ウィンドウを閉じる

Z1420 即心念仏弾妄録略箴 霊空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0186A01: なり。初心なる佛學者の爲。略して之を云。凡例の
Z14_0186A02: 二字は。左傳序が。根本なり。云。其發凡以言例。皆
Z14_0186A03: 國之常制等とあり。林堯叟が註に云。左傳之中發
Z14_0186A04: 凡言例。如隨公七年。凡諸候同盟。于是稱盟之類。有
Z14_0186A05: 五十條。皆以凡字。發明類例。凡例の二字に。點を
Z14_0186A06: 付れば。凡の例。凡ての例なり。凡は。凡ての辭ばなれ
Z14_0186A07: ば同じことなり。玉篇に。凡非一也とあり。凡の例。
Z14_0186A08: 凡ての例と云は。所すべにも能すべにも。數多あるこ
Z14_0186A09: となり。五十條などゝ云は。能すべの數なり。然れば。
Z14_0186A10: 凡例と云ものは。皆其書にあることを示して。心得置
Z14_0186A11: ねばかなはぬことなり。凡そ加樣なるは。こうしたこ
Z14_0186A12: とと。類例するなり。然るに。此度。三箇條を凡例と云
Z14_0186A13: るゝは。何れも皆。彈妄錄の上になきことを。云たる
Z14_0186A14: ものなり。めづらしき。凡例かな。第二。第三は。勿論。
Z14_0186A15: 錄になきことなり。第一箇條は。錄にあることの樣な
Z14_0186A16: れども。根本の文義を專ら辨ずるを。凡例にすぺき樣
Z14_0186A17: は。なきことなり。知れたることなればなり。此箇條
Z14_0186B01: も。墮負閉口の云紛らかしと云は。今はたゞ。根本を
Z14_0186B02: 辨ずと。云るゝゆへなり。此は。會通せられひでかな
Z14_0186B03: はぬことが。甚多きゆへ。其閉口を。云紛らかさん爲
Z14_0186B04: に。但根本を辨ずと。云るゝなり。其上。錄の中。根本
Z14_0186B05: の四句の外のこと共が。大分これあるに。何とて。た
Z14_0186B06: ゞ根本を辨ずと云るゝや。妄言に非ずや。 第二條
Z14_0186B07: は。枝葉旁義に。及ばずとあれば。此亦錄の中になき
Z14_0186B08: ことなり。何ぞ凡例と云んや。此れ正の墮負閉口の云
Z14_0186B09: 紛らかしなるに非ずや。また見る人之を知るべしと
Z14_0186B10: 云るゝは。錄を見る人と云ことが。此は凡例にして。示
Z14_0186B11: さるゝに及ばぬことなり。錄を見れば。その有無は明
Z14_0186B12: かに知るゝことなるがゆへなり。若し又この箇條を
Z14_0186B13: 見る人と云ことか。それならば。三箇條の中。第二條
Z14_0186B14: に。別して念を入らるゝことは。何ぞや。其上。枝葉
Z14_0186B15: 旁義も。錄の中にあることどもなれば。此亦妄言な
Z14_0186B16: り。第三條は。猶以て墮負閉口の。云紛らかしなり。
Z14_0186B17: 此は。此方より二千酬に數へ立たる。九十餘條の閉口

ウィンドウを閉じる