浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0197A01: | 念の字に改むれば。觀佛と。念佛とが。分るゝゆへな |
Z14_0197A02: | り。かく云ても。得合點せられずば。賢き人に問て見 |
Z14_0197A03: | られよ。さて約心念佛と云ことなしと云て。とがめ |
Z14_0197A04: | らるゝは。此れ亦此方の書たるものを。ろくに見られ |
Z14_0197A05: | ぬなり。筆誤と云次に。卽心とも云。約心とも云こと。 |
Z14_0197A06: | 境觀要門の如しと。書き置けるは。見られざるか。觀 |
Z14_0197A07: | 佛を。約心とも云ひ。卽心とも云ば。念佛も亦約心とも |
Z14_0197A08: | 云れ。卽心とも云るゝなり。名に迷ふて。義に眛き。彼 |
Z14_0197A09: | 人の癖が出るゆへ。疑はるゝなり。名がなしと云ば。 |
Z14_0197A10: | 天台。四明の言に。理持と云名はなきに。何とて理持 |
Z14_0197A11: | を。信仰せらるゝや。其譯。承りたし。さて三年に及 |
Z14_0197A12: | ぶまで。何とも云ずと云るゝは。不正直なる。云分な |
Z14_0197A13: | り。なるほど。三年にはわたれども。其實は。談義本を |
Z14_0197A14: | 書き畢りしは。享保十二年朧月下旬なり。或問を書き |
Z14_0197A15: | 始めしは。十四年正月十三日なり。然れば。實數は一 |
Z14_0197A16: | 年廿二日なり。一年十一箇月餘の。そらざやあり。兎 |
Z14_0197A17: | 角仰山に聞ゆる樣にと云心にて。三年に及ぶと。書れ |
Z14_0197B01: | たり。彼人は。加樣の不律儀なる云分が。甚だ多きな |
Z14_0197B02: | り。三年にても。五年にても。氣の付ぬことは。多きも |
Z14_0197B03: | のなり。それゆへ今に文字など。改むることなり。 |
Z14_0197B04: | 但の字顛倒とは何と妄見せらるるや但の字當の字の |
Z14_0197B05: | 上に在ても。なる程此方の云分に符ふなり。 |
Z14_0197B06: | 箴曰。此亦。此方の書たる處を。合點もせずして。云る |
Z14_0197B07: | ゝことなり。或問に。尤も加樣の言は。當の字の上に。 |
Z14_0197B08: | あることあれども。今彼人の見樣にては。顛倒なり |
Z14_0197B09: | と。云置けり。當の字の上に。但の字なき筈とは。云ぬ |
Z14_0197B10: | なり。但當の。深當の。なともあるゆへに。加樣の言。 |
Z14_0197B11: | 當の字の上にあることありと。云置けり。此れは見ら |
Z14_0197B12: | れざるか。さて今彼人の見樣にては。顛倒なりと云 |
Z14_0197B13: | は。見られざるか。さて又。但の字をよく見られよ。卽 |
Z14_0197B14: | 心の理觀を修せざれども。たゞ口稱念佛と。云るれ |
Z14_0197B15: | ば。たゞの言は。稱の字にかゝるに非ずや。此れに依 |
Z14_0197B16: | て。彼人の見樣にては。顛倒と云なり。兎角。精細なる |
Z14_0197B17: | 議論は。一圓得合點せられぬなり。哀れなることか |