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Z1420 即心念仏弾妄録略箴 霊空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0194A01:   此方に。兼て筆記しをきたり。時節もあらば。筆
Z14_0194A02:   記をも梓行すべしと云る。正德五年未の歲。二
Z14_0194A03:   千酬を著してより。今年に至て。十六年になるな
Z14_0194A04:   り。それでもまだ。時節を待るゝは。自分にも。能
Z14_0194A05:   く能く不出來妄辨と思るゝと。見へたり。
Z14_0194A06: 一緣影を認る。念佛の功積らば。冥きやみ路に。入る
Z14_0194A07:  べしと云るゝゆへ。先師の物語り。認むるはあし
Z14_0194A08:  ゝ。認ねば。諸佛は依緣影佛事等と云り。肝要
Z14_0194A09:  なることなれども。墮負閉口。
Z14_0194A10: 一大慧の書を引たる。挨拶も曾てなし。兎角肝要なる
Z14_0194A11:  ことは。僉議せぬ人なり。
Z14_0194A12: 一佛敎の大意を能く知らねば。決定せぬと云を。疑は
Z14_0194A13:  るゝゆへ。談義本を出して。此れは見られぬか。得
Z14_0194A14:  合點せられぬか。承りたしと。尋ぬれども。木幡の
Z14_0194A15:  里か。口を得開かれず。
Z14_0194A16: 一敎への大意を能く知ると云は。初めて念佛に趣く
Z14_0194A17:  人を。云なりと云一段。行業記などの挨拶なし。行
Z14_0194B01:  業記は。自分の作なれば。緣者の證據と云るゝは。
Z14_0194B02:  無理なり。行業記は。實錄なり。少しも。妄語するこ
Z14_0194B03:  とにてはなきなり。先師の行業。能く知りたる人。
Z14_0194B04:  今に多くあることなり。
Z14_0194B05:   二百難の中に。行業記の文を出して。立和尙終焉
Z14_0194B06:   の示しに。能所情所取。法界智所照と。云るも。
Z14_0194B07:   亦此意なりと云る。十六年前には。拙衲が著す。
Z14_0194B08:   行業記を。信用して引れたり。年久しきことゆ
Z14_0194B09:   へ。忘却し。難ぜられて。迷惑さに。今は拙衲が作
Z14_0194B10:   なるゆへ。用ひずと云るゝなり。
Z14_0194B11: 一車の兩輪のこと。此度うはさは。少し出たれども。
Z14_0194B12:  此方の難は。得會せられず。墮負明白。
Z14_0194B13: 一彼人は。理持は。能念の心ばかりを觀ずと云。合點
Z14_0194B14:  なり。別行疏や。要解に違すと難ず。閉口。
Z14_0194B15: 一別行疏記の。事未必理。理必具事の文を引て。卽心
Z14_0194B16:  念佛を勤むれば。法然流の事の念佛は。自ら勤めて
Z14_0194B17:  をるなりと云は。心得置かずして。かなはぬことな

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