと。四明の疏に。大ひに背けり。或問に
Z14_0209A12: 云し通り。疏の文の前書には。發菩提心。求淨土
Z14_0209A13: とあり。發菩提願。爲衆生。取於淨土ともあれば。
Z14_0209A14: 愚癡無智の男女を勸め玉ふ。法然上人の。菩提心。念
Z14_0209A15: 佛を抑ふと云と。大ひに違へる。四明の意なるを。法
Z14_0209A16: 然流の。本願の念佛と云るゝは。迷倒の甚だしきなり。
Z14_0209A17: 此稱名は佛の大慈大悲より發し玉ふ本願の念佛なる
Z14_0209B01: が故に。此本願の佛名を稱念するは卽ち佛の慈悲を
Z14_0209B02: 修行すると云ものなり。因て但當彼佛號彼佛
Z14_0209B03: といひ。必爲彼佛本願攝取せらるとの玉へり。
Z14_0209B04: 佛の大慈大悲より發し玉ふ。本願の佛名を稱念せば。
Z14_0209B05: 彼佛名と云へし。何ぞ修慈と云んや。其上へ此云
Z14_0209B06: 分にては。但だ當彼佛號。修彼佛慈の文を。點を
Z14_0209B07: 付け直さねばならぬなり。但だ當彼佛號。修彼佛
Z14_0209B08: と。點ずべし。彼人の云分と。本の點とは。義理が
Z14_0209B09: 違へり。如此のことを云ても。文字學問が精しと。思
Z14_0209B10: ふて居らるゝは。可笑ことなり。 三諦無緣の慈を
Z14_0209B11: 修することにては曾てなければ。 彼人の云るゝ通
Z14_0209B12: りなれば。但當稱彼等の十字を點を付直さねは。なら
Z14_0209B13: ぬなり。付直せば。二句十字がくだけて。讀れぬこと
Z14_0209B14: になるなり。少し文字を知りたる人は。付まじき點な
Z14_0209B15: り。修彼佛慈と云は。三諦の慈を修するなり。別行
Z14_0209B16: 𤣥の一や。第四や。幷に兩處の記の文 止觀。輔行の第
Z14_0209B17: 六などを見れば。疑ひなきことなり。何にも覺へられ

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