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Z1410 即心念仏弾妄録 性慶 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0156A01: 萬人に勸め玉ふこと。昭著たれば。四明はたゞ理觀の
Z14_0156A02: 一道とある談義本は。此淨社の疏に對して。瓦の如く
Z14_0156A03: に破解し了れり。
Z14_0156A04:  庵主曰。念佛會の疏の跋を。書たる靑山樓居士は。
Z14_0156A05:  俗人なれども。文學ありて。賢きゆへ。能く四明の心
Z14_0156A06:  を知て云。四明法智大老。起天台大敎於旣墜之後
Z14_0156A07:  使人見性成佛。猶且以此化人。是知此深法門。爲
Z14_0156A08:  不廢明矣と云り。四明の卽心念佛を。達磨の直
Z14_0156A09:  指人心。見性成佛と同こと思へり。且又此を以て萬
Z14_0156A10:  人を化すと云り。奇特なることなり。俗人は。能く
Z14_0156A11:  四明の心を知ども。彼人は。台宗ながら。出家なが
Z14_0156A12:  ら。四明の書を見ても。四明の心を知ぬなり。あさ
Z14_0156A13:  ましきことなり。
Z14_0156A14: 彈曰。靑山居士の跋文は。本萬人講の念佛會の跋なれ
Z14_0156A15: ば。稱名念佛のことをこそいへ。見性成佛を。普く僧
Z14_0156A16: 俗男女に勸ると云ことには非ず。而るを猶且以此化
Z14_0156A17: 人とある。此の字を。上にいへる見性成佛を指と見
Z14_0156B01: て。四明の卽心念佛を。達磨の直指人心。見性成佛と
Z14_0156B02: 同じことと思へり。且又此を以て。萬人を化すと云り
Z14_0156B03: と云るゝは。甚だ麤き文義の見樣にして。見性成佛の
Z14_0156B04: 句に取付れたるは。此ぞ其方の節節云るゝ。百題自在
Z14_0156B05: 坊風なり。左樣に云ては。禪錄抔の跋の樣にて。曾て
Z14_0156B06: 念佛會の跋とは聞えず。此は四明の事相本願の念佛
Z14_0156B07: を。勸化し玉ふことを云として。まことに天台の大敎
Z14_0156B08: の。中比衰へて。旣に地に墜たるを。再び屈起して。天
Z14_0156B09: 台中興の祖師と仰がれ。人をして見性成佛せしめ玉
Z14_0156B10: ふ樣なる。高德の四明尊者なれば。事相の稱名念佛抔
Z14_0156B11: は。意にも。詞にも。掛玉ふまじきことと思はるゝに。
Z14_0156B12: かゝる高德の四明にてさへ。猶且又此事の稱名念佛
Z14_0156B13: を以て。萬人を勸化し玉ふ。故に知ぬ此稱名念佛の深
Z14_0156B14: 法門は。破廢すべからずとすること明かなりと云意
Z14_0156B15: なれば。此跋文は。四明の疏文と符合して。いよ〱
Z14_0156B16: 事相の念佛と云こと炳然なり。かくの如く見てこそ。
Z14_0156B17: 念佛會疏に跋せらるゝ。居士の本意もよくたち。上下

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