浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0194A01: | 此方に。兼て筆記しをきたり。時節もあらば。筆 |
Z14_0194A02: | 記をも梓行すべしと云る。正德五年未の歲。二 |
Z14_0194A03: | 千酬を著してより。今年に至て。十六年になるな |
Z14_0194A04: | り。それでもまだ。時節を待るゝは。自分にも。能 |
Z14_0194A05: | く能く不出來妄辨と思るゝと。見へたり。 |
Z14_0194A06: | 一緣影を認る。念佛の功積らば。冥きやみ路に。入る |
Z14_0194A07: | べしと云るゝゆへ。先師の物語り。認むるはあし |
Z14_0194A08: | ゝ。認ねば。諸佛は依二緣影一作二佛事一等と云り。肝要 |
Z14_0194A09: | なることなれども。墮負閉口。 |
Z14_0194A10: | 一大慧の書を引たる。挨拶も曾てなし。兎角肝要なる |
Z14_0194A11: | ことは。僉議せぬ人なり。 |
Z14_0194A12: | 一佛敎の大意を能く知らねば。決定せぬと云を。疑は |
Z14_0194A13: | るゝゆへ。談義本を出して。此れは見られぬか。得 |
Z14_0194A14: | 合點せられぬか。承りたしと。尋ぬれども。木幡の |
Z14_0194A15: | 里か。口を得開かれず。 |
Z14_0194A16: | 一敎への大意を能く知ると云は。初めて念佛に趣く |
Z14_0194A17: | 人を。云なりと云一段。行業記などの挨拶なし。行 |
Z14_0194B01: | 業記は。自分の作なれば。緣者の證據と云るゝは。 |
Z14_0194B02: | 無理なり。行業記は。實錄なり。少しも。妄語するこ |
Z14_0194B03: | とにてはなきなり。先師の行業。能く知りたる人。 |
Z14_0194B04: | 今に多くあることなり。 |
Z14_0194B05: | 二百難の中に。行業記の文を出して。立和尙終焉 |
Z14_0194B06: | の示しに。能所情所レ取。法界智所レ照と。云るも。 |
Z14_0194B07: | 亦此意なりと云る。十六年前には。拙衲が著す。 |
Z14_0194B08: | 行業記を。信用して引れたり。年久しきことゆ |
Z14_0194B09: | へ。忘却し。難ぜられて。迷惑さに。今は拙衲が作 |
Z14_0194B10: | なるゆへ。用ひずと云るゝなり。 |
Z14_0194B11: | 一車の兩輪のこと。此度うはさは。少し出たれども。 |
Z14_0194B12: | 此方の難は。得會せられず。墮負明白。 |
Z14_0194B13: | 一彼人は。理持は。能念の心ばかりを觀ずと云。合點 |
Z14_0194B14: | なり。別行疏や。要解に違すと難ず。閉口。 |
Z14_0194B15: | 一別行疏記の。事未二必理一。理必具レ事の文を引て。卽心 |
Z14_0194B16: | 念佛を勤むれば。法然流の事の念佛は。自ら勤めて |
Z14_0194B17: | をるなりと云は。心得置かずして。かなはぬことな |