浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0177A01: | えたり。因て上人の一生。厭離穢土。欣求淨土を說て。 |
Z14_0177A02: | 事の稱名念佛を勤めもし。弘めもし玉へるは。皆これ |
Z14_0177A03: | 夢の吿を謹んで奉行し玉ふが故なり。もし其方の如 |
Z14_0177A04: | く。往生要集は。理觀理持が本意なれば。此集を吿玉 |
Z14_0177A05: | ふからは。上人の自利利他は。卽心念佛決定なりと云 |
Z14_0177A06: | れば。上人の一代。專ら偏へに。卽心念佛〱と。の玉 |
Z14_0177A07: | ふべき筈なるに。傳の中。上人の自行化他終に卽心念 |
Z14_0177A08: | 佛と云ことは。一處もなきは何としたることぞや。但 |
Z14_0177A09: | し夢の吿は。なる程本意なる理觀の卽心念佛なれど |
Z14_0177A10: | も。上人は夢の吿を用ひず。吿に背て。たゞ事の稱名 |
Z14_0177A11: | 念佛にて。自利利他し玉ふと云。證文もあることなり |
Z14_0177A12: | や。 |
Z14_0177A13: | 菴主曰。上に云所の如くなれば。眞盛上人は。傳敎。 |
Z14_0177A14: | 慈覺。慈慧。慧心の御心を能く知て。卽心念佛を。弘 |
Z14_0177A15: | め玉ひしこと決定なるべし。特に慈慧大師は。彼寺 |
Z14_0177A16: | の開山なり。豈彼の大師の心に順ぜざらんや。眞盛 |
Z14_0177A17: | 上人が。眞盛上人でなくは。それは格別のことなり。 |
Z14_0177B01: | 今時の眞盛派の人の。卽心念佛を。得弘めぬは。彼 |
Z14_0177B02: | 人の先師の弟子と思ふて居ながら。先師一生の心 |
Z14_0177B03: | 要たる卽心念佛を。得弘られぬたぐひなるべし。 |
Z14_0177B04: | 彈曰。傳敎。慈覺。慈慧大師の念佛。西方の佛を。唯心 |
Z14_0177B05: | 法界と觀ずる所の。卽心念佛なりと云こと。上に云る |
Z14_0177B06: | ゝ所にては。曾て分明ならぬことなり。縱ひ諸大師各 |
Z14_0177B07: | 々卽心念佛なるにもせよ。眞盛上人の自行化他は。其 |
Z14_0177B08: | 卽心念佛には非ず。我たゞ稱名念佛を行ずと。明かに |
Z14_0177B09: | 直說し玉ふ。慧心の僧都の御心をよく知て。たゞ事の |
Z14_0177B10: | 稱名念佛を弘め玉ふこと傳の文昭昭たり。而るを今。 |
Z14_0177B11: | 眞盛上人は。卽心念佛を弘め玉ひしこと。決定なるべ |
Z14_0177B12: | しと云るゝは。全く傳記に見えぬ。あて推の妄言な |
Z14_0177B13: | り。もし妄言にてなくば。上人の盛んに念佛を弘め玉 |
Z14_0177B14: | ふ。江勢越賀の間。何れの處にて。卽心念佛を。弘め玉 |
Z14_0177B15: | ひたるや。其弘め玉ひたる處處を。分明に承りたし。 |
Z14_0177B16: | 本よりあて推の妄言なれば。其處を出すことは。決定 |
Z14_0177B17: | してなるまじきなり。又其樣に決定して。卽心念佛を |