浄土宗全書を検索する
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| 巻＿頁段行 | 本文 |
|---|---|
| Z14_0166A01: | 所の行願二門に。問。如二上所レ明妙理圓極一。爲下世人盡 |
| Z14_0166A02: | 須二觀行一。然始生上耶。答。不レ然也といへる問答にても。 |
| Z14_0166A03: | 慈雲の心は。理觀事相の二途を立て。皆盡く妙理圓極 |
| Z14_0166A04: | の理觀の一道のみを修するに非ず。もし其方の如く |
| Z14_0166A05: | 理觀の一道を專らとせば。答ふ然りとなくては。叶は |
| Z14_0166A06: | ぬことなるに。不レ然と答へ玉ふは。理觀の一道を專ら |
| Z14_0166A07: | とせず。事相の稱名念佛をも。用ひ玉ふこと明かにし |
| Z14_0166A08: | て。かの念佛方法と。よく符合せり。次に慈雲の心 |
| Z14_0166A09: | は。事の念佛が本意にてはなしとは。此は此方にもよ |
| Z14_0166A10: | く合點のことなるに。又紛らかしの本意穿鑿をせら |
| Z14_0166A11: | る。此は相符極成の過にてはなしや。次に慈雲の心 |
| Z14_0166A12: | よりは。事の念佛が。卽ち理の念佛になるなりとは。 |
| Z14_0166A13: | 此は場の違ふたることなり。慈雲師の理觀を修し玉 |
| Z14_0166A14: | ふ時。事の念佛を。唯心法界。卽空假中と。觀念し玉は |
| Z14_0166A15: | ゞ。なる程事が卽ち理の念佛になるべし。然れども今 |
| Z14_0166A16: | 示二念佛方法一玉ふ。慈雲の心は全く理觀を用ひず。た |
| Z14_0166A17: | ゞ事の稱名念佛。たゞの高聲念佛なること。文義明白 |
| Z14_0166B01: | なり。此方は此明白なる方法に依て。理觀の一道に限 |
| Z14_0166B02: | らず。たゞ事の稱名をも。勸め玉ふと云ことなり。左 |
| Z14_0166B03: | 樣に理觀を修することに取付て。餘所ことは云ず。 |
| Z14_0166B04: | 次に四明慈雲。念佛とさへの玉へば。事の念佛のこと |
| Z14_0166B05: | と計り思はる。あさましき見解なりとは。此れ例の無 |
| Z14_0166B06: | 理なる云かけなり。此方念佛とさへの玉へば。事の念 |
| Z14_0166B07: | 佛のことと計り。思ふたることも。云たることも曾て |
| Z14_0166B08: | なし。從來四明慈雲の妙宗等に。念佛との玉ふは。全 |
| Z14_0166B09: | く稱名念佛には非ず。これ圓妙の理觀なる。觀念の念 |
| Z14_0166B10: | 佛なり。淨社や。方法に。勸め玉ふは。事相の稱名念佛 |
| Z14_0166B11: | なりと。二途を分て。重重云たること。辨僞の中明白 |
| Z14_0166B12: | なるに。其明白に云たる趣きは。をしかくして云ず。 |
| Z14_0166B13: | 四明慈雲。念佛とさへの玉へば。事の念佛のことと計 |
| Z14_0166B14: | り思はる。あさましき見解なりと云るゝは。止訛に見 |
| Z14_0166B15: | 立し。云かけが御すきとある持病が。今に平癒せずし |
| Z14_0166B16: | て。いかに墮負するが。悲しきとて。極樂往生の法門 |
| Z14_0166B17: | を議論するにも。かく無理なる云かけ。妄言せらるゝ |