浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0184A01: | 享保十四年已酉九月下旬。 |
Z14_0184A02: | 箴曰。此は。或人に辨僞を問はせてと云るゝこと。先 |
Z14_0184A03: | づ相違なり。此方は。有人の問ひや。物語どもを。自ら |
Z14_0184A04: | 問ひにして。自ら答へたるなり。曾て問はせはせぬな |
Z14_0184A05: | り。但し假立二賓主一を。或人に問はせてと云ことか。そ |
Z14_0184A06: | れなれば。かきやうがわるきなり。言を加へて然るべ |
Z14_0184A07: | し。忽ち立義を改張しとのこと。をびたゞしき云か |
Z14_0184A08: | けなり。立義と云。張と云は。多くの言語のことと。聞 |
Z14_0184A09: | ゆるなり。左樣のこと。曾て致さず。觀佛の觀の字の |
Z14_0184A10: | 寫語を。念の字に改ためたるばかりなり。但一字のこ |
Z14_0184A11: | となり。 |
Z14_0184A12: | 筆誤なれば。公灼に今改めて。念の字に作ると書 |
Z14_0184A13: | 付て。版行せり。偸かに。改轉するには。非ざるな |
Z14_0184A14: | り。 |
Z14_0184A15: | 何とて立義改張と云るゝや。四明の言を。麤く心得ら |
Z14_0184A16: | れたるか。仰山に云立て。愚人を誑惑する心か。筆誤。 |
Z14_0184A17: | てにはを改たむることは。今に折折これあることな |
Z14_0184B01: | り。立義を改張することは。曾てなきなり。縱事二改 |
Z14_0184B02: | 張一終當レ乖レ理。此二百問の文。誤まれる版點のまゝ |
Z14_0184B03: | に。點つけられたるなり。點を改たむることならぬ。 |
Z14_0184B04: | 彼人なり。加樣の講釋などを。信受する初學こそ。不 |
Z14_0184B05: | 幸のことなれ。先師の點の直しもなく。拙衲が直し置 |
Z14_0184B06: | けるは。見られざるゆへ。誤まれる點を。信仰せられ |
Z14_0184B07: | たり。縱事と讀ては。終當と云二字が。らちが明ぬな |
Z14_0184B08: | り縱事二改張一終當レ乖レ理と。改むれば。縱事の二字よ |
Z14_0184B09: | り。終當と移りて。文義が能くすむなり。初學。能く思 |
Z14_0184B10: | ひ明らめられよ。 |
Z14_0184B11: | 彼人は。初心なことを。云ことがすきなれば。定 |
Z14_0184B12: | めて板點には。事とある。しのてにはを。すと改 |
Z14_0184B13: | ためたりと云るべし。しと云は。下もへかゝる。 |
Z14_0184B14: | てには。すと云は。讀きるてにはなり。何れでも |
Z14_0184B15: | 終當とのうつりがあしきなり。 |
Z14_0184B16: | 麤き學問者は。加樣のことを。むづかしがれども。ち |
Z14_0184B17: | と仕馴るれば。むづかしきことにてはなし。兎角學問 |