浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0160A01: | 心念佛と云ことは。此方には曾て云ず。誰の立義なる |
Z14_0160A02: | やと。餘所ごとの樣に。とぼけて妄言せらるゝは。辨 |
Z14_0160A03: | 僞に於て。四明何れの處にか。南無阿彌陀佛と念佛申 |
Z14_0160A04: | すを。約心觀佛。卽心念佛なりと。示し玉ふ文あるや |
Z14_0160A05: | と。急切に詰問したる所の。明文を出すこと。決して |
Z14_0160A06: | ならぬが故。かくとぼけたる妄言をせらるゝものと |
Z14_0160A07: | えたり。 |
Z14_0160A08: | 庵主曰。談義本に。亦約心念佛。 |
Z14_0160A09: | 念佛の念の字。談義本に。觀とあるは筆誤なり。 |
Z14_0160A10: | 今改て念の字に作。卽心とも云。約心とも云こと |
Z14_0160A11: | は。境觀要門の如し。觀の字。筆誤なることは。旁 |
Z14_0160A12: | 觀記。台宗綱要にて。知るることなり。彼の兩書 |
Z14_0160A13: | に。觀佛にも。事理あり。稱名にも。事理あること |
Z14_0160A14: | を記し置ばなり。 |
Z14_0160A15: | とも云。亦理持とも云なりと擧て置て。やがてつゞ |
Z14_0160A16: | ひて。卽心念佛は。唯心法界を知て。念佛申を。卽心 |
Z14_0160A17: | 念佛と云なりと云すがたを。具さに記せり。然に次 |
Z14_0160B01: | 下に云ることをば。かまわず。上に標し擧たる分計 |
Z14_0160B02: | りを取て。難ぜらるゝは。百題自在防風の難なり。 |
Z14_0160B03: | 可レ笑可レ憐。 |
Z14_0160B04: | 彈曰。此段の初に。約心念佛と云て。分注せらるゝは。 |
Z14_0160B05: | さて〱驚き入たる云分。轉計にてもあり。墮負にて |
Z14_0160B06: | も。妄言にてもあり。實に無慚愧の至なり。か樣に無 |
Z14_0160B07: | 慚愧なる云分の出るは。もと談義本に。卽心念佛を。 |
Z14_0160B08: | 亦約心觀佛とも云と談じ。而して約心觀佛と。全く同 |
Z14_0160B09: | じき四明の卽心念佛を。初に標し出しながら。四明の |
Z14_0160B10: | 如くに。佛の相好を。唯心法界と觀念することは。一 |
Z14_0160B11: | 言も云ず。たゞ口にて。念佛申すことのみを。始終云 |
Z14_0160B12: | るゝが故。四明の卽心念佛と。初に標し出されしと |
Z14_0160B13: | は。大に相違すと。辨僞に重重詰難したるを見て。談 |
Z14_0160B14: | 義本の本宗。忽ち墮負するが故。千想萬思せらるれど |
Z14_0160B15: | も。已に卽心念佛を。亦約心觀佛とも云と。慥かに云 |
Z14_0160B16: | れたることなれば。今さら約心觀佛とは違ふて。觀念 |
Z14_0160B17: | することに非ずとは云れず。約心觀佛と同じと極め |