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Z1410 即心念仏弾妄録 性慶 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0179A01: 全文を出すに。妙宗鈔に。禀圓說者。初心卽用佛智
Z14_0179A02: 境。故能信解諸法實相。乃至若離心緣能所等相。名
Z14_0179A03: 實相。介爾有相。卽爲魔事。故別敎已下。至六道
Z14_0179A04: 。皆有能所心緣等相。魔能說之。悉名魔事乃至以
Z14_0179A05: 此覺心。觀於依正。能所卽絕。待對斯忘。妙觀之宗。自
Z14_0179A06: 玆而立といへり。此鈔文をよく見られよ。圓頓の行人
Z14_0179A07: は。初心始行より。諸法實相を信解すれば。三乘の聖
Z14_0179A08: 智に超過し。究竟の佛の智慧を用て。名字の相も。心
Z14_0179A09: 緣の相も。能所言說の相をも。〓と〲く離れて。所
Z14_0179A10: 觀の境を。待對を忘れ。能所を絕して。觀じ照す妙觀
Z14_0179A11: を用るなり。
Z14_0179A12:   復楊文公書に。若し今圓に論ぜば。不離而離。初
Z14_0179A13:   心能離佛之所一レ離。以一心三觀。卽佛智故との玉
Z14_0179A14:   へるも。亦此意なり。初心は爾らず。後心に至て。
Z14_0179A15:   方に離ると云は。權敎の意なり。圓頓は初後不
Z14_0179A16:   二にして。後心の佛智を。初心始行より用るが
Z14_0179A17:   故。用る所の觀智に。能所心緣等の相は。全くな
Z14_0179B01:   きことなり。因て妙宗鈔に。圓人始終能用上品
Z14_0179B02:   寂光理。而爲觀體との玉へり。
Z14_0179B03: もし介爾も。能所心緣。名字等の相あるは。全く佛智
Z14_0179B04: の照す實相には非ず。悉く魔事と名くと示し玉へば。
Z14_0179B05: 今圓人の卽心念佛を云として。三諦の理の明かなら
Z14_0179B06: ず。未だ圓解の開けぬ人の。西方の彌陀を。我心の內
Z14_0179B07: の彌陀なりと。其名相を認て思ふたり。學問せぬ人
Z14_0179B08: の。功を積んでくりかへし。忘れぬ樣に。覺えたりす
Z14_0179B09: ると云は。大に心緣の相もあり。能思所思も。能覺所
Z14_0179B10: 覺も有て。能所絕せず。待對忘れざれば。四明所說の。
Z14_0179B11: 卽心念佛の妙觀には非ず。卽ちこれ魔事を行ずと云
Z14_0179B12: ものなり等といへり。此辨僞に妙宗を引たる一段を。
Z14_0179B13: 熟覽せん人は談義本に思ふたり。覺えたりして。能所
Z14_0179B14: の相もあり。心緣の相もあるは。魔事の卽心念佛にし
Z14_0179B15: て。四明の祖意に違することを。合點なるべし。因て
Z14_0179B16: 今煩重なれども。其全文を出すなり。此妙宗文は。其
Z14_0179B17: 方の大違文にして談義本の妄義。明かに顯はるゝが

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