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Z1430 即心念仏弾妄録細評 霊空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0205A01: どし。又談義本の初に○見ゆること決定なり。此
Z14_0205A02: より下。文盲なる僉議。文盲なる喩へなり。彼方は。妄
Z14_0205A03: 見なるゆへ。此喩へを。設けらるゝなるべし。此方に。
Z14_0205A04: 喩へを假るは。譬へば。豹を。人に見せんと思ふ者が。
Z14_0205A05: 看板に。虎と豹と。二匹かひて。小高き處に。掛け置き
Z14_0205A06: たるを。遠目のきかぬ。疎忽なる人々。虎二匹と見て。
Z14_0205A07: 內へ入りたるに。此れが豹でござると云て。見せたれ
Z14_0205A08: ば。大ひに驚きて。看版は。虎二匹なるに。何とて。豹
Z14_0205A09: を見するやと。とがむれば。みする人の云く。それは。
Z14_0205A10: 其元の目がきかず。見損じなり。看版は。虎と豹とな
Z14_0205A11: り。虎は。世間の人。皮にても。繪にても。多く見るこ
Z14_0205A12: となり。豹は。皮も繪も。希れなり。その希れなる豹
Z14_0205A13: を。みするゆへ。豹は。似虎圜文なれば。虎と豹との。
Z14_0205A14: 差別を。知らしめんが爲。看版に虎と豹と。二匹かき
Z14_0205A15: たりと云が如し。此喩へは。虎は。卽心觀佛なり。豹
Z14_0205A16: は。卽心稱佛なり。依て談義本に。凡そ念佛と云は。根
Z14_0205A17: 本。心に佛を思ふことなり。觀佛なり又。口に南無阿彌陀佛
Z14_0205B01: と唱ふるも。念佛なり。稱名なりまた卽心念佛の根本は。是
Z14_0205B02: 心作佛。是心是佛の經文なりと云り。此文は。心想佛
Z14_0205B03: 時と。あるゆへ。觀佛が根本なり。されども。稱佛に
Z14_0205B04: も通ずるゆへ。卽心念佛の根本と云置けり。また我
Z14_0205B05: 心と佛と。相かはらずと思ふて。佛を思ひ。觀佛なり佛の
Z14_0205B06: 名を唱ふれば。稱佛なり我れが卽ち阿彌陀如來の如くの。
Z14_0205B07: 結構なる佛になるゆへに。是心作佛と。說かせ玉へり
Z14_0205B08: と。如此虎と豹とを。談義本の看版に。書きわけたれ
Z14_0205B09: ども。目のわるき。疎忽人が。念佛も。觀佛も。たゞ一
Z14_0205B10: つの觀佛と心得て。譯もなきことを。云なり。百計
Z14_0205B11: 思惟し。目擊の下に。了了なるものを。初に標せら
Z14_0205B12: れし。くどし。
Z14_0205B13: 彈曰。此は○辨ずべし。段段。下にて可辨。
Z14_0205B14: 彈曰。此段は○思はるゝや如何。此下一紙餘。すり
Z14_0205B15: 違ひたる答へなり。義理が分れぬゆへか。聞へぬこ
Z14_0205B16: となりとも。返答の分にせんと。云ことが。跡より
Z14_0205B17: 稱念の猫を畫き加え。虎と豹とを。見そこなふたる

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