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Z1420 即心念仏弾妄録略箴 霊空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0184A01: 享保十四年已酉九月下旬。
Z14_0184A02: 箴曰。此は。或人に辨僞を問はせてと云るゝこと。先
Z14_0184A03: づ相違なり。此方は。有人の問ひや。物語どもを。自ら
Z14_0184A04: 問ひにして。自ら答へたるなり。曾て問はせはせぬな
Z14_0184A05: り。但し假立賓主を。或人に問はせてと云ことか。そ
Z14_0184A06: れなれば。かきやうがわるきなり。言を加へて然るべ
Z14_0184A07: し。忽ち立義を改張しとのこと。をびたゞしき云か
Z14_0184A08: けなり。立義と云。張と云は。多くの言語のことと。聞
Z14_0184A09: ゆるなり。左樣のこと。曾て致さず。觀佛の觀の字の
Z14_0184A10: 寫語を。念の字に改ためたるばかりなり。但一字のこ
Z14_0184A11: となり。
Z14_0184A12:   筆誤なれば。公灼に今改めて。念の字に作ると書
Z14_0184A13:   付て。版行せり。偸かに。改轉するには。非ざるな
Z14_0184A14:   り。
Z14_0184A15: 何とて立義改張と云るゝや。四明の言を。麤く心得ら
Z14_0184A16: れたるか。仰山に云立て。愚人を誑惑する心か。筆誤。
Z14_0184A17: てにはを改たむることは。今に折折これあることな
Z14_0184B01: り。立義を改張することは。曾てなきなり。縱事
Z14_0184B02: 終當理。此二百問の文。誤まれる版點のまゝ
Z14_0184B03: に。點つけられたるなり。點を改たむることならぬ。
Z14_0184B04: 彼人なり。加樣の講釋などを。信受する初學こそ。不
Z14_0184B05: 幸のことなれ。先師の點の直しもなく。拙衲が直し置
Z14_0184B06: けるは。見られざるゆへ。誤まれる點を。信仰せられ
Z14_0184B07: たり。縱事と讀ては。終當と云二字が。らちが明ぬな
Z14_0184B08: り縱事改張終當理と。改むれば。縱事の二字よ
Z14_0184B09: り。終當と移りて。文義が能くすむなり。初學。能く思
Z14_0184B10: ひ明らめられよ。
Z14_0184B11:   彼人は。初心なことを。云ことがすきなれば。定
Z14_0184B12:   めて板點には。事とある。しのてにはを。すと改
Z14_0184B13:   ためたりと云るべし。しと云は。下もへかゝる。
Z14_0184B14:   てには。すと云は。讀きるてにはなり。何れでも
Z14_0184B15:   終當とのうつりがあしきなり。
Z14_0184B16: 麤き學問者は。加樣のことを。むづかしがれども。ち
Z14_0184B17: と仕馴るれば。むづかしきことにてはなし。兎角學問

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