浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0172A01: | りと云れんや。此返答。紛らかさず。分明に承りたし。 |
Z14_0172A02: | 觀經の理觀や。理持の稱名は。淨土宗と。大に異なれ |
Z14_0172A03: | ども。事相本願の佛名を稱念して。極樂國土に。往生 |
Z14_0172A04: | すと云ことは。もと阿彌陀經。無量壽經の佛說にし |
Z14_0172A05: | て。自他宗共に。此一つの佛說によるが故。天台流も。 |
Z14_0172A06: | 法然流も同じことなり。其方の台宗綱要にも。事持と |
Z14_0172A07: | 云は。餘念を起さず。心を彌陀の名號にかけて。南無 |
Z14_0172A08: | 阿彌陀佛と唱るなり。此邊は。善導法然の勸めと。か |
Z14_0172A09: | はることなしといひ。此度も。彌陀の本願ゆへ。念佛 |
Z14_0172A10: | すれば必ず往生すと云事の邊は。淨土家と相替らず |
Z14_0172A11: | と。度度初學の爲に談ぜしことなりと云れずや。已に |
Z14_0172A12: | 事の稱名の邊は。天台と淨土家と。相替らぬことなら |
Z14_0172A13: | ば。此方のは。天台流と云るべき筈なるに。天台海と |
Z14_0172A14: | は。一言も云ず。たゞ法然流〱と。重重云るゝは。そ |
Z14_0172A15: | こ意地のよからぬ云分なり。此方には。たゞ事の念佛 |
Z14_0172A16: | 計りに非ず。從來幾度か。法華をも講演して。天台の |
Z14_0172A17: | 敎觀。開顯の圓解を。普く雲集の大衆に勸め。幾度か |
Z14_0172B01: | 妙宗鈔をも講談して。四明の卽心念佛を弘通し。智解 |
Z14_0172B02: | ある人には。心妙觀を勸るに。か樣のことは一言も云 |
Z14_0172B03: | ず。四明の意に昩くして。事の念佛計りを弘ると云る |
Z14_0172B04: | ゝは。明かなる妄言なり。かゝる妄言を云かけて。人 |
Z14_0172B05: | を無理に惡くいひ落す樣にせらるゝ。從來のくせが。 |
Z14_0172B06: | 年よられても。今に直らぬは。殘念なることなり。 |
Z14_0172B07: | 次に引れし天台荆溪の文は。文を見ること。甚だ麤き |
Z14_0172B08: | が故。其方の大違文なることを。知ずして引れたり。 |
Z14_0172B09: | 天台大師。敷二八敎綱一。亘二法界海一。懼二其有一レ漏との玉ふ |
Z14_0172B10: | は。八敎の網を張て。法界の衆生を。一人も漏さず。漉 |
Z14_0172B11: | ひ取る御心にて。懼二其有一レ漏とあるに。其方には。圓敎 |
Z14_0172B12: | の中の。事の稱名念佛の網は張ず。もれても少しもか |
Z14_0172B13: | まはぬと云るゝは。天台の文に。顯然として違背すれ |
Z14_0172B14: | ば。我持たる刄にて。我身を害する樣な引證。其方の |
Z14_0172B15: | 云るゝ。視而不レ見可レ憐なり。又荆溪大師。張二佛敎網一。 |
Z14_0172B16: | 亘二法界海一。漉二天人魚一。置二𣵀槃岸一との玉ふは。事の念 |
Z14_0172B17: | 佛も。亦佛說なれば。これ佛敎の網なり。此佛敎の網 |