浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
Z14_0158A01: | く他人の方を。妄りに惡くいひかけて自分の上を。少 |
Z14_0158A02: | しも省みることのならぬ人なり。 さて數年の往復 |
Z14_0158A03: | に。境觀要門を。自分の證據に引れたることなし等と |
Z14_0158A04: | は。此は明かなる妄語なり。境觀要門は。先和尙も尊 |
Z14_0158A05: | 信せられし書にして。其說正しければ。此方處處に引 |
Z14_0158A06: | 證したり。今それを示さば。辨內外辨下九に。虎溪の |
Z14_0158A07: | 境觀要門には。定レ境屬レ外。境便是レ心不レ須二攝レ佛歸一レ心。 |
Z14_0158A08: | 方名二約心觀佛一と。釋せられたりと云て。なる程自分 |
Z14_0158A09: | の證據に引たり。何ぞ數年の往復に自分の證據に引 |
Z14_0158A10: | たることなしと妄語して。初學を誑らかさるゝや。但 |
Z14_0158A11: | し辨內外辨は。往復書に非るや。但し彼辨を終に見ら |
Z14_0158A12: | れたることはなしや。又其方には。從來境觀要門に。 |
Z14_0158A13: | 紕繆ありと云るゝが故。內外拾遺の第五廿七に。境觀 |
Z14_0158A14: | 要門を引證して。紕繆なるには非ずと辨じて。此方の |
Z14_0158A15: | 義を成立したるを。亦見られざるや。彼に彈をせらる |
Z14_0158A16: | ゝからは。見るはよく見られたれども。此度は墮負を |
Z14_0158A17: | 救んとて。かく云るゝか。又二百難下四にも。今境觀 |
Z14_0158B01: | 要門の全文を出さばと云て。其文を引き。此方の證據 |
Z14_0158B02: | としたり。かくの如く往復書に。節節引て證據として |
Z14_0158B03: | これあるに。曾てなしと云るゝは。正しくこれ妄語な |
Z14_0158B04: | り。次に彼人の立義は。約心觀佛は一途の內觀。內 |
Z14_0158B05: | 觀と云は。妙境妙觀なりと云る。境觀要門に。心佛の |
Z14_0158B06: | 二字は。妄境なりと云に。灼然として相違す等とは。 |
Z14_0158B07: | 此大に然らず。此方約心觀佛を。一途の內觀と云こと |
Z14_0158B08: | は。辨辨等に委く辨ずるが如く。妙宗十義書等の祖敎 |
Z14_0158B09: | に順ずるが故なり。此を常途の外觀と云るゝ。其方の |
Z14_0158B10: | 立義は。不二門等の諸文に達することなれば。往復書 |
Z14_0158B11: | をよく見たる學者は。全く受取ぬことなり。さて約 |
Z14_0158B12: | 心觀佛を內觀なり。內觀は妙境妙觀なりと云が。いか |
Z14_0158B13: | なれば。境觀要門に灼然として相違するや。此は其方 |
Z14_0158B14: | に內觀と云を。從來大に誤て。所觀の妄境のことと。 |
Z14_0158B15: | 妄見せらるゝが故。かく妄難を構へらるゝなり。此方 |
Z14_0158B16: | には。能觀の方なる唯心の內觀をこそ。妙境妙觀とい |
Z14_0158B17: | へ。境觀要門の如くに能觀所觀を分別する時。此方。 |