浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0189A01: | 心底に。殊の外こまられたるか。閉口。 |
Z14_0189A02: | 一四明の卽心念佛の言。心念。口稱に通ずと難ずる |
Z14_0189A03: | を。此度心念の方ばかり云て。口稱に通ぜぬ譯は。 |
Z14_0189A04: | 曾て云れず。云るゝ方は。相符極成なり。云れぬ方 |
Z14_0189A05: | は。墮負分明。 |
Z14_0189A06: | 一四明の自利の爲の。事持口稱の念佛は。あるまじき |
Z14_0189A07: | ことなりと。難ずるに。はたとつまられたると見へ |
Z14_0189A08: | て。閉口せらる。圓解明らかに開けて。人の行じ難 |
Z14_0189A09: | き。四種三昩を。能く行じ玉ふ四明が。忽ち圓解を |
Z14_0189A10: | 忘却して。自利の爲に。法然流の念佛を。申し玉ふ |
Z14_0189A11: | べきことは。決してなきことなり。 |
Z14_0189A12: | 一四明尊者は。水族飛禽にさへ。卽心三諦の理を。說 |
Z14_0189A13: | きかけ玉ふ。信心ある。萬人の念佛申しに。卽心三 |
Z14_0189A14: | 諦の理を。說き示し玉ふまじき樣は。決してなきこ |
Z14_0189A15: | となりと云難。道理決定せることなる故。一言も會 |
Z14_0189A16: | 通せられず。墮負了了。 |
Z14_0189A17: | 一四明の舊式に仍ると云るれども。よらるゝ所と。勸 |
Z14_0189B01: | めらるゝ所が。大ひにかはれり。疏の文の前書に。 |
Z14_0189B02: | 發菩提心の言兩處にまで。見へたり。法然上人の。 |
Z14_0189B03: | 菩提心。念佛を抑ふと。の玉へると。大ひに違へり |
Z14_0189B04: | と云て。授菩薩戒儀の文を。引き示したり。念佛會 |
Z14_0189B05: | の疏を。會通せらるゝに就ては。此のこと。とりわ |
Z14_0189B06: | け會せられひでは。かなはぬに。うはさばかりを云 |
Z14_0189B07: | て。逃らるゝは。心底の迷惑。墮負了了なり。 |
Z14_0189B08: | 一四明の立二一切行一以二此觀一導二達之一の文を引て。難じ |
Z14_0189B09: | たり。圓人の開解。立行の相にて。至極肝要なるこ |
Z14_0189B10: | となるに。一句も得出されぬは。哀れなることな |
Z14_0189B11: | り。 |
Z14_0189B12: | 一四明。先師の思ひ入れを。合點せられずと云て。難 |
Z14_0189B13: | じたることは。頂門の一針なるゆへ。殊の外迷惑と |
Z14_0189B14: | 見へて。一言も得云れず。 |
Z14_0189B15: | 一四明の勸めの意は。慈雲の放生慈濟門にも。見へた |
Z14_0189B16: | りと云難。口を緘まる。 |
Z14_0189B17: | 一內外境觀の分ちに昩しと。云るゝゆへ。二千酬の。 |