浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0168A01: | り。理觀を明す場ならば。事の念佛を修するが。卽ち |
Z14_0168A02: | 卽心念佛になるなりと云べけれども。今の十疑論は。 |
Z14_0168A03: | たゞ事の方の稱名念佛を。述べ玉ふばかりにて。此を |
Z14_0168A04: | 卽ち卽心念佛になせども。唯心三諦と觀念せよとも |
Z14_0168A05: | なきこと。論文天日の明かなるが如し。もし此方を卽 |
Z14_0168A06: | ち卽心念佛になると云ねば。心を得ぬ學問なりと嘲 |
Z14_0168A07: | られば。所引の十疑論にも。圓人が修ずれば。卽ち卽心 |
Z14_0168A08: | 念佛になると云ことは。一言もの玉はぬ程に。宗祖天 |
Z14_0168A09: | 台も。亦心を得ぬ學問なりと云れんや不審なり。明か |
Z14_0168A10: | に論文の心に違ふたる。妄料簡を構へながら。彼人は |
Z14_0168A11: | 心を得ぬ學問なりと云るゝは。うらはらなること。此 |
Z14_0168A12: | 云分も。亦其方の身の上のことなりと省みられよ。 |
Z14_0168A13: | 次に彼論の第二。諸法無生の疑ひの答へは。談義本の |
Z14_0168A14: | 往生無生の心に非ずや。能く十疑論の心に契ひたる |
Z14_0168A15: | に。其心を述たる談義本を破さるゝは。佛の敎へに背 |
Z14_0168A16: | く等とは。此は筋の違ふたること。亦これ例の云かけ |
Z14_0168A17: | なり。談義本の第四座に。往生無生なることを談ぜら |
Z14_0168B01: | るゝを。辨僞の中に破したることは。始終一言もな |
Z14_0168B02: | し。而るを今往生無生の心。能く十疑論に契ひたる |
Z14_0168B03: | に。其心を述たる談義本を破するは。佛の敎へに背く |
Z14_0168B04: | と云るゝは。分明なる妄語。云かけならずや。辨僞を |
Z14_0168B05: | よく見たる人は。さても云かけが。御すきと。大に笑 |
Z14_0168B06: | ふべきなり。又辨僞には。彼論の第四の疑の下の文を |
Z14_0168B07: | 引て破したるに。今彼論の第二の疑の下に據て答へ |
Z14_0168B08: | らるゝは。豈筋の大に違ふたることに非ずや。これ亦 |
Z14_0168B09: | 漫指二餘義一。遮二掩過非一。山外風を學ばるゝなり。 |
Z14_0168B10: | 菴主曰。嗚呼天台の宗敎盛に富るかな。淨土之敎。 |
Z14_0168B11: | 至二于天台一。其說大備と。古人の稱歎せるは。正しく |
Z14_0168B12: | 此が爲なり。此れ亦自在坊風のこと。官僧の小僧 |
Z14_0168B13: | 衆の。論議法門風のことなり。淨土指歸を書き出し |
Z14_0168B14: | て。見せたらば。心𤍠し面赤かるべし。彼書に云。歷 |
Z14_0168B15: | 代諸師著二述淨土傳一。記二淨業一之文。無レ非二祖聖遺誥一。 |
Z14_0168B16: | 淺深工拙。片言隻字。同歸二於善一。天台智者大師。悟二 |
Z14_0168B17: | 法華三昩一。說二己心所行一。曰二一心三觀一直示二一心一。當 |