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Z1410 即心念仏弾妄録 性慶 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0160A01: 心念佛と云ことは。此方には曾て云ず。誰の立義なる
Z14_0160A02: やと。餘所ごとの樣に。とぼけて妄言せらるゝは。辨
Z14_0160A03: 僞に於て。四明何れの處にか。南無阿彌陀佛と念佛申
Z14_0160A04: すを。約心觀佛。卽心念佛なりと。示し玉ふ文あるや
Z14_0160A05: と。急切に詰問したる所の。明文を出すこと。決して
Z14_0160A06: ならぬが故。かくとぼけたる妄言をせらるゝものと
Z14_0160A07: えたり。
Z14_0160A08:  庵主曰。談義本に。亦約心念佛。
Z14_0160A09:   念佛の念の字。談義本に。觀とあるは筆誤なり。
Z14_0160A10:   今改て念の字に作。卽心とも云。約心とも云こと
Z14_0160A11:   は。境觀要門の如し。觀の字。筆誤なることは。旁
Z14_0160A12:   觀記。台宗綱要にて。知るることなり。彼の兩書
Z14_0160A13:   に。觀佛にも。事理あり。稱名にも。事理あること
Z14_0160A14:   を記し置ばなり。
Z14_0160A15:  とも云。亦理持とも云なりと擧て置て。やがてつゞ
Z14_0160A16:  ひて。卽心念佛は。唯心法界を知て。念佛申を。卽心
Z14_0160A17:  念佛と云なりと云すがたを。具さに記せり。然に次
Z14_0160B01:  下に云ることをば。かまわず。上に標し擧たる分計
Z14_0160B02:  りを取て。難ぜらるゝは。百題自在防風の難なり。
Z14_0160B03:  可笑可憐。
Z14_0160B04: 彈曰。此段の初に。約心念佛と云て。分注せらるゝは。
Z14_0160B05: さて〱驚き入たる云分。轉計にてもあり。墮負にて
Z14_0160B06: も。妄言にてもあり。實に無慚愧の至なり。か樣に無
Z14_0160B07: 慚愧なる云分の出るは。もと談義本に。卽心念佛を。
Z14_0160B08: 亦約心觀佛とも云と談じ。而して約心觀佛と。全く同
Z14_0160B09: じき四明の卽心念佛を。初に標し出しながら。四明の
Z14_0160B10: 如くに。佛の相好を。唯心法界と觀念することは。一
Z14_0160B11: 言も云ず。たゞ口にて。念佛申すことのみを。始終云
Z14_0160B12: るゝが故。四明の卽心念佛と。初に標し出されしと
Z14_0160B13: は。大に相違すと。辨僞に重重詰難したるを見て。談
Z14_0160B14: 義本の本宗。忽ち墮負するが故。千想萬思せらるれど
Z14_0160B15: も。已に卽心念佛を。亦約心觀佛とも云と。慥かに云
Z14_0160B16: れたることなれば。今さら約心觀佛とは違ふて。觀念
Z14_0160B17: することに非ずとは云れず。約心觀佛と同じと極め

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