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Z1420 即心念仏弾妄録略箴 霊空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0195A01:  れども。何の挨拶もなし。彼人等の。指し合ひにな
Z14_0195A02:  ることゆへ。だまられたるか。
Z14_0195A03: 一談義本の。前後相違を云立らるゝゆへ。相違に非ず
Z14_0195A04:  と。辨じたり。得合點せられぬか。心服か。閉口。
Z14_0195A05: 一龍女。千代野などを。出したるに就て。左樣の人は。
Z14_0195A06:  すくなしと云るゝ文盲を。難じたる一段。會通な
Z14_0195A07:  し。
Z14_0195A08: 一千代野などが如き。聰明なる人を。見たるやと不審
Z14_0195A09:  せらる。此れを難ずるに就て。西國の法華讀のこと
Z14_0195A10:  を。出したり。返答なし。彼法華讀みに。去秋對面し
Z14_0195A11:  て。法華一卷讀めるを。親しく聽聞したり。文盲な
Z14_0195A12:  る人が。疑ひたれども。疑ひなきことなり。
Z14_0195A13: 一能く敎ゆる人も。まれなりと云るゝゆへ。なるほ
Z14_0195A14:  ど。彼人などは。一向にならずと云一段。會通なし。
Z14_0195A15: 一他宗よより難破せばと。云るゝに就て。それは。先
Z14_0195A16:  づ禪宗にては。あるまじと云事の念佛に。漏る機あ
Z14_0195A17:  り。念佛無間と云。宗旨なりと云難に。きつしりと。
Z14_0195B01:  つまられたりと見ゆるなり。閉口尤も。
Z14_0195B02: 一天台宗は。徧く萬機を利することなるに等と。云る
Z14_0195B03:  ゝゆへ。此れは四明を。難ぜらるべきことなりと
Z14_0195B04:  云。重ねての難。曾て會通なし。
Z14_0195B05: 一先師の卽心念佛に就て。行業記と。作智信女の示し
Z14_0195B06:  とには。聞へぬことを。何かと云るれども。拙衲へ
Z14_0195B07:  の示しには。持名念佛と云言。分明なるゆへ。其の
Z14_0195B08:  方の談義とは。違ふとばかり云れて。違ひたる譯
Z14_0195B09:  は。曾て云れず。墮負閉口分明なり。先師の卽心念
Z14_0195B10:  佛のことを云れば。持名念佛の言の分明なる。拙衲
Z14_0195B11:  への示しを。委細に辨ぜられひでは。かなはぬこと
Z14_0195B12:  なるに。それをば。疎略にせらるゝは。墮負ゆへな
Z14_0195B13:  り。其方の談義本にはと云るゝより下の七行餘は。
Z14_0195B14:  觀佛のことを云て。持名のことは。云れぬなり。す
Z14_0195B15:  り違ふたる答へなれば。答へと云ものにてはなき
Z14_0195B16:  なり。持名念佛にて。一心三觀の難續の智を續く
Z14_0195B17:  は。卽心念佛にてなくて。何ぞや。

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