浄土宗全書を検索する
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| 巻＿頁段行 | 本文 |
|---|---|
| Z14_0157A01: | の文義もよくすみ。猶の字もよく聞ゆれ。而るを四明 |
| Z14_0157A02: | の卽心念佛は。達磨の見性成佛と同じことにして。此 |
| Z14_0157A03: | 見性成佛を以て。萬人を化すと云るゝは。さて〱文 |
| Z14_0157A04: | 義も。文字の見樣も麤きことなり。か樣のことにて |
| Z14_0157A05: | も。世上の文字や。學問が麤しと云て。平生歎き。今も |
| Z14_0157A06: | 亦俗人は四明の心を知ども。彼人は。台宗ながら。出 |
| Z14_0157A07: | 家ながら。四明の書を見ても。四明の心を知ぬなり。 |
| Z14_0157A08: | あさましきことなりと歎かるゝは。さても。うらはら |
| Z14_0157A09: | なること。總じて人のことを。妄りに惡く云て。それ |
| Z14_0157A10: | が皆我身の上にあることなるを。自ら知られぬが。彼 |
| Z14_0157A11: | 人の持病なり。出二乎爾一者。反二乎爾一者也と云ことを思 |
| Z14_0157A12: | ひ。今歎かるゝことは。一字をも改めず。皆これ其方 |
| Z14_0157A13: | の身の上のことなりと。痛く省みられよ。なを此外 |
| Z14_0157A14: | に。四明の放生文や。授菩薩戒儀。慈雲の放生慈濟門 |
| Z14_0157A15: | 抔を引て。四明の淨社も。卽心念佛なりと云るゝは。 |
| Z14_0157A16: | 竝にこれ牽合附會の妄說にして。四明の所謂る。漫 |
| Z14_0157A17: | 指二餘義一遮二掩過非一ものなれば。今勞はしく辨ずるに |
| Z14_0157B01: | 及ばず、 |
| Z14_0157B02: | 庵主曰。分注に。虎溪境觀要門には。卽心觀佛。亦 |
| Z14_0157B03: | 名二約心觀佛一と云りと。此は自分の指合になること |
| Z14_0157B04: | を云れたり。先年數年の間の往復に。境觀要門を。 |
| Z14_0157B05: | 自分の證據に引たることはなし。今こゝに引れば。 |
| Z14_0157B06: | 指合が出來なり。彼人の立義は。約心觀佛は。一途 |
| Z14_0157B07: | の內觀。內觀と云は。妙境妙觀なりと云る。然に御 |
| Z14_0157B08: | 信仰の境觀要門には。觀之一字。是能觀觀。心佛二 |
| Z14_0157B09: | 字。是所觀境とありて。心佛の二字は。妄境なりと |
| Z14_0157B10: | 云に。灼然として相違す。今時は。初心の學者と云 |
| Z14_0157B11: | へども。彼人の立義を。曾て受取らず。贔負偏頗の |
| Z14_0157B12: | 人は。各別。 |
| Z14_0157B13: | 彈曰。辨僞に。境觀要門の。卽心觀佛。亦名二約心觀佛一 |
| Z14_0157B14: | と云を引たるが。此方の指合になることは。少しもな |
| Z14_0157B15: | し。此文は。卽心念佛のことを。卽心觀佛といひ。亦 |
| Z14_0157B16: | 名二約心觀佛一とあるが故。反て其方に。卽心念佛を稱 |
| Z14_0157B17: | 念として。念佛申す〱と云るゝ。大指合なり。とか |