浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
Z14_0171A01: | 智の尼入道の漏るるは。少しもかまはぬならば。親の |
Z14_0171A02: | 心も。病なく。達者にて。福分ある子は。親の資けとな |
Z14_0171A03: | れば。之を偏へに寵愛し。病もあり。目も見えず。足も |
Z14_0171A04: | 立ぬ子は。少しも資けとなることなく。反て親の厄害 |
Z14_0171A05: | になるが故。死なば死にしだい。いなばいにしだいに |
Z14_0171A06: | して。少しもかまはぬと云れんや。さて〱無慈悲な |
Z14_0171A07: | る心入なり。親の慈悲かくの如くなれば。況や佛はな |
Z14_0171A08: | を然り。因て𣵀槃經に。譬如下一人而有二七子一。是七子 |
Z14_0171A09: | 中。一子遇レ病。父母之心。非レ不二平等一。然於二病子一。心則 |
Z14_0171A10: | 偏重上。如來亦爾。於二諸衆生一。非レ不二平等一。然於二罪者一。心 |
Z14_0171A11: | 則偏重。於二放逸者一。則生二慈心一。不放逸者。心則放捨と |
Z14_0171A12: | 宣玉へり。尼入道の愚癡無智なるは。過現の罪業重く |
Z14_0171A13: | して。煩惱の病もあり。智慧の日も開けず。修行の足 |
Z14_0171A14: | も立ず。法財に貧しき者なれば。佛弟子たらん人は。及 |
Z14_0171A15: | ばずながら。分に隨て。佛の慈悲心を學んで。此等の |
Z14_0171A16: | 衆生をも。捨ず漏さず勸化して。網引の心とは。異な |
Z14_0171A17: | るべきものなり。次に彼人の念佛會の勸めは。談義 |
Z14_0171B01: | ぼう賣の樣なることなりとは。大に尤ならず。天台の |
Z14_0171B02: | 十疑論には。十方恒沙の諸佛まで。舌相を舒て。證成 |
Z14_0171B03: | し玉ふとて勸め玉ひ。四明尊者は。俗男俗女まで。一 |
Z14_0171B04: | 萬人を結して勸め玉ふ。本願の念佛なるが故。今も亦 |
Z14_0171B05: | 祖訓に順じて尼入道をも簡ばず。數千人を會して。稱 |
Z14_0171B06: | 名せさせ。極樂國土に。往生せしむる念佛會なれば。 |
Z14_0171B07: | 之を聞れたらば。隨喜讃歎せられても。過にはなるま |
Z14_0171B08: | じきことなるに。重重法然流の念佛を勸ると云て。他 |
Z14_0171B09: | 宗のことを勸る樣にいひなして嘲り。此段にては。彼 |
Z14_0171B10: | 人の念佛會の勸めは。談義ぼう賣の樣なることと貶 |
Z14_0171B11: | せらるゝは。さても〱あるまじき云分。尤ならぬ心 |
Z14_0171B12: | 入なり。もし事相の念佛を勸るが。談義ぼう賣なら |
Z14_0171B13: | ば。天台の十疑論。四明の淨社。慈雲の方法も。竝に皆 |
Z14_0171B14: | 談義ぼう賣りなるや。又此等の宗祖も。悉く法然流の |
Z14_0171B15: | 勸めなりと云れんや否や。吾宗の祖師のみに非ず。本 |
Z14_0171B16: | 師釋尊の。阿彌陀經や。無量壽經を說せ玉ふも。卽心 |
Z14_0171B17: | の旨を明さぬ經說なれば。釋尊もまた談義ぼう賣な |