浄土宗全書を検索する
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| 巻＿頁段行 | 本文 |
|---|---|
| Z14_0176A01: | 台宗の正意と云ことを。人が知る故。從來のことが面 |
| Z14_0176A02: | 目なさに。妄說妄難を云述べらる等と云れたり。此も |
| Z14_0176A03: | 亦是ならず。理觀の卽心念佛が。天台宗の正意と云こ |
| Z14_0176A04: | とは。云に及ばぬこと。誰か之を知らざらんや。此方 |
| Z14_0176A05: | にもよく合點のことなり。從來も辨僞にも。卽心念佛 |
| Z14_0176A06: | が。天台宗の正意に非ずと。云たることは終になし。 |
| Z14_0176A07: | 此方は。從來妙宗鈔をも。節節講じて。眞の卽心念佛 |
| Z14_0176A08: | を弘め。平生も智解ある人には。圓解妙觀を勸め。又 |
| Z14_0176A09: | 無智の尼入道には。兼て事の稱名念佛をも勸むるこ |
| Z14_0176A10: | となるに。もし天台宗は。必ず理觀の一道に限て。事 |
| Z14_0176A11: | の稱名念佛は。堅く勸めぬ筈。弘めぬことに決定せ |
| Z14_0176A12: | ば。其時は面目なく思ふことあるべけれども。卽心念 |
| Z14_0176A13: | 佛が。天台宗の正意と云ことを。人が知るとて。面目 |
| Z14_0176A14: | なく思ふべきことは。なきことなるが故。佛祖の照覽 |
| Z14_0176A15: | し玉ふ所。此方面目なく思ひしことは。少しもなし。 |
| Z14_0176A16: | それを。從來のこと。面目なさにと云るゝは。此も明 |
| Z14_0176A17: | かなるあて推量の妄言なり。談義本には。四明は理觀 |
| Z14_0176B01: | の一道。天台は卽心念佛を專らにすと。慥かに云れし |
| Z14_0176B02: | に。辨僞に。天台宗祖の十疑論。明かに事相本願の念 |
| Z14_0176B03: | 佛を勸め玉ひ。四明の淨社も。慈雲の方法も。慧心の |
| Z14_0176B04: | 先德等も。各々事の念佛をも。勒め玉ふこと分明なる |
| Z14_0176B05: | 證據を。出したることなれば。反て其方の面目なさ |
| Z14_0176B06: | に。妄言妄義を云述べらるゝが故。面目なさとは。此 |
| Z14_0176B07: | も其方の身の上のことなりと省みられよ。今の用に |
| Z14_0176B08: | もなき。正意穿鑿をして。紛らかさるゝことなかれ。 |
| Z14_0176B09: | さて上人の勤め。卽心念佛なること。決定なるべしと |
| Z14_0176B10: | は。亦これ其方のあて推にして。かの傳の中には。全 |
| Z14_0176B11: | く見えぬことなり。尤往生要集に。理觀理持を明し玉 |
| Z14_0176B12: | へども。慧心の僧都は。事の稱名念佛を行ずとの玉へ |
| Z14_0176B13: | り。今の上人も亦然り。夢の吿に。往生要集を以て。自 |
| Z14_0176B14: | 利利他すべしとあるは。彼集には。六道の生死の。厭 |
| Z14_0176B15: | はしき相。淨土の十樂の。欣ばしきことを明し。事の |
| Z14_0176B16: | 稱名念佛を。具さに示し玉へば。此等の法を以て。自 |
| Z14_0176B17: | 利利他すべしと云意にて。往生要集を示し玉ふと見 |