浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0156A01: | 萬人に勸め玉ふこと。昭著たれば。四明はたゞ理觀の |
Z14_0156A02: | 一道とある談義本は。此淨社の疏に對して。瓦の如く |
Z14_0156A03: | に破解し了れり。 |
Z14_0156A04: | 庵主曰。念佛會の疏の跋を。書たる靑山樓居士は。 |
Z14_0156A05: | 俗人なれども。文學ありて。賢きゆへ。能く四明の心 |
Z14_0156A06: | を知て云。四明法智大老。起二天台大敎於旣墜之後一。 |
Z14_0156A07: | 使二人見性成佛一。猶且以レ此化レ人。是知此深法門。爲レ |
Z14_0156A08: | 不レ可レ廢明矣と云り。四明の卽心念佛を。達磨の直 |
Z14_0156A09: | 指人心。見性成佛と同こと思へり。且又此を以て萬 |
Z14_0156A10: | 人を化すと云り。奇特なることなり。俗人は。能く |
Z14_0156A11: | 四明の心を知ども。彼人は。台宗ながら。出家なが |
Z14_0156A12: | ら。四明の書を見ても。四明の心を知ぬなり。あさ |
Z14_0156A13: | ましきことなり。 |
Z14_0156A14: | 彈曰。靑山居士の跋文は。本萬人講の念佛會の跋なれ |
Z14_0156A15: | ば。稱名念佛のことをこそいへ。見性成佛を。普く僧 |
Z14_0156A16: | 俗男女に勸ると云ことには非ず。而るを猶且以レ此化レ |
Z14_0156A17: | 人とある。此の字を。上にいへる見性成佛を指と見 |
Z14_0156B01: | て。四明の卽心念佛を。達磨の直指人心。見性成佛と |
Z14_0156B02: | 同じことと思へり。且又此を以て。萬人を化すと云り |
Z14_0156B03: | と云るゝは。甚だ麤き文義の見樣にして。見性成佛の |
Z14_0156B04: | 句に取付れたるは。此ぞ其方の節節云るゝ。百題自在 |
Z14_0156B05: | 坊風なり。左樣に云ては。禪錄抔の跋の樣にて。曾て |
Z14_0156B06: | 念佛會の跋とは聞えず。此は四明の事相本願の念佛 |
Z14_0156B07: | を。勸化し玉ふことを云として。まことに天台の大敎 |
Z14_0156B08: | の。中比衰へて。旣に地に墜たるを。再び屈起して。天 |
Z14_0156B09: | 台中興の祖師と仰がれ。人をして見性成佛せしめ玉 |
Z14_0156B10: | ふ樣なる。高德の四明尊者なれば。事相の稱名念佛抔 |
Z14_0156B11: | は。意にも。詞にも。掛玉ふまじきことと思はるゝに。 |
Z14_0156B12: | かゝる高德の四明にてさへ。猶且又此事の稱名念佛 |
Z14_0156B13: | を以て。萬人を勸化し玉ふ。故に知ぬ此稱名念佛の深 |
Z14_0156B14: | 法門は。破廢すべからずとすること明かなりと云意 |
Z14_0156B15: | なれば。此跋文は。四明の疏文と符合して。いよ〱 |
Z14_0156B16: | 事相の念佛と云こと炳然なり。かくの如く見てこそ。 |
Z14_0156B17: | 念佛會疏に跋せらるゝ。居士の本意もよくたち。上下 |