浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0206A01: | 妄見。如レ前。まづ下品下生○合點なるべし。此を |
Z14_0206A02: | 難ずること。又如レ前。此大に然らず。然らずと云 |
Z14_0206A03: | が。然らず。下品下生○宣べ玉ふものなり。知れ |
Z14_0206A04: | たこと。 今まで修觀する人が此に於て觀念を改め |
Z14_0206A05: | て俄かに自ら口稱の十念すると云ことにては曾てな |
Z14_0206A06: | し。此方。左樣には。曾て申さず。誰をとがめらるゝ |
Z14_0206A07: | や。大師の疏にて曰○明し玉へば。引るゝに及ば |
Z14_0206A08: | ぬこと。知れたことなり。下品下生の惡人の十念を少 |
Z14_0206A09: | しも漏すことはなし。所觀には。漏れねども。觀ぜ |
Z14_0206A10: | らるゝ人が。定心發して。卽心稱名する方は。もるゝ |
Z14_0206A11: | なり。何とて漏れずと云るゝや。而るを觀佛と云ば十 |
Z14_0206A12: | 念が漏るると云るゝは。能觀の方で。漏れぬと云 |
Z14_0206A13: | るゝは知れたこと。此方も共許のことなり。妙宗鈔 |
Z14_0206A14: | の。下の四十紙を。指したる。觀ぜらるゝ人が。一心三 |
Z14_0206A15: | 觀の定心にて。卽心稱名するは。漏るるに非ずや。但 |
Z14_0206A16: | し四十紙の文は。忘却せられたるか。何とも。云れぬ |
Z14_0206A17: | は。思はるゝや如何。曾て左樣に思はず。 |
Z14_0206B01: | 彈曰。引るゝ所の○今辨ずるに及ばず。此れより下一 |
Z14_0206B02: | 紙牛。甚だすり違ひたる云分なり。苦し此觀門○終 |
Z14_0206B03: | になし。此方の心は。觀經も。般舟も。發軫に彌陀の |
Z14_0206B04: | 依正。心性を離れずと。觀ずることを。專らに云なり。 |
Z14_0206B05: | 因て止觀の般舟三昩の行相が。すまずと云なり。般舟 |
Z14_0206B06: | の觀佛の內にも。九十日。口常唱二佛名一とあれば。止觀 |
Z14_0206B07: | の行者の。稱名なるからは。一心三觀の。卽心念佛な |
Z14_0206B08: | りと。云ことなり。此。此方の思ひ入れを。合點のゆか |
Z14_0206B09: | ぬと云ことは。あるまじきが。一言の會通も。得せら |
Z14_0206B10: | れぬなり。哀れなるかな。口常唱名の方を一同し玉 |
Z14_0206B11: | ふには非ず。誰が左樣に。申すや。妙宗の始終修觀 |
Z14_0206B12: | の行者の佛名を唱ることは終になし。前に云通り。 |
Z14_0206B13: | 鈔の下の四十紙の文。忘却せられたりと。みへたり。 |
Z14_0206B14: | 彼文に云。此雖レ造レ惡。已曾修レ觀。故使三臨終。善友勸稱二 |
Z14_0206B15: | 十念一。定心則成。亦是法行乘急戒緩人也。修觀故乘急。 |
Z14_0206B16: | 造惡故戒緩なりと。分明なるに非ずや。妙宗の中○ |
Z14_0206B17: | あるまじきなり。文はなしと云ども。義理は分明な |