浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0165A01: | 云。其方の立義。明かに墮負したり。慈雲の示し。事の |
Z14_0165A02: | 念佛に非ずとは。え云ず。今の所論にてもなき。本意 |
Z14_0165A03: | 穿鑿をして。紛らかさるゝは。豈聞えぬことならず |
Z14_0165A04: | や。 |
Z14_0165A05: | 庵主曰。又慈雲の心からは。事の念佛の方法が。卽ち |
Z14_0165A06: | 眞に卽心念佛の方法になるなり。かくの如く云は。 |
Z14_0165A07: | 私の料簡に非。行願二門の中に明に見へたり。上 |
Z14_0165A08: | に一心法界。心具心造の圓理を談じて。下に如レ此則 |
Z14_0165A09: | 方了。廻セドモ二神億刹一。實生二乎自己心中一。孕二質九蓮一。豈 |
Z14_0165A10: | 逃二乎刹那際內一○との玉へり。卽心念佛の心分明な |
Z14_0165A11: | り。然に下に至て。問。如二上所レ明。妙理圓極一。爲下世 |
Z14_0165A12: | 人盡須二觀行一然始生上耶。答。此不レ然也○慈雲の心 |
Z14_0165A13: | は。事の念佛が本意にてはなし。又慈雲の心より |
Z14_0165A14: | は。事の念佛が。卽ち理の念佛になるなり。加樣の |
Z14_0165A15: | 譯。彼人は曾て知られず。四明。慈雲。念佛とさへの |
Z14_0165A16: | 玉へば。事の念佛のことと計り思る。あさましき見 |
Z14_0165A17: | 解なり。 |
Z14_0165B01: | 彈曰。慈雲の心からは。事の念佛の方法が。卽ち直に |
Z14_0165B02: | 卽心念佛になるなりとは。これ其方の私の料簡にし |
Z14_0165B03: | て。慈雲の心より。自ら著はして。示し玉ふ方法の中 |
Z14_0165B04: | には。左樣のこと一言も見えず。かの方法は。た※事 |
Z14_0165B05: | の稱名念佛にして。高聲念佛。せめ念佛までを。勸 |
Z14_0165B06: | め玉へども。此を卽ち直に卽心念佛になせども。一心 |
Z14_0165B07: | 法界と觀念せよとも。の玉ふことは。終になきなり。 |
Z14_0165B08: | 次に行願二門を引證して。卽心念佛の心分明なりと |
Z14_0165B09: | は。此も亦漫指二餘義一。山外風なり。行願二門の文に。 |
Z14_0165B10: | 卽心念佛の心が分明なれば。何として。示二念佛方法一 |
Z14_0165B11: | 文が。卽心念佛の心になるや。從來云が如く。天台に |
Z14_0165B12: | は。理觀事相の二途あるが故。行願二門には。圓理を |
Z14_0165B13: | 明し。念佛方法は。事相の稱名を明して。其明す所。各 |
Z14_0165B14: | 異なるに。慈雲の行願二門に。圓理を明すが故に。此 |
Z14_0165B15: | 慈雲の念佛方法も。卽心念佛なりと云るゝは。目を以 |
Z14_0165B16: | て耳とし。我目にてよく物を見るが故。我耳にてもよ |
Z14_0165B17: | く物を見るべしと云樣なることなり。 次に引るゝ |