浄土宗全書を検索する
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| 巻＿頁段行 | 本文 |
|---|---|
| Z14_0162A01: | に。觀佛にも事理あり。稱名にも事理あれば。何とて |
| Z14_0162A02: | 此談義本の觀の字は。筆誤にして。念の字なることが |
| Z14_0162A03: | 知るや。紛らかしたる云分。不審なり。亦約心觀佛と |
| Z14_0162A04: | も云とある觀の字は。卽心念佛の念の字。專ら觀念に |
| Z14_0162A05: | して。稱念にあらぬと云。此方の的據。其方の違文に |
| Z14_0162A06: | して。辨僞に詰難する所の眼字なれば。此觀の字の有 |
| Z14_0162A07: | ん限りは。念佛申すと云るゝ。稱念の猫を。畫き加る |
| Z14_0162A08: | ことならずして。其方の墮負に極るが故。術なさの餘 |
| Z14_0162A09: | りに。人目をもかへり見ず。別して眼なる觀の字を。 |
| Z14_0162A10: | 念の字に作りかへ。念の字は觀稱に通ずるが故にと |
| Z14_0162A11: | 云て。俄かに稱念の猫を畫き加え。談義本は。其中の |
| Z14_0162A12: | 稱念の方を勸ると。。妄料簡を巧み出さるゝは。庵主の |
| Z14_0162A13: | 肺肝の。よく見ゆる所にして。墮負せられしこと。此 |
| Z14_0162A14: | 筆誤の段にて。別してよく顯るれば。初學心を留て審 |
| Z14_0162A15: | かに見るべし。次に卽心念佛は。唯心法界を知て。 |
| Z14_0162A16: | 念佛申すを。卽心念佛と云なりと云すがたを。具に記 |
| Z14_0162A17: | せり等とは。なる程左樣の義を。記してあれども。此 |
| Z14_0162B01: | 云分が不埓なることなる故。此方より難ずるなり。四 |
| Z14_0162B02: | 明の卽心念佛は。先に唯心法界の妙解を開き。淨土も |
| Z14_0162B03: | 彌陀も。我心なりと知て。而して後に。佛の相好を所 |
| Z14_0162B04: | 觀の境とし。心妙觀を以て。念念に觀ずること。妙宗 |
| Z14_0162B05: | 鈔に明す所の如し。而るに談義本に。知て我心なりと |
| Z14_0162B06: | 知てとある知るとは。且く妙解の分齊なり。知解の後 |
| Z14_0162B07: | の行を。佛の相好を。所觀の境とすとも。心妙觀を以て |
| Z14_0162B08: | 觀ずとも。一心三觀にて觀念すとも。曾て云ず。たゞ念 |
| Z14_0162B09: | 佛申すとばかり記されしは。大に四明に背くが故。全 |
| Z14_0162B10: | く受取ぬことなり。開解定境用觀は。觀道の綱格なる |
| Z14_0162B11: | が。開解の知ることばかりを云て知て後の用觀の。觀 |
| Z14_0162B12: | 念することを云ず。たゞ念佛申すとばかり云を。何と |
| Z14_0162B13: | て四明の卽心念佛と云べきや。次下に云るゝことを。 |
| Z14_0162B14: | 此方に。かまはぬには非ず。故に此事は。辨僞の四葉。 |
| Z14_0162B15: | 廿五葉の左。卅二葉に。委く辨じたり。之を見られざ |
| Z14_0162B16: | るや否や。次下に云るゝことを。かまはぬには非る |
| Z14_0162B17: | を。百題自在坊風と。無理に嘲けらるゝは。明かなる |