浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0205A01: | どし。又談義本の初に○見ゆること決定なり。此 |
Z14_0205A02: | より下。文盲なる僉議。文盲なる喩へなり。彼方は。妄 |
Z14_0205A03: | 見なるゆへ。此喩へを。設けらるゝなるべし。此方に。 |
Z14_0205A04: | 喩へを假るは。譬へば。豹を。人に見せんと思ふ者が。 |
Z14_0205A05: | 看板に。虎と豹と。二匹かひて。小高き處に。掛け置き |
Z14_0205A06: | たるを。遠目のきかぬ。疎忽なる人々。虎二匹と見て。 |
Z14_0205A07: | 內へ入りたるに。此れが豹でござると云て。見せたれ |
Z14_0205A08: | ば。大ひに驚きて。看版は。虎二匹なるに。何とて。豹 |
Z14_0205A09: | を見するやと。とがむれば。みする人の云く。それは。 |
Z14_0205A10: | 其元の目がきかず。見損じなり。看版は。虎と豹とな |
Z14_0205A11: | り。虎は。世間の人。皮にても。繪にても。多く見るこ |
Z14_0205A12: | となり。豹は。皮も繪も。希れなり。その希れなる豹 |
Z14_0205A13: | を。みするゆへ。豹は。似レ虎圜文なれば。虎と豹との。 |
Z14_0205A14: | 差別を。知らしめんが爲。看版に虎と豹と。二匹かき |
Z14_0205A15: | たりと云が如し。此喩へは。虎は。卽心觀佛なり。豹 |
Z14_0205A16: | は。卽心稱佛なり。依て談義本に。凡そ念佛と云は。根 |
Z14_0205A17: | 本。心に佛を思ふことなり。觀佛なり又。口に南無阿彌陀佛 |
Z14_0205B01: | と唱ふるも。念佛なり。稱名なりまた卽心念佛の根本は。是 |
Z14_0205B02: | 心作佛。是心是佛の經文なりと云り。此文は。心想佛 |
Z14_0205B03: | 時と。あるゆへ。觀佛が根本なり。されども。稱佛に |
Z14_0205B04: | も通ずるゆへ。卽心念佛の根本と云置けり。また我 |
Z14_0205B05: | 心と佛と。相かはらずと思ふて。佛を思ひ。觀佛なり佛の |
Z14_0205B06: | 名を唱ふれば。稱佛なり我れが卽ち阿彌陀如來の如くの。 |
Z14_0205B07: | 結構なる佛になるゆへに。是心作佛と。說かせ玉へり |
Z14_0205B08: | と。如レ此虎と豹とを。談義本の看版に。書きわけたれ |
Z14_0205B09: | ども。目のわるき。疎忽人が。念佛も。觀佛も。たゞ一 |
Z14_0205B10: | つの觀佛と心得て。譯もなきことを。云なり。百計 |
Z14_0205B11: | 思惟し。目擊の下に。了了なるものを。初に標せら |
Z14_0205B12: | れし。くどし。 |
Z14_0205B13: | 彈曰。此は○辨ずべし。段段。下にて可レ辨。 |
Z14_0205B14: | 彈曰。此段は○思はるゝや如何。此下一紙餘。すり |
Z14_0205B15: | 違ひたる答へなり。義理が分れぬゆへか。聞へぬこ |
Z14_0205B16: | となりとも。返答の分にせんと。云ことが。跡より |
Z14_0205B17: | 稱念の猫を畫き加え。虎と豹とを。見そこなふたる |