浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0178A01: | 弘め玉ひしならば。上人の傳論に。無レ有二理持妙觀之 |
Z14_0178A02: | 說一と。其方の書れたるは。明かなる相違に非ずや。但 |
Z14_0178A03: | し卽心念佛を弘るは。妙觀の說にてはなしや如何。上 |
Z14_0178A04: | 人の一代。凡そ示し玉ふは。專ら偏へに。愚士庸人の |
Z14_0178A05: | 爲の。事の稱名念佛にして。終に一言も。理持妙觀の |
Z14_0178A06: | 說なきに。今眞盛派の人。事の稱名念佛を勸めず。反 |
Z14_0178A07: | て心妙觀の。卽心念佛を。專ら弘るならば。正しく逆 |
Z14_0178A08: | 路伽耶陀と云ものならん。此ぞ安樂院の先祖師の。慧 |
Z14_0178A09: | 心の僧都の所行なる。事の稱名念佛を。極樂の順禮や |
Z14_0178A10: | ど位ならでは。えをるまじの。天台宗になりたる甲斐 |
Z14_0178A11: | は。なきなりと云るゝ彼人の類ひなるべし。さて先 |
Z14_0178A12: | 師一生の必要なる。卽心念佛を。得弘められぬとは。 |
Z14_0178A13: | 此方も先師の妙宗鈔の講談を聞き。其後幾度か。妙宗 |
Z14_0178A14: | 鈔を自らも講談して。四明先師の心要なる。眞の卽心 |
Z14_0178A15: | 念佛を弘め。平生も智解ある人には之を勸るに。かく |
Z14_0178A16: | の如く云るゝは。これ何としたる妄言ぞや。後に出さ |
Z14_0178A17: | るゝ所の。先師。作智信女に示すとして。以二具レ佛之 |
Z14_0178B01: | 心一。念二卽レ心之佛一。以二卽レ心之佛一。熏二具レ佛之。心一此謂二卽 |
Z14_0178B02: | 心念佛一等とあるは。其方の談義とは違ふて。最もよ |
Z14_0178B03: | く四明の祖意を。得られたる示しなれば。誰か之を遵 |
Z14_0178B04: | 奉せざらんや。次に引れし。欲レ續二難レ續之智一莫レ如二持 |
Z14_0178B05: | 名念佛一等といへるも。其方の談議とは。大に同じか |
Z14_0178B06: | らず。其方の談義本には。初に四明の卽心念佛と。慥 |
Z14_0178B07: | かに標しながら。四明の如く。佛身を所觀の境とし。 |
Z14_0178B08: | 思を絕し。議を忘るゝ。心妙觀を以て。唯心法界と。性 |
Z14_0178B09: | に稱ふて。絕待に觀ずることは云ず。始終念佛申す申 |
Z14_0178B10: | すといひ。忘れぬ樣に覺えたり。くりかへし思ふたり |
Z14_0178B11: | するを。四明の卽心念佛と云るゝを以て。四明尊者の |
Z14_0178B12: | 心要なる。卽心念佛とは。大に相違するが故。辨僞に |
Z14_0178B13: | 重重辨ぜしことなり。 |
Z14_0178B14: | 菴主曰。妙宗鈔にと云より下の云分。知れたるこ |
Z14_0178B15: | と。二筋ある中の一筋計りを知られたる分なり。前 |
Z14_0178B16: | に段段云しが如し。 |
Z14_0178B17: | 彈曰。此に牒せらるゝ辨僞は。極て略なる程に。今其 |