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Z1430 即心念仏弾妄録細評 霊空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0206A01: 妄見。如前。まづ下品下生○合點なるべし。此を
Z14_0206A02: 難ずること。又如前。此大に然らず。然らずと云
Z14_0206A03: が。然らず。下品下生○宣べ玉ふものなり。知れ
Z14_0206A04: たこと。 今まで修觀する人が此に於て觀念を改め
Z14_0206A05: て俄かに自ら口稱の十念すると云ことにては曾てな
Z14_0206A06: し。此方。左樣には。曾て申さず。誰をとがめらるゝ
Z14_0206A07: や。大師の疏にて曰○明し玉へば。引るゝに及ば
Z14_0206A08: ぬこと。知れたことなり。下品下生の惡人の十念を少
Z14_0206A09: しも漏すことはなし。所觀には。漏れねども。觀ぜ
Z14_0206A10: らるゝ人が。定心發して。卽心稱名する方は。もるゝ
Z14_0206A11: なり。何とて漏れずと云るゝや。而るを觀佛と云ば十
Z14_0206A12: 念が漏るると云るゝは。能觀の方で。漏れぬと云
Z14_0206A13: るゝは知れたこと。此方も共許のことなり。妙宗鈔
Z14_0206A14: の。下の四十紙を。指したる。觀ぜらるゝ人が。一心三
Z14_0206A15: 觀の定心にて。卽心稱名するは。漏るるに非ずや。但
Z14_0206A16: し四十紙の文は。忘却せられたるか。何とも。云れぬ
Z14_0206A17: は。思はるゝや如何。曾て左樣に思はず。
Z14_0206B01: 彈曰。引るゝ所の○今辨ずるに及ばず。此れより下一
Z14_0206B02: 紙牛。甚だすり違ひたる云分なり。苦し此觀門○終
Z14_0206B03: になし。此方の心は。觀經も。般舟も。發軫に彌陀の
Z14_0206B04: 依正。心性を離れずと。觀ずることを。專らに云なり。
Z14_0206B05: 因て止觀の般舟三昩の行相が。すまずと云なり。般舟
Z14_0206B06: の觀佛の內にも。九十日。口常唱佛名とあれば。止觀
Z14_0206B07: の行者の。稱名なるからは。一心三觀の。卽心念佛な
Z14_0206B08: りと。云ことなり。此。此方の思ひ入れを。合點のゆか
Z14_0206B09: ぬと云ことは。あるまじきが。一言の會通も。得せら
Z14_0206B10: れぬなり。哀れなるかな。口常唱名の方を一同し玉
Z14_0206B11: ふには非ず。誰が左樣に。申すや。妙宗の始終修觀
Z14_0206B12: の行者の佛名を唱ることは終になし。前に云通り。
Z14_0206B13: 鈔の下の四十紙の文。忘却せられたりと。みへたり。
Z14_0206B14: 彼文に云。此雖惡。已曾修觀。故使臨終。善友勸稱
Z14_0206B15: 十念。定心則成。亦是法行乘急戒緩人也。修觀故乘急。
Z14_0206B16: 造惡故戒緩なりと。分明なるに非ずや。妙宗の中○
Z14_0206B17: あるまじきなり。文はなしと云ども。義理は分明な

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